6日(現地時間)、男子グレコローマンスタイル60キロ級3位決定戦が行なわれ、五輪初出場の松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)がアルマト・ケビスバエフ(カザフスタン)に第3ピリオド1分7秒フォール勝ちし、銅メダルを獲得した。グレコローマンでは2000年シドニー五輪で銀メダルを獲得した永田克彦以来のメダルとなった。
 松本が今大会での日本レスリング第1号のメダルを獲得し、後に続く選手たちに勢いをつけた。2010年世界選手権で銀メダルに輝いた松本。準決勝では昨年世界選手権覇者に敗れ、3位決定戦にまわった。

 表彰台をかけた大一番の相手は、昨年の世界選手権銀メダリスト。第1ピリオド、積極的に前へ前へと攻めていった松本だったが1分30秒ポイントが入らず、松本が守るグラウンドで、相手の投げ技が決まり2ポイントが入る。松本もすかさずバックを取り、1ポイントを挙げるも、このピリオドを落とした。

 続く第2ピリオド、相手が腕をとりにきたところをうまくかわす。さらに一瞬の隙をつかれてタックルされるも、ここもなんとか凌いだ。すると、残り約30秒のところで松本は相手の頭を抱え込み、投げ技を決める。これで松本に3ポイントが入った。松本の足が場外に出たために、相手にも1ポイントが入るも、そのまま松本リードで2分間が過ぎ、1−1のタイで第3ピリオドに入った。

 これで勢いに乗った松本はスタンドレスリングが得意なだけに第3ピリオドも果敢に攻めると、見事にフォール勝ち。これで日本男子レスリングは1952年ヘルシンキ五輪以降、メダル獲得が続いており、松本はその歴史をしっかりとつないでみせた。