13日(現地時間)、MF香川真司が所属するマンチェスター・ユナイテッドが、欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦第1戦(マドリード、サンチャゴ・ベルナベウ)でレアル・マドリードと対戦した。試合は前半20分、マンUがMFダニー・ウェルベックのゴールで先制する。しかし30分、MFクリスティアーノ・ロナウドのゴールで1−1。その後は互いに好機をつくるもスコアは動かず、互いに勝ち点1を分け合った。ただ、マンUは貴重なアウェーゴールを奪い、優位な立場で第2戦(現地時間3月5日)に臨むことになった。なお香川は先発出場し、後半19分までプレーした。
 ベスト8へ大きく前進だ。マンUは劣勢の時間帯が続いたものの、セットプレーのチャンスを生かして先制。追いつかれたものの、GKダビド・デ・ヘアが中心となって逆転ゴールは許さなかった。 

 序盤からレアルのスピードに乗った攻撃に押し込まれた。前半6分、DFファビオ・コエントランにPA内からのシュートを打たれる。これは右ポストを直撃し、かろうじて失点は免れたが、マンUが守勢を強いられる。
 だが、先制したのは劣勢のマンUだった。20分、香川が左サイドで突破を試みた際に、相手の足に当たり左CKを獲得。MFウェイン・ルーニーのキックを、ウェルベックが頭で流し込んだ。ウェルベックの今大会初得点は、貴重なアウェーゴールともなった。

 リードを奪ったマンUだが、その時間は長くは続かなかった。30分、C・ロナウドに左サイドからのクロスをヘディングで叩き込まれた。高い打点からゴール右下を狙ったシュートに、デ・ヘアの伸ばした手はわずかに届かなかった。
 勝ち越したいマンUは前半34分、左サイドからチャンスをつくりだす。深い位置で香川がファン・ペルシーに落とし、ウェルベックがクロスに飛び込む。しかし、シュートはわずかに右へ外れ、チャンスを生かせない。その後はレアルの高いボールポゼッションに押し込まれたが、1−1のまま試合を折り返した。

 後半もマンUが守勢の構図は変わらない。そんな劣勢のチームを支えたのが、前半から好守を見せていた守護神デ・ヘアだ。後半15分、コエントランに右サイドからのクロスをファーサイドで合わせられる。ボールは枠に飛んだが右足でなんとかクリアーした。後半32分には、FWゴンサロ・イグアインにゴール正面でシュートを許すが、しっかりとセーブ。デ・ヘアは90分間で14本の枠内シュートを受けたものの、許したゴールは1のみ。敵地での勝ち点1獲得に貢献し、同試合のマン・オブ・ザ・マッチに選出された。

 この結果、マンUは第2戦で0−0の引き分けに終わってもアウェーゴール数で上回るため、勝ち抜けられる。しかし、第2戦の会場は真っ赤に染まるオールド・トラフォード。サポーターに引き分け狙いの消極的な戦い方は見せられない。第1戦のように粘り強く守りながら、攻めるべきところはリスクを冒して攻められるか。5季ぶりの欧州制覇へ、ホームの大声援を背に白い巨人を撃ち倒す。