佐藤圭太(障がい者陸上)第4回「社会が変わるきっかけに」

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1705ch伊藤数子: 東京パラリンピックでの目標は?

佐藤圭太: 100メートル10秒台で走るのはずっと目標です。それを出さないとメダルにもからめない。リオデジャネイロパラリンピックではリレーでメダルを取りましたので、東京では個人でも取れるように頑張りたいです。

 

二宮清純: 現在のベストは?

佐藤: 11秒77です。1秒近く縮めなければならないので、やらないといけないことはたくさんありますね。

 

二宮: 東京でもリレーはメダルを?

佐藤: そうですね。出場国が少ない関係で、リレーがなくなるという噂もありますが、存続するならば当然目指していきたいですね。

 

伊藤: 東京に向けての調整はいかがでしょう?

佐藤: 今年はロンドンで世界選手権があります。来年はアジアパラ競技大会があり、再来年に世界選手権があって、2020年の東京パラリンピックを迎えます。毎年主要な大会があるので、段階を踏みながら東京へ向かっていけたらと思います。

 

二宮: 世界選手権はロンドンパラリンピックを走ったオリンピックスタジアムで行われます。そこでの目標は?

佐藤: 個人での決勝進出。100メートルは11秒中盤を切るようなタイムを出せたらいいなと思っています。

 

二宮: パラリンピックにはプレ大会といって、開催地で直前に行う大会があります。それには出た方がいいのでしょうか?

佐藤: 僕はロンドン、リオの時も出ましたが、出ていてすごく良かったと思っています。僕自身、土壇場でバタバタして焦るのが嫌なので、流れを理解した上で"ここを集中しよう"と気持ちを持っていきやすくなりました。

 

 共生社会の実現へ、パラアスリートが発信

 

二宮: 3年後の東京パラリンピック。佐藤さんにとっていい時期にやってきますね?

佐藤: そうですね。出場できれば3回目のパラリンピック。年齢も29歳になりますから。

 

二宮: 環境面でも変化は感じられますか?

佐藤: 全体で言うと、今はパラアスリートが活動できる場所も増えていっています。しかし選手の環境だけではなくオリンピック・パラリンピックを通じて社会全体が良くなっていくのが理想です。オリンピック精神には<スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること>です。それを理解し、行動することがオリンピック・パラリンピックを開催することの本当の意味かなと思います。

 

二宮: 東京パラリンピック開催が追い風になればいいですね。

佐藤: はい。選手のための施設や環境は良くなってきています。しかし、スポーツだけではなく日本全体を変えていく必要があり、それこそが本当の東京大会の成功かなと思います。障がいのある方へ理解が深まり、共生社会につながるのが一番です。そのためには我々がスポーツを通し、社会へ発信できる機会を大切にしたいと思います。

 

(おわり)

 

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1705ch2佐藤圭太(さとう・けいた)プロフィール>

1991年7月26日、静岡県生まれ。T44クラス。中学3年でユーイング肉腫を発症し、右膝から下を切断。リハビリ目的で陸上を始めると、メキメキと力をつけた。中京大3年時にロンドンパラリピック出場。4×100メートルリレーで4位入賞を果たした。2016年リオデジャネイロパラリンピックでは同種目で銅メダルを獲得した。100メートル、200メートルの日本記録保持者。身長177センチ、体重68キロ。トヨタ自動車所属。

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NPO法人STAND

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NPO法人STAND代表の伊藤数子さんと二宮清純が探る新たなスポーツの地平線にご期待ください。

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