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(写真:トロフィーを掲げてポーズを取るファジーカス)

 30日、男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」の年間表彰式「B.LEAGUE AWARD SHOW2016-17」が東京・六本木のBillboard Live TOKYOで開催された。初年度の最優秀選手賞(MVP)には得点王のニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)が輝いた。リーグ戦のベスト5にはファジーカスの他、富樫勇樹(千葉ジェッツ)、田中大貴(アルバルク東京)、金丸晃輔(シーホース三河)、比江島慎(シーホース三河)が選ばれた。

 

 昨秋に開幕したB.LEAGUE。先週末に全日程を終了し、初代王者が決まった。この日はシーズンを締め括る表彰式が行われた。

 

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(写真:プレゼンターの鈴木大地スポーツ長官と共に記念撮影するベスト5の選手たち)

 B1クラブのヘッドコーチ、登録選手、そしてメディア投票によって選出されるベスト5にはトップスコアラーのファジーカスをはじめ、ベスト3P成功率賞とベストフリースロー成功率賞をダブル受賞した金丸といったタイトルホルダーから選ばれた。その他には千葉の司令塔・富樫、三河のエース・比江島、A東京の点取り屋・田中も入った。いずれもチャンピオンシップ(CS)に進出した上位クラブからだ。

 

 MVPはベスト5の中から最多得票者が選ばれる。記念すべき初代MVPに輝いたのはファジーカス。文句なしの選出だろう。1試合平均27.1点は断トツのトップで、同12.7リバウンドはリバウンド王のライアン・ロシター(栃木ブレックス)に次ぐリーグ2位の活躍だ。CSファイナルで惜しくも栃木に敗れたものの、リーグ戦最高勝率と最多得点の川崎を牽引した。

 

「最高の気分。他の選手に認められて光栄です」とファジーカスは受賞を喜んだ。身長210cmのサイズを生かしたインサイドでのプレーをはじめ、ミドルレンジや3Pエリアからもシュートを決めた。パワーだけでなく柔らかさもある万能型スコアラーには各クラブのディフェンスも苦労したはずである。

 

 川崎が誇るオフェンスマシーンはアメリカ出身の31歳。NBAのダラス・マーベリックスやロサンゼルス・クリッパーズでのプレー経験を持つ。その後はヨーロッパ、アジアを渡り歩き、12年から日本の東芝(現・川崎)に入団した。来日5シーズン目となるファジーカス。JBL、NBLを含め5度目の得点王獲得だ。

 

 父親も元プロ選手である。「父からは『効率よくシュートを決めるように』と言われていましたので、いつも努力していました」。万能型スコアラーの鋳型は、父親の教えを元につくられた。今もなお居残り練習をして努力を惜しまないファジーカス。初代王者の座には届かなかったが、3つの個人賞(MVP、得点王、ベスト5)に輝いた。

 

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(写真:表彰式ではLiveも行われ、会場を盛り上げた)

 初代王者の栃木からはベスト5の選出者はなし。それゆえにチーム力の勝利とも言えるだろう。指揮官のトーマス・ウィスマンは「選手たちがハードワークしてきた。チームを誇りに思う」と称えた。キャプテンの田臥勇太は「優勝はチームの目標だった。それに傲ることなくもっともっとB.LEAGUEをたくさんの人に知ってもらい、子どもたちに夢を持ってもらえるように自覚と責任を持っていきたい」と語った。

 

 NBLとbjリーグが統合してスタートしたB.LEAGUE。B1・B2で年間226万人を超える観客動員を記録した。B.LEAGUEによれば、昨シーズンとの比較では約1.4倍増だという。開幕戦は9千人、ファイナルには1万人を超える観客を集めるなど大きな注目を集めた。リーグ初年度ということを差し引けば、真価が問われるのは2シーズン目以降だろう。B.LEAGUE、各クラブの更なる進化が求められる。

 

 主な受賞者は次の通り。

 

【リーグ戦最優秀選手賞】

ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)

 

【リーグ戦ベスト5】

富樫勇樹(千葉ジェッツ)、田中大貴(アルバルク東京)、ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)、金丸晃輔(シーホース三河)、比江島慎(シーホース三河)

 

【ベストディフェンダー賞】

遠藤祐亮(栃木ブレックス)

 

【ベスト6thマン賞】

タイラー・ストーン(千葉ジェッツ)

 

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(写真:「B.LEAGUEと共に成長していきたい」とスピーチしたベンドラメ)

【新人賞】

ベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)

 

【最優秀ヘッドコーチ賞】

トーマス・ウィスマン(栃木ブレックス)

 

【得点王】

ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース) 27.1点

 

【リバウンド王】

ライアン・ロシター(栃木ブレックス) 13.3リバウンド

 

【ベストフリースロー成功率賞】

金丸晃輔(シーホース三河) 90.1%

 

【アシスト王】

宇都直輝(富山グラウジーズ) 4.3アシスト

 

【ベスト3ポイント成功率賞】

金丸晃輔(シーホース三河) 42.6%

 

【スティール王】

広瀬健太(サンロッカーズ渋谷) 2.0スティール

 

【ブロック王】

ジョシュ・ハレルソン(エヴェッサ大阪) 1.9ブロック

 

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(写真:サプライズ受賞となった川淵氏<左>とプレゼンターの前園氏)

【BREAK THE BORDER賞】

川淵三郎氏(B.LEAGUE初代チェアマン)

 

【ベストタフショット賞】

川村卓也(横浜ビー・コルセアーズ) ※2月4日の千葉ジェッツ戦(横浜国際プール)

 

(文・写真/杉浦泰介)