15日、クラブワールドカップ(CWC)準決勝が神奈川・日産スタジアムで行われ、レアル・マドリード(欧州王者)がクラブアメリカ(北中米カリブ王者)を2-0で破った。試合はレアルが前半アディショナルタイムにFWカリム・ベンゼマのゴールで先制。後半終了間際にはFWクリスティアーノ・ロナウドがゴールを決めた。決勝へとコマを進めたレアルは18日に日産スタジアムで、大会方式が現行制度になってから2年ぶり2度目の優勝を懸けて、鹿島アントラーズ(開催国代表)と対戦する。

 

 公式戦36戦無敗!(日産スタジアム)

レアル・マドリード 2-0 クラブアメリカ

【得点】

[レ] カリム・ベンゼマ(45+2分)、クリスティアーノ・ロナウド(90+3分)

 

 優勝候補のレアルが決勝へと駒を進めたが、快勝というわけではなかった。長時間の移動、時差ボケが選手を苦しめたのか、なかなかレアルのエンジンがかからない。立ち上がりに試合を支配したのはクラブアメリカの方だった。レアルのプレスをショートパス、トラップ、ターンでかわしていく。一方、レアルは掴まえ所がはっきりしなかった。

 

 動きが重いながらビッグチャンスを作るあたりが銀河系と言われる所以か。26分、FWルーカス・バスケスが右サイドからクロスを供給。ゴール前でロナウドがヘッドで合わせたが、シュートは左ポスト直撃。こぼれ球にベンゼマがつめたものの、相手DFが防いだ。

 

 対するクラブアメリカも応戦。37分に裏に抜け出したMFウィリアム・ダ・シルバがペナルティーエリア外から左足を振り抜くが、こちらはGKケイラー・ナバスがセーブした。

 

 このまま前半が終わるかと思われたアディショナルタイム、ベンゼマが一瞬の隙をついた。MFトニ・クロースがペナルティーエリアの近くでボールを持った。するとベンゼマはペナルティーエリア内左で自身のマーカーからサイドステップで遠ざかる動きを見せる。マーカーの死角に入った絶妙のタイミングで、クロースからベンゼマにパスが渡った。抜け出したベンゼマは、落ち着いて右足アウトサイドで右サイドネットを揺らした。レアルがきっちり先制点を奪って、前半を折り返した。

 

 後半に入り、徐々にレアルのエンジンがかかる。ロナウドは“得点を取りたい”とアピールするように前線に残った。右サイドを突破したDFダニエル・カルバハルがクロスを入れる。このボールにベンゼマとロナウドが同時にジャンプ。ロナウドがヘッドで合わせ、シュートは枠を捉えたが、ベンゼマの背中に当たりゴールとはならなかった。

 

 ロナウドに2度目のチャンスが訪れたのは36分だった。高い位置でボールを受けたロナウドが右サイドを上がるバスケスにパスを出し、ペナルティーエリア右へ猛ダッシュ。バスケスから折り返しを受けたロナウドが、右足で強烈なダイレクトシュートを放つ。だが今度はDFにブロックされた。

 

 点取り屋ロナウドの意地が実ったのは後半終了間際だった。初めはオフサイドポジションにいた背番号7。途中出場のMFハメス・ロドリゲスが右サイドでボールを持つと、相手のDFラインがずるずると下がる。この間、ロナウドはラインを見計らってオンサイドのポジションを取ると、ロドリゲスからスルーパスが届く。難なくフリーで抜け出したロナウドが、GKと1対1になり、右足を一閃。シュートがゴール左へ突き刺さり、勝負を決めた。

 

 このままタイムアップの笛が鳴り、レアルが2年ぶり2度目のCWC制覇へ王手をかけた。指揮を執るジネディーヌ・ジダンは「ファイナル進出を目論んでいたから、成し遂げることができてよかった。前半はリズムが掴めず、難しかったが、後半はチャンスを作れて、満足している」と試合を総括した。

 

 2016年のCWC決勝カードは鹿島対レアルとなった。ジダン監督は「対戦する可能性のあるすべてのチームの試合を見ている。(鹿島は)ホームだし、頑張るのではないか。日曜日までの間にもっと細かく分析する。とにかく我々がカップをもって帰る」と意気込む。一方の鹿島はJクラブを代表して、世界のクラブの頂点を目指す。しびれる戦いを期待したい。

 

(文/大木雄貴)