1日、卓球の女子シングルス決勝と3位決定戦が行われ、石川佳純(全農)は3位決定戦でティアンウェイ・フェン(シンガポール)に0−4(9−11、6−11、6−11、5−11)のストレートで敗れ、同競技で日本人初のメダル獲得はならなかった。
 日本卓球界の悲願達成はお預けとなった。フェンは現状は石川(6位)より下の世界ランキング8位とはいえ、1年前は同2位だった強豪。その実力者の前に持ち味を出し切れなかった。

 サーブから速攻で相手のお株を奪うのが石川の強みだ。だが、サーブ権がある時になかなか得点をとれなかった。ロングサーブをはじめ、バリエーションをつけて相手を揺さぶるものの、フェンのレシーブはなかなか乱れない。

 それでも第1ゲームは逆にレシーブで取り返し、9−8と1点リードする。どちらに流れが傾くかわからない一進一退の展開。だが、勝負どころで石川のショットがわずかに外れる。3点を連取されて逆転を許し、9−11。惜しくも最初のゲームを落とした。

 この第1ゲームが結果的には試合の行方を大きく決定づけた。リードしたフェンは強烈なフォアハンドを厳しいコースへビシビシと打ち込み、リズムに乗る。一方の石川は回転のかかったフェンのショットに押され、わずかにアウトになるケースが目立った。

 2ゲーム以降はフェンが連続ポイントを重ね、リードを着実に広げられる。後がない第4ゲームも石川の返球が、ことごとくアウトになり、冒頭から7ポイントを連続で失う。粘って5点を返したものの、最後はマッチポイントからネットに当たったボールが台の外に外れ、試合が終わった。

 快挙はならなかったが、初のベスト4まで勝ち上がった快進撃は世界と戦う手応えを充分に得られたはずだ。まだ石川には3日からの団体が残っている。次は日本チームの一員として悲願のメダル獲得を狙う。