第631回 巨人、20年前の“悪夢”再び!?

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 歴史は繰り返すという。5月 25日から6月8日にかけて球団史上ワーストとなる 13連敗を記録した巨人。首位・広島とのゲーム差は16.0(7月3日現在)。3年ぶりのV奪還は、早くも厳しい状況だ。

 

 

 オフの「総額30億円補強」は失敗だったのか。山口俊、陽岱鋼、森福允彦。FA選手を3人も獲得したのはNPB史上初めてのこと。外国人はケーシー・マギーとアルキメデス・カミネロ。こうした顔触れを見て、開幕前、ほとんどの解説者が優勝候補の筆頭に巨人を推した。

 

 ところが、である。現時点で年俸分の活躍をしているのはマギーとカミネロくらいのものか。

 

 20年前の1997年を思い出す。 前年オフの補強の目玉はFA権を行使して西武を飛び出した清原和博だった。「思い切って僕の胸に飛び込んできて欲しい」。長嶋茂雄監督(当時)のこの一言が巨人入団の決め手となった。5年18億円。条件も破格だった。

 

 32本塁打、95打点。主砲として及第点の数字を残した清原だが、好機に弱く、OBから厳しい指摘を受けた。ふと漏らした「何や犯罪者みたいな扱いやなァ」との一言が忘れられない。

 

 この年の長嶋巨人は近鉄の元4番・石井浩郎も獲得している。95年にはヤクルトから広沢克己、ジャック・ハウエルを獲得していたこともあり、“時代遅れの大艦巨砲主義”と揶揄されたりもした。

 

 清原の陰に隠れてあまり目立たなかったが、長嶋巨人の本当の誤算は千葉ロッテから2年5億円という好条件でやってきたエリック・ヒルマンではなかったか。

 

 ロッテ時代の2年間で 26勝をあげた左腕は、「左肩の違和感」を理由に、わずか2試合しか登板しなかったのだ。巨人は大金をドブに捨てたも同然だった。

 

 結局、大型補強は空振りに終わり、この年巨人はBクラスに沈んだ。それと同じ過ちを犯してはならない。まだペナントレースは半分近く残っている。巻き返しのための秘策はあるのか……。

 

<この原稿は『週刊大衆』2017年7月10日号を一部再構成したものです>

 

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