山田恵里(ソフトボール選手)<前編>「東京オリンピックが集大成」
二宮清純: 今回のゲストは、“ソフトボール界のイチロー”の異名を持つ山田恵里選手です。そば焼酎『雲海』のソーダ割り「そばソーダ」を飲みながら、お話を伺いたいと思います。
山田恵里: すっきりしていて、おいしいです。初めて飲みましたが、すごく飲みやすいですね。
二宮: 普段はよく飲まれますか?
山田: 基本的には寮の食堂で食事を摂るんですが、時々チームメイトと出かけて食べるときは飲んだりもします。
二宮: では、今シーズンはチームのみなさんでぜひ「そばソーダ」を。
山田: あぁ、これはすごく飲みやすい。私、カニが好きなのですが、相性もバッチリですね。
二宮: 読者の皆様にタネ明かしをすれば、今日はシーフードバルでの対談です。ここフィッシャーマンズバル (FISHERMAN'S BAR)には、そば焼酎『雲海』が置いてあります。
山田: 「そば」と聞くと和というイメージですが、洋食にも合いますね。シーフードの味をうまく引き出してくれています。
二宮: この「そばソーダ」をソフトボール選手に例えるなら?
山田: うーん。走攻守揃った万能野手と言ったところでしょうか(笑)。
二宮: タイムリーヒットです!
山田: 私、普段は人見知りであまりしゃべらないと言われるのですが、今日は1打席目から“絶口調”です。これも、お酒がおいしいから(笑)。
技術では負ける気がしない
二宮: さて、昨年8月にIOC総会により、ソフトボールが2020年東京オリンピックでの追加競技種目に採用されました。2008年北京オリンピックで金メダルを獲ってから間が空いて精神的にもきつかったでしょう。ソフトボールには世界選手権がありますが、オリンピックという目標があるのとないのとでは全然違う。
山田: 正直、気持ちが乗らない時ありました。でも辞めずに続けてきて、オリンピック競技として復活できたので本当に良かったなと思います。
二宮: 東京オリンピックは山田選手にとって集大成のような位置付けですか?
山田: そうですね。東京までかなとは思っています。その時になって、“できる”と思ったらやるかもしれませんが、今のところ、その先は考えていないです。
二宮: 山田選手ほど技術のある選手はなかなかいません。日本リーグで安打数、ホームラン数、打点数と数々の通算記録でトップです。まだまだ若い選手には負けない?
山田: 技術では負ける気がしないです。
二宮: 年々、ソフトボールが上手くなっているように見受けられます。
山田: 上手くなっているかは分からないですが、引き出しが増えてきていると思います。
二宮: 山田選手が守るセンターというポジションからはバッテリーが見えます。“こういうリードの方がいいのに”と思ったりすることは?
山田: 結構、思いますね(笑)。“だから打たれるんだよ”ということもありますね。
二宮: ハハハ。ところで打って良し、守って良しの山田選手ですが、東京オリンピックで日本が金メダルを獲るための条件は?
山田: 守備力と打撃力。ピッチャーをいかに援護できるかが一番のカギじゃないかなと思っています。たくさん点を取って楽に投げさせたり、ランナーを背負っても、守りで凌いでホームを踏ませない。
二宮: 金メダルを獲った北京オリンピックで日本の守備は鉄壁でしたね。ほとんどエラーがなかった印象です。今回は出場チームが6カ国・地域になると言われています。やはり日本、アメリカ、オーストラリアあたりが出てくるのでしょうか。
山田: あとはカナダと、チャイニーズ・タイペイか中国。ヨーロッパ勢ではオランダかイタリアだと思います。
二宮: 当然、日本が金メダル候補のひとつですが、最大のライバルはアメリカでしょう。昨年はワールドカップ、世界選手権でも優勝を争いましたが、今までと変わった点はありましたか?
山田: 世界選手権では負けてしまいましたが、全体的にレベルは高くなかったかなと感じています。昨年は大学生が中心のメンバーだったので、オリンピックの時にはもっといろいろな選手が出てくると思うんですが……。
エース上野との対戦は楽しい
二宮: 北京オリンピック金メダルの立役者・上野由岐子投手は34歳の今も現役を続けています。9年前は絶対的エース。今でもその存在は大きい?
山田: そうですね。現状、上野さんに勝るピッチャーはいません。
二宮: やはり上野投手は広島の黒田博樹さんのようにマウンドへ上がるだけで風格がありますよね。
山田: 上野さんがいるといないとでは、全然違いますね。守っていても安心感があります。試合が続くと疲労が溜まるはずなんですが、上野さんの場合は試合を重ねるごとによくなるイメージがあります。
二宮: 監督も“上野投手だったら、打たれてもしょうがない”というような思いでマウンドに送っているのかもしれませんね。昨年の日本リーグプレーオフで山田選手は決勝トーナメント第1試合で上野投手を擁するビックカメラ高崎BEE QUEENと準決勝で対戦しました。山田選手は3回裏に、その上野投手から試合を決定付ける3ランを放ちました。
山田: “あ、打っちゃった”みたいな感じでしたね(笑)。
二宮: 左中間スタンドに飛び込む当たりでしたが、反対方向に上手く打ちましたね。
山田: ありがとうございます。打ったのはチェンジアップです。ただチェンジアップを狙っていたわけじゃありませんでした。
二宮: それでも上手く溜めて反対方向にもっていっていますよね。タイミングはストレートで待っていたんですか?
山田: 基本は、速いボールに合わせています。
二宮: ナイスバッティングでした。やはり上野投手との対決とは独特なものがありますか?
山田: 読み合い含めて、楽しいです。一番すごいピッチャーですし、これまで代表ではずっと一緒にやってきていますからね。他のピッチャーとは球のキレも全然違います。
二宮: これまでのソフトボール人生で“敵わない”と感じるなど気持ちが折られそうになった時はないですか?
山田: 上野さんはすごいピッチャーですが、対戦していて楽しいという気持ちの方が強いです。だから敵わないと思った人はいないですね。ソフトボールを始めた時も、最初から“自分の方が上手い”と思っていました。
二宮: すごい自信ですね。グラスももう空になりました。次は金メダルを獲った北京オリンピックのエピソードもお聞きしたいと思います。
山田: 分かりました。「そばソーダ」は本当に飲みやすいので、何杯でもいけちゃいますね(笑)。
(後編につづく)
<山田恵里(やまだ・えり)プロフィール>
1984年3月8日、神奈川県生まれ。高校からソフトボールを始め、女子ソフトボールの強豪・厚木商業高校で2度のインターハイ優勝。2002年、日立製作所に入社。ルーキーイヤーの02年に本塁打王、打点王など数々のタイトルを獲得した。以後、多くのリーグ記録を塗り替えてきた。04年アテネ五輪に出場し銅メダルを獲得。08年北京五輪では主将としてチームを引っ張り、金メダル獲得に貢献した。その卓越したセンスから“女子ソフトボール界のイチロー”の異名を持つ。外野手。左投左打。
今回、山田選手と楽しんだお酒は本格そば焼酎『雲海』。厳選されたそばと、宮崎最北・五ヶ瀬の豊かな自然が育んだ清冽な水で丁寧に造りあげた深い味わい、すっきりとした甘さと爽やかな香りが特徴の本格そば焼酎です。ソーダで割ることで華やかな甘い香りが際立ちます。
提供/雲海酒造株式会社
<対談協力>
FISHERMAN'S BAR
東京都港区新橋2-9-4 乾盃ビルB1F
TEL: 050-5257-6707
月~木、祝前日:11:30~14:00、17:00~23:30
金: 11:30~14:00、17:00~翌3:00
土、日、祝日: 16:00~23:30
定休日:第3日曜日・年末年始(30日~4日)
☆プレゼント☆
山田選手の直筆サイン色紙を本格そば焼酎「雲海」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼントいたします。ご希望の方はこちらより、本文の最初に「山田恵里選手のサイン色紙希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は3月9日(木)までです。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。
◎クイズ◎
今回、山田選手と楽しんだお酒の名前は?
お酒は20歳になってから。
お酒は楽しく適量を。
飲酒運転は絶対にやめましょう。
妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。
(構成・写真/杉浦泰介)