ニューヨーク・ヤンキースの黒田博樹は26日、本拠地でのトロント・ブルージェイズ戦に先発し、6回3失点で今季3勝目をあげてメジャーリーグ通算60勝(57敗)に到達した。ブルージェイズは川崎宗則が2番・ショートでスタメン出場し、黒田とメジャー初対決。2回の第2打席で二塁打を放ったが、その他の2打席は内野ゴロに倒れた。試合はヤンキースが5−3で逆転勝ちを収めた。
 修正力が生んだ60勝目だ。
 立ち上がりの黒田はコントロールが定まらず、苦労した。先頭打者にヒットを許し、2番の川崎こそ併殺打に仕留めたものの、続くホセ・バティスタを四球で歩かせてしまう。4番エドウィン・エンカーナシオンには初球が甘く入り、打球はレフトスタンドへ。あっという間に2点を失った。

 2回も先頭のブレット・ローリーにカウントを苦しくして、ストライクを取りに来たボールをライトスタンドに運ばれる。2死から川崎にもボールが先行して長打を浴び、このままズルズルと行ってしまうように思われた。

 だが、ここから立て直せるのが、メジャーで成績を残し続ける要因だ。徐々にスライダーが決まり始め、打たせてとるピッチングを披露。3回以降、許した走者は味方のエラーによるひとりのみと、別人のような内容だった。

 調子を上げてきた右腕を打線もサポートする。2回にソロで1点を返すと、3回には2死一、二塁からロビンソン・カノが逆転3ランを放つ。4回にもフランシスコ・セルベリの一発で得点を追加し、ホームラン攻勢で試合をひっくり返した。

 メジャーで60勝をあげた日本人は、黒田以外では123勝をあげた野茂英雄しかいない。勝ち星では野茂と大きな開きがあるが、通算防御率は黒田が3点台で大きく上回る(野茂は4.24)。抜群の安定感を誇る38歳はまだまだ白星を重ねそうだ。