11日、クラブワールドカップ(CWC)準々決勝の鹿島アントラーズ(開催国代表)対マメロディ・サンダウンズ(アフリカ代表)が大阪・吹田スタジアムで行われ、2-0で鹿島が勝利した。試合は後半18分、MF遠藤康が先制点を決めた。43分には途中から出場したFW金崎夢生が貴重な追加点を挙げて鹿島が逃げ切った。準決勝進出を決めた鹿島は14日に南米王者のアトレティコ・ナシオナルと対戦する。

 

 金崎、CWC2戦連発(吹田ス)

鹿島アントラーズ 2-0 マメロディ・サンダウンズ

【得点】

[鹿] 遠藤康(63分)、金崎夢生(88分)

 

 中2日でアフリカ王者と対戦した鹿島。初戦でスタメンだったDFファン・ソッコ、MF小笠原満男、FWファブリシオをベンチスタートさせて、DF植田直通、MF中村充孝、FW赤崎秀平を先発で起用した。

 

 対するマメロディ・サンダウンズは身体能力だけに頼らず、巧みにボールをつなぎゴールに襲いかかってきた。鹿島は前半だけで11本のシュートを許したが、ベテランGK曽ケ端準のビッグセーブで何とか無失点で試合を折り返した。

 

 前半はシュートゼロに終った鹿島は後半に入ると、うまく修正した。ボランチのMF柴崎岳、MF永木亮太が積極的に相手のボランチにプレスをかけてボールの出どころを封じた。奪ってはFW土居聖真、赤崎が前半より早めにサイドのスペースを突いて、相手を押し込む。

 

 攻め時と判断した石井忠正監督は16分、中村に代えて金崎をピッチへ送り込んだ。

 

 すると18分、鹿島が待望の先制点を奪う。右サイドに流れた赤崎がクロスを入れた。ファーにいた土居がヘッドで中央へ折り返す。このボールに反応したMF遠藤康が左足ボレーを放つ。シュートは相手GK正面に飛んだが、GKがファンブルしてゴールに吸い込まれた。鹿島の前半の我慢が実った瞬間だった。

 

 1点をリードした鹿島は冷静だった。攻め急ぐこともなく、守備でも慌てふためく場面もない。石井監督は39分に2枚目のカードを切る。先制点に絡んだ赤崎に代えてFW鈴木優磨を投入。CWC開幕戦でもうまくハマった指揮官の采配は今日も冴えた。

 

 43分、右サイドに流れてボールを受けた鈴木が中を見る。ゴール前には土居もいたが、ニアサイドでフリーになった金崎を見逃さずラストパス。金崎はワントラップして冷静に左足インサイドでゴール右へ流し込んだ。勝負を決するゴールを鹿島のエースが奪った。

 

 このまま無失点で試合を終えた鹿島が準決勝に駒を進めた。チームを勝利に導いた石井監督は「アフリカのチームを相手に前半はうまくいかなかった。後半は相手陣内でボールを回すことができた。得点の形も良く、安定した戦いができた」とイレブンをねぎらう。準決勝に向けては「南米のチームは賢く戦ってくる。その辺を見極めて安定した戦いができれば」と抱負を述べた。

 

 貴重な先制点を奪った遠藤は「(土居)聖真から良い落としがきたので入れるだけだった。前半を(失点)ゼロで抑えたら後半はチャンスがくると思っていたので、良い試合ができた」と振り返った。

 

 準決勝では27年ぶりに南米王者に輝いたアトレティコ・ナシオナルと対戦する。自分たちのペースでなくても我慢ができる勝負強い鹿島。その“らしさ”を発揮できるかが勝敗を決するはずだ。

 

(文/大木雄貴)