シアトル・マリナーズの岩隈久志は13日、本拠地のテキサス・レンジャーズ戦に先発し、7回途中3安打1失点。6回3失点だったレンジャーズ先発のダルビッシュ有に投げ勝ち、今季2勝目をあげた。現地時間の12日は岩隈にとって32歳の誕生日で、自らを白星で祝った。試合は3−1でマリナーズが連敗をストップした。
 メジャーリーグでは2度目の岩隈vs.ダルビッシュ。昨季9月の対戦ではお互いに好投したものの、7回1失点だったダルビッシュに軍配が上がった。今回もそれぞれが持ち味を出し合う内容で、今度は岩隈が制した。

 差を分けたのは立ち上がりだった。
 初回、岩隈は3者凡退と上々の滑り出し。一方のダルビッシュはコントロールに苦しんだ。1死後、死球で出塁を許すと、ワイルドピッチで二塁へ進まれる。さらに3番ケンドリー・モラレスが三遊間を破り、1死一、三塁とピンチが広がった。

 さらに4番ラウル・イバネスにはカウント1−2と追い込みながら、変化球が高めに浮き、センター前へ運ばれる。タイムリーで1点を先行された。なおも2死一、三塁から、ジャスティン・スモークに一塁線を突破されて計3失点。今季は制球がより安定している岩隈が相手だけに、この3点は大きかった。

 リードをもらった岩隈は2、3回も3者凡退とで序盤はパーフェクトの内容。吐く息が白くなるほどの寒さの中、エンジン全開のピッチングをみせる。

 対するダルビッシュも2回からは立ち直った。2回に2三振を奪って3人で切ってとると、3回は連続四死球で得点圏に走者を背負いながら、前の打席でタイムリーを打たれているイバネスを空振り三振に仕留めるなど後続を抑えて追加点を与えない。4回からの3イニングはすべて3者凡退でゼロを並べ、味方の反撃を待った。

 ただ、今季の岩隈は大崩れしない。4回は先頭のイアン・キンスラーに高めのボールをとらえられてレフトへのソロアーチを浴びるも、続く3人を落ち着いて打ち取り、最小失点で切り抜ける。5回には今季初の四球もあって2死から走者がたまったが、続くバッターに低めできっちりゴロを打たせた。

 6回も先頭打者にヒットを許して、1死三塁のピンチ。たが、ここもストライクを先行させて、バッターに思うようなバッティングをさせなかった。走者が出ても丁寧なピッチングが光り、7回2死までわずか90球。ホームの歓声を浴びる中、余裕を持っての降板となった。
 
 試合後、岩隈は「負けたくない気持ちがあった」とダルビッシュを意識していたことを明かした。先発ローテーションの地位を確立した今季は、同地区のレンジャーズとの対戦機会も多いだろう。日本から来た2年目の右腕同士が、これからもハイレベルな投げ合いをみせてくれそうだ。