2012年競輪界の総決算、「KEIRINグランプリ2012」が30日、京王閣競輪場で行われ、村上義弘(京都)がレースを制し、6回目の出場で初優勝を収めた。村上は弟の博幸が2年前のグランプリで勝っており、兄弟揃っての制覇。賞金1億円を獲得して初の賞金王に輝いた。2着は成田和也(福島)、3着には昨年に引き続き、浅井康太(三重)が入った。
 冷たい雨に濡れたバンクを手負いのレーサーが真っ先に駆け抜けた。
 今年の高松宮杯、オールスターと落車が相次ぎ、左ひざや左肩を負傷。このグランプリも練習中に落車して右肋骨を折って迎えたレースだった。

 そんな満身創痍の状態でもグランプリ出場は6回目。勝負への執念は人一倍燃えていた。佐藤友和−山崎芳仁−成田和也の東北ライン、深谷知広−浅井康太の中部ラインの後に単騎でつけると、残り2周の赤板からレースは激しく動く。

 まず、一番後ろにつけていた武田豊樹−長塚智広−岡田征陽の関東ラインが加速すると、残り1周半からの打鐘を合図に中部ラインも前へ出ようとする。その流れに乗ったのが村上だった。最後尾から3番手に躍り出ると、躊躇なく一気にまくる。残り半周で先頭へ。最後の直線でインから成田、外から浅井が伸びてきたが、そのままトップで押し切った。

 2着の成田とはわずかにタイヤの差。ケガで折れそうな心を奮い立たせ、一瞬のポイントを逃さなかった。アクシデント続きでも諦めなかった38歳に勝利の女神が最後に微笑んだ。

 主な払戻金は以下の通り。

▽枠連  (3)−(4) 1,280円
▽車連  (3)−(4) 6,450円
▽車単  (4)−(3) 14,190円
▽3連複 (3)−(4)−(8) 8,400円
▽3連単 (4)−(3)−(8) 84,800円

※結果、払戻金などは必ず主催者発表のものとご確認、ご照合下さい。