1日、男子サッカー競技のグループリーグ(GL)最終戦が行われ、グループDのU-23日本代表が同ホンジュラス代表(北中米カリブ海2位)と対戦した。すでにベスト8進出を決めている日本はスコアレスドローに終わったものの、勝ち点を7に伸ばしてGLを首位で突破。この結果、4日に行われる準々決勝はグループCを2位通過したエジプト(アフリカ3位)と対戦することになった。

◇グループD
  GK権田、好守で3戦連続無失点貢献(コベントリー)
U-23日本代表 0−0 U-23ホンジュラス代表
 初戦、第2戦で見せた堅い守りはこの日も健在だった。前線の主力を温存した影響で効果的な攻撃を繰り出せないなか、守備陣が抜群の安定感でホンジュラスを完封。なかでもGK権田修一(FC東京)がファインセーブで存在感を示した。

 MF清武弘嗣(ニュルンベルク)やFW永井謙佑(名古屋)らをベンチスタートにし、29日のモロッコ戦からスタメン5人を入れ替えて臨んだ一戦。大きく布陣を入れ替えたことで、前線からの連動したプレスは影を潜めた。相手に簡単に日本の自陣までボールを運ばれるシーンが目立ち、FWアントニー・ロサノやMFマリオ・マルティネスに個人技からミドルシュートを打たれた。いずれもゴールにはならなかったものの、ホンジュラスに主導権を握られた。

 しかし、ゴール前に立ちふさがったのが守護神・権田だ。抜群の反射神経と体を張った守りでピンチを防ぐ。39分には、FWジェリー・ベングソンのシュートを右手一本でブロック。至近距離かつ、味方選手がブラインドになる難しい状況ながら、ゴールを割らせない。こぼれ球にも素早く反応し、猛スピードで詰めてきた相手に足を蹴られながらもボールを押さえた。さらに41分には、ゴール正面からのFKが相手選手に当たってコースが変わったものの、反応よくセーブした。

 守護神の活躍もあり、スコアレスで折り返した後半は、日本がボール支配率を高め、相手ゴールに迫った。しかし、個人での仕掛けが多く、ラストパスも受け手と出し手の息が合わない。途中、清武や永井を投入し、シュートまで持ち込む場面は増えたが、決定的なチャンスには至らなかった。

 攻撃陣が結果を出せなかった一方で、守備陣は最後まで集中力を切らさず、この五輪では無失点を継続している。これには権田も「1人でもサボったらやられる。みんなが守備を頑張っていることが無失点につながっている」と手ごたえを感じているようだ。

 グループリーグ突破も厳しいとの声が多かった中、フタを開けてみれば首位通過。準々決勝ではエジプトと対戦する。同国は、グループCで1勝1敗1分の2位だった。アフリカ予選は3位と、GLで勝利したモロッコ(同2位)よりも格下だ。しかし、権田は「(僕たちは同じアフリカの)モロッコにも苦戦している」と警戒する。

 エジプトとは5月のトゥーロン国際大会で対戦しており、2−3で敗れている。アフリカ特有の身体能力の高さから、セットプレーで競り負けて失点した。ベスト4入りには、不要なファールでセットプレーの機会を与えないことが第一条件となる。

 ただ、日本が2ゴールを奪ったように、相手の守備は決して堅いとはいえない。このグループリーグでも3試合で5失点している。これまでの安定した守りを継続し、シュートチャンスを多くつくれば、エジプト撃破はそう難しくはないだろう。「ひとつずつ勝って、金メダルを目指して頑張っていきたい」と語る守護神が、まず44年ぶりの準決勝進出へゴールにカギをかける。

<U-23日本代表出場メンバー>

GK
権田修一
DF
酒井高徳
鈴木大輔
吉田麻也
村松大輔
MF
山村和也
山口螢
齋藤学
→永井謙佑(81分)
宇佐美貴史
大津祐樹
→東慶悟(88分)
FW
杉本健勇
→清武弘嗣(67分)