EAFF女子東アジアカップは8日、中国・武漢でなでしこジャパン(日本女子代表、FIFAランキング4位)が、中国女子代表(同14位)と対戦した。2連敗で優勝の可能性が消滅したなでしこはチャンスはつくるものの、ゴールをこじ開けられない。ようやく試合終了間際に途中出場のMF横山久美の先制弾が生まれ、アディショナルタイムにはMF杉田亜未のミドルシュートで突き放した。なでしこは1勝2敗の3位で大会を終えた。

 若手底上げが今後の課題に(武漢)
日本女子代表 2-0 中国女子代表
【得点】
[日本] 横山久美(88分)、杉田亜未(90+3分)

“チャレンジなでしこ”と名付けられた若手主体のチームが最後の最後で結果を出した。
試合は前半からなでしこペース。26分にはFKを得て、ペナルティーアーク付近から杉田が右足で直接GKを狙う。これは相手GKに横っ飛びで弾かれて得点を奪えない。

メンバーをチェンジした後半は13分、パスをつないで左サイドのFW田中美南から逆サイドのDF京川舞へボールが渡る。右足シュートは相手GKにパンチングで枠の外へ出された。

さらに2分後、MF有町紗央里の右クロスに、ファーサイドでMF川村優理が頭で合わせるも、ボールはポストを叩く。なおもMF中島依美の縦パスに、左サイドで途中出場のFW菅澤優衣香が左足を振り抜く。これも相手GKに身を呈して防がれた。

相手のセットプレーも危なげなくしのぎ、なでしこは押し気味ながら、時間だけが経過。このままスコアレスドローかと思われた後半43分、試合が動く。中島のスルーパスに横山が反応。DFの裏に抜け出して右足で蹴りこみ、ゴール上部に突き刺した。1-0。なでしこは欲しかった先制点をあげる。

そして、後半アディショナルタイム、相手が前がかりになったところで菅澤がドリブル突破。菅澤はバランスを崩してシュートを打てなかったが、左サイドから上がってきた杉田にパスを出す。狙いすました右足はダメ押しの2点目を生んだ。

最終戦での勝利に佐々木則夫監督は「一戦一戦、良くはなってきた。何とか力を発揮してくれた」とホッとした様子。「もう少しリスク管理をしたり、ここというところを押さえて点をとってくれれば、(上位に)食い込めたと思う」と若い選手たちの課題をあげた。

来年のリオデジャネイロ五輪予選では今回対戦した北朝鮮、韓国、中国も含めた5チームと対戦して、上位2枠の出場権を得る必要がある。W杯準優勝国といえども、決して楽な戦いではない。
「各チーム、非常に若い選手のレベルが上がってきている。その辺を加味しながら、五輪予選に向けて準備をしていくいい材料にしたい」
1勝2敗という結果を踏まえ、指揮官は今後の代表編成へ改めて気を引き締めた。