18日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージがヤフオクドームで開幕した。リーグ3位から勝ち上がった東北楽天がリーグ優勝を果たした福岡ソフトバンクに3対2で勝った。

 楽天は初回、先頭の茂木栄五郎が本塁打を放ち1点先制すると、2回にも7番ジャフェット・アマダーがアーチを見舞って2点目を追加。4回には4番ゼラス・ウィーラーのホームランで3対0とした。

 一方のソフトバンクは6回に2番の今宮健太、9回には4番の内川聖一がソロ本塁打を放つも、楽天の継投の前にあと一歩及ばず、1点差で初戦を落とした。

 

◇ファイナルステージ第1戦

 塩見、6回4安打1失点の好投(楽天1勝1敗/ヤフオクドーム)

東北楽天      3 =110|100|000

福岡ソフトバンク  2 =000|001|001

勝利投手 塩見(1勝0敗)

敗戦投手 東浜(0勝1敗)

セーブ  松井裕(0勝0敗1セーブ)

本塁打 (楽)茂木1号ソロ、アマダー1号ソロ、ウィーラー1号ソロ

    (ソ)今宮1号ソロ、内川1号ソロ

 

 パ・リーグCSファイナルステージ第1戦、ソフトバンクの先発は今季16勝(5敗)で自身初のタイトルとなる最多勝に輝いた東浜巨。楽天の先発は3勝(3敗)の塩見貴洋でスタートした。

 

 注目の初戦、試合は初回から動いた。楽天は先頭の茂木がファーストシリーズ第2戦以来の先頭打者弾を左中間に放った。両ステージでの先頭打者本塁打は史上初である。最多勝投手にいきなりの一発を浴びせ、ファーストステージでの“下克上”の勢いそのままに楽天が先制した。

 

 続く2回表には2死走者なしの場面で、この日カルロス・ペゲーロに代わって1軍登録されたアマダーが東浜のスライダーを完璧にとらえた。バックスクリーン左まで運ぶ特大のホームラン。スコアを2対0とし、楽天が序盤から試合の主導権を握る。

 

 楽天の勢いは止まらない。今度は4回、1死走者なしから4番のウィーラーが甘く入った変化球をすくい上げてバックスクリーンへ叩き込んだ。楽天が本塁打攻勢で3対0とリードを広げた。

 

 塩見はポストシーズン初登板ながら、打線の援護を受け初回から好投を続けた。6回を投げ89球。今宮に一発を打たれたものの、6奪三振で与四球はゼロと素晴らしい内容で、ファイナルステージの開幕投手という大役を果たした。

 

 3対1とリードしている楽天は、7回から得意の継投に入った。7回をフランク・ハーマンとルーキー左腕の高梨雄平でしのぐと、8回は福山博之、そして9回は守護神・松井裕樹へと繋いだ。松井はソフトバンクの4番・内川にストレートを完璧にとらえられてソロ本塁打を許した。1点差に迫られたものの、最後はアルフレド・デスパイネを三振に仕留め、逃げ切った。

 

 ソフトバンクはエースの東浜が3本塁打を浴びるなど誤算だった。打線もリーグ2冠王のデスパイネが3三振と振るわないなど、追いかける展開のまま最後まで挽回することができなかった。楽天がソフトバンクを3対2で下し、リーグ優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージを含め、1勝1敗となった。

 

 CSファイナルステージは6試合制、アドバンテージを含め先に4勝したチームが、日本シリーズ(28日開幕)に出場する。第2戦は明日19日、ヤフオクドームで行われる。先発投手はソフトバンクが千賀滉大、楽天が辛島航と発表されている。