ニューヨーク・ヤンキースは現地時間20日、FAになっていた黒田博樹と再び1年契約を結んだことを発表した。契約金は明らかになっていないが、米メディアによると1500万ドル(12億3000万円)プラス出来高払い。今季、ヤンキースに移籍した黒田は先発ローテーションの軸として33試合に登板。16勝11敗、防御率3.32の成績でチームの地区優勝に貢献していた。
 メジャーリーグに挑戦して5年。黒田は着実に成績を残して評価を上げ、1年目から年俸を倍増させた。
 今季のヤンキースはリーグチャンピオンシップでまさかの4連敗を喫し、シーズンを終えた。“世界一奪還”への欠かせないピースのひとつが、先発として計算できる黒田だ。今季は自己最多の勝ち星をあげ、防御率も3点台前半をキープ。ポストシーズンゲームでも勝ち星こそつかなかったが、ゲームはしっかりつくれていた。

 残留を希望していたヤンキースは、まず今季(1000万ドル=約7億7000万円)を上回る1330万ドル(約10億6000万円)を提示。この金額は今季から導入されたクオリファイリング・オファーと呼ばれる戦力補償システムにのっとったもので、もし選手サイドが拒否して他に移籍すると、その補填として移籍球団からドラフト指名権が得られる。ヤンキースが右腕を高く買っている証でもあったが、黒田サイドは一旦、このオファーを拒否。古巣のロサンゼルス・ドジャース、ロサンゼルス・エンゼルスなどが獲得に興味を示し、争奪戦となっていた。

 結局、ヤンキースがさらに条件を上積みしたのは、来季に向けて黒田が必要不可欠な戦力と認めているからに他ならない。既に調整を優先するため、WBC参戦を辞退しており、日本代表としての雄姿は見られないが、また来季もピンストライプのユニホームでメジャーリーガー相手に快投を続けそうだ。