メジャーリーグのワールドシリーズは29日、第4戦でサンフランシスコ・ジャイアンツがデトロイト・タイガースに延長戦の末に勝利し、4連勝で2年ぶり7度目の世界一に輝いた。ジャイアンツは3−3の同点で迎えた延長10回、マルコ・スクタロのタイムリーで勝ち越し。最後はセルジオ・ロモが3者連続三振で締めて、接戦をモノにした。タイガースは三冠王のミゲル・カブレラの2ランで一時はリードを奪ったが、最後は力尽きた。
 初戦で3連発のサンドバルがMVP(ジャイアンツ4勝、コメリカ・パーク)
サンフランシスコ・ジャイアンツ 4 = 010002000 1
デトロイト・タイガース       3 = 002001000 0 (延長10回)
勝利投手 カシーヤ(1勝)
敗戦投手 コーク(1敗)
セーブ   ロモ(3S)
本塁打  (ジ)ポージー1号2ラン
       (タ)カブレラ1号2ラン、ヤング1号ソロ

 ジャイアンツの強力ブルペンが、タイガースの強力打線を封じ込んだ4試合だった。
 4試合でリリーフ陣の失点は大量リードした初戦の2点のみ。しかも許したヒットも、その試合の2本だけだ。接戦が続いた2戦以降は相手打線に快音をまったく響かせず、まったくスキを与えなかった。

 ジャイアンツはこの試合も2回にハンター・ペンス、ブランドン・ベルトの連続長打で1点を先制。しかし、崖っぷちのタイガースは3回、カブレラがライトスタンド最前列に飛び込む2ランを放ち、逆転に成功する。

 援護をもらったタイガースの先発マックス・シャーザーはランナーを出しながらも5回まで1失点と試合をつくっていたが、6回、手痛い一発を浴びる。1死一塁から4番バスター・ポージーにレフトポール際へ運ばれる逆転2ラン。再びジャイアンツが1点をリードした。

 ただ、第2戦、第3戦と得点を挙げられなかったタイガースも粘りをみせる。その裏、2死から5番のデルモン・ヤングがライトへの同点アーチ。3−3と試合を振り出しに戻した。これでホームのタイガースに流れが行くかと思われたが、それを許さなかったのがジャイアンツの救援陣だ。8回からはジェレミー・アフェルト、9回途中からサンディア・カシーアが相手打線を無安打に封じる。試合はこのシリーズ初の延長戦にもつれこんだ。

 そして10回、均衡を破ったのはタイガースだ。1死二塁のチャンスからスクタロがセンター前へ抜けるタイムリー。貴重な1点を勝ち越す。タイガースは35セーブをあげたホセ・バルベルデが不調で、このポストシーズンは途中から左腕のフィル・コークが代役を務めていた。その結果、この日もコークが9回からイニングをまたいでの登板となり、守護神不在が響く敗戦となった。