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(写真:バックスタンドの巨大ユニフォームの下には熊本への応援メッセージが添えられた)

 今年で12回目を迎えた「伊予銀行サンクスデー」は4月9日、松山・ニンジニアスタジアムで行われた。サッカーの明治安田生命J2リーグ第7節。愛媛FCの対戦相手は震災から1年を迎える熊本県を本拠に構えるロアッソ熊本だ。「愛媛から届けよう 愛顔(えがお)を熊本へ」と題し、「復興支援マッチ」を開催した。

 

 

 昨季10位の愛媛FCは間瀬秀一新監督を迎え、上位進出を狙っていた。2月26日の開幕戦でツエーゲン金沢に勝利したものの、松本山雅FC、カマタマーレ讃岐と引き分けが続き、湘南ベルマーレ、水戸ホーリーホックに連敗を喫した。大分トリニータとの第6節は先制点を挙げながら、土壇場で追いつかれて1-1で引き分けた。勝ち点3が遠く、1カ月以上も白星から遠ざかっていた。

 

 伊予銀行も動員アップに少しでも寄与すべく、サンクスデー2週間前には本町支店でロビー展を実施した。愛媛FCの選手たちの写真、サイン入りフラッグなどが展示された。1週間前には本町支店で愛媛FCのTシャツを着用して営業。その他にもチラシを作成し、県内営業店で配布した。メディア露出も積極的に図った。行員が地元ケーブルテレビのイベント情報に出演して告知。試合前日には愛媛新聞に広告を掲出した。

 

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(写真:「絆」と描かれたオレンジのメッセージボードを皆で掲げた)

 当日は行員が愛媛FCの選手と共に募金活動を行った。バックスタンドに応援メッセージを掲出し、コレオグラフィーで使用するオレンジボードにも「絆」のメッセージを印刷した。スタジアム外のイベント広場には熊本県PRキャラクターのくまモンを迎え、伊予銀行のマスコットキャラクター・とりカエル、マッチタウンの上島町からはご当地キャラクターのかみりんが登場してイベントを盛り上げた。

 

 スタジアムの各ゲートでは来場者に例年同様、先着3000名にプレゼントが配布された。今年は愛媛FCとのコラボで特製ペットボトルホルダー。愛媛FCのユニフォームと、とりカエルがデザインされている。ハーフタイムには伊予銀行の提供で、お楽しみ抽選会を実施。愛媛FCのグッズの詰め合わせが3種類、計13名に当たった。

 

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(写真:「春のキッズセミナー」の講義に聞き入る子供たち)

 また伊予銀行は毎年春休みに行っている小中学生向けの金融教育「春のキッズセミナー」を愛媛FCとのコラボで実施した。参加者は午前中にお金の仕組みや銀行の仕事を行員から丁寧にレクチャーされた。愛媛FCスタッフからは講義を受け、昼食をはさんで午後からは実務体験となった。試合開始前の入場ゲートやグッズ売り場を手伝った参加者。セミナー後は保護者と一緒にスタンド観戦し、試合後には選手と集合写真を撮影するなど貴重な経験を味わった。

 

 試合は日曜日の15時キックオフ。サンクスデーには伊予銀行からも行員と、その家族が約1300名参加した。ニンジアスタジアムには3766人が詰め掛けた。今シーズンでは開幕戦に次ぐ2番目(当時)の数字である。苦戦が続く愛媛FCイレブンの背中を押した。

 

 ピッチ上では愛媛FCと熊本の選手が熱戦を繰り広げた。徐々にリズムを掴んでいった愛媛FCだが、熊本GK佐藤昭大のファインセーブに阻まれ、ゴールを割れずにいた。鬱屈した空気が漂っていた後半30分、大卒ルーキーのFW丹羽詩音がMF神田夢実に代わって出場した。丹羽はこれがJ2リーグデビュー戦である。名門・明治大学から加入の背番号15が、13分後に大きな仕事をやってのける。ペナルティーアーク付近でボールを受けると、丹羽は右足を振り抜いた。シュートはゴール左に突き刺さり、待望の先取点が生まれた。愛媛FCはその1点を守り抜いて、6試合ぶりの勝利を挙げた。

 

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(写真:試合後の記念撮影。愛媛県を代表するマスコットキャラクターたちも加わった)

 サンクスデーからチームは上昇気流に乗った。サンクスデーからホームゲームは5連勝。5月30日時点で7勝6敗3分けと白星が先行している。順位は10位だが、首位とは勝ち点差7。今後の成績次第では上位進出も十分に可能性がある。観客動員も1試合平均4068人まで盛り返してきている。伊予銀行は「サンクスデーはお客さんがサッカーとその他のイベントでも楽しんでいただけるような企画を愛媛FCと協力して実施したい」と、今後もチームをサポートしていくつもりだ。

 

 地域のスポーツでは、今シーズンより開幕した男子プロバスケットボールリーグの「B.LEAGUE」に愛媛オレンジバイキングス(B2)が参入している。オフィシャルクラブパートナーとして伊予銀行もサポート。今シーズンでのB1昇格こそならなかったが、愛媛県に誕生したプロバスケットボールチームに対しても応援を惜しまない。

「今後は愛媛FCとのコラボなど愛媛県を盛り上げるような企画もできればと思っています」

 

<想いを、つなぐ。地域をつなぐ。>

 今年度よりCMなどでも伊予銀行が打ち出しているメッセージだ。地元のスポーツや地域を活性化するイベントと協同し、人と人をつなぐ。愛顔(えがお)のための挑戦――。「Challenge&Smile」の精神を失わず、邁進していく。

 

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