14日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズファーストステージ第2戦が行なわれ、埼玉西武が3回に打者11人の猛攻で大量7得点を挙げ、投げては福岡ソフトバンク打線を零封。通算1勝1敗として、明日の最終戦へともつれこんだ。

◇ファーストステージ第2戦
 岸、6回8奪三振無失点の力投(西武1勝1敗、西武ドーム)
福岡ソフトバンク   0 = 000000000
埼玉西武       8 = 00710000×
勝利投手 岸(1勝0敗)
敗戦投手 武田(0勝1敗)
 前日の第1戦、1点差を凌ぎきり、北海道日本ハムが待ち受けるファイナルステージ進出に王手をかけた福岡ソフトバンク。初回、埼玉西武の先発・岸孝之の立ち上がりを攻める。1死後、長谷川勇也、内川聖一の連打で、一、三塁と先制のチャンスをつかんだ。しかし、ここは岸が意地を見せる。力みが生じたのか、全体的にボールが高めに浮きつつも、ウィリー・モー・ペーニャをフルカウントからショートフライ、前日4打数2安打と当たっている松田宣浩を得意の大きく沈むカーブで空振り三振に切ってとり、ピンチを凌いだ。

 その裏、指揮官からキーマンとされながら、前日は無安打に終わった若手1、2番コンビが先制のチャンスをつくった。浅村栄斗はセカンドゴロに打ち取られるも、俊足を飛ばして相手のエラーを誘い、出塁する。続く秋山翔吾はきっちりとバントを決め、浅村を二塁に進めた。さらにソフトバンク先発、19歳ルーキー武田翔太のけん制が悪送球となり、浅村は三塁へ進む。

 しかし、高卒ルーキーながら8勝をマークした武田が、その強心臓ぶりを発揮。中島裕之を140キロ台のストレートで追い込むと、最後は118キロの緩いカーブで空振り三振。さらに2年連続本塁打王の中村剛也にはスライダーで攻め、2者連続の空振り三振に切ってとった。

 3回裏、西武が相手のミスに乗じて先制のチャンスを再びつかんだ。先頭の炭谷銀仁朗が四球で出塁すると、原拓也はきっちりとバントを決め、1死二塁となる。さらにソフトバンクのキャッチャー細川亨がワンバウンド気味の変化球を取り損ね、一瞬、ボールを見失う。その隙をついて、炭谷が三進した。浅村は四球を選び、西武は無安打ながら1死一、三塁とした。そして秋山翔吾がフルカウントから高めに浮いたカーブを叩きつけると、ショートゴロになるも、バウンドが高かったためにホームへの送球が間に合わず、内野安打に。西武に待望の先取点が入った。これがリーグ最多の516得点を誇る西武打線の口火を切ることになる。

 続く中島は武田の外角低めのストレートをジャストミート。ライトフェンス直撃のタイムリー二塁打で2点目を挙げる。ショックを隠し切れない武田は、次の中村を四球で出し、1死満塁としてしまう。ここで秋山幸二監督は武田を諦め、金澤健人にスイッチした。その金澤からホセ・オーティズがタイムリーを放ち、3点目。2死後には大崎雄太朗、炭谷にもタイムリーが出ると、今度は奇襲攻撃を敢行。一塁ランナー炭谷が盗塁と見せかけ、二塁へけん制させると、三塁ランナーの大崎がホームへ。すぐさまバックホームするも、大崎がうまく回り込み、7点目を挙げた。

 4回表にも中村のタイムリーで1点を追加した西武は、投げては岸がランナーを出しながらも要所を締める力投で6回まで無失点に抑えた。7回以降も4人の小刻みな継投でソフトバンク打線を封じ、完封勝ちを収めた。これで1勝1敗となり、明日の最終戦へともつれこんだパ・リーグのファーストステージ。泣いても笑っても、明日で決着する。