30日、FIFAコンフェデレーションズカップ2013の決勝がリオデジャネイロ・マラカナンスタジアムで行われ、開催国・ブラジルがスペインを3−0で下して3大会連続、通算4度目の優勝を収めた。ブラジルは前半2分、FWフレッジのゴールでいきなり先制。44分にはFWネイマールが2点目を奪った。後半3分にもフレッジがこの試合2ゴール目を決めてダメを押した。守りもGKジュリオ・セザールを中心に無失点に抑え、W杯前哨戦を完勝で締めくくった。

 ネイマールがMVP!(リオデジャネイロ)
ブラジル 3−0 スペイン
【得点】
[ブ] フレッジ(2分、47分)、ネイマール(44分)
 王国が国際Aマッチ26試合連続不敗中の“無敵艦隊”を撃沈した。攻めては中央、サイドとピッチを広く使い3ゴール。守備面は前線から激しいプレスをかけ続け、スペインに自由を与えなかった。

 前半2分、ブラジルが幸先よく先制点を奪った。決めたのはFWフレッジ。FWフッキが右サイドから上げたクロスがゴール前で混戦になったところを、倒れ込んだまま右足で蹴り込んだ。いきなりの先制劇に超満員のマラカナンスタジアムが揺れた。

 序盤から攻勢を仕掛けたブラジルは、スペインのボールホルダーに素早いプレスをかけて同国のポゼッションサッカーを封じた。13分には、MFパウリーニョがPA手前でボールを奪いそのままループシュート。これはGKにセーブされたが、ハイプレスは確実に機能していた。
 中盤以降は徐々にスペインにボールを支配され出したが、DFチアゴ・シウバとDFダビド・ルイスの両センターバックを中心に攻撃を跳ね返した。41分には、カウンターからFWペドロ・ロドリゲスに抜け出されGKと1対1に。PA内右サイドからのシュートはGKの脇を抜けてゴールへ向かったが、これをダビド・ルイスが滑り込みながらクリアした。

 そんな44分、ブラジルの背番号10が守備陣の奮闘に応える。ネイマールがMFオスカルのスルーパスに反応してPA内左45度から左足を一閃。シュートはニアサイドのゴール左上に突き刺さった。ネイマールはオフサイドポジションにいたため、一度下がり直してからボールを受けた。彼のゴール前での的確な判断力の高さが際立つシーンだった。

 ブラジルは最高のかたちで試合を折り返すと、後半開始早々にダメ押し点を奪った。2分、フッキがピッチ中央での相手と競り合いながら左サイド前方へスルーパスをネイマールがスルー。裏に走っていたフレッジが右足でゴール右隅に流し込んだ。ほぼ完璧なセレソンの試合運びにマラカナンの観客の大歓声はしばらく鳴り止まなかった。

 そんな会場の雰囲気にのまれたのか、9分、スペインのDFセルヒオ・ラモスがPKを失敗。23分には、DFジェラール・ピケがドリブルで抜け出したネイマールをファールで止め、決定機を阻止したとしてレッドカードを提示された。数的優位に立ったブラジルに、さらに勝利が近づいた。

 その後は攻めるしかないスペインの攻勢に押し込まれる時間帯が続いたが、GKセザールがゴールに鍵をかけた。36分、PA内左サイドからペドロにゴール右を狙われた。41分にもFWダビド・ビジャに同じような位置からシュートを打たれたが、いずれも横っ飛びでファインセーブ。最後まで集中した守りで今大会15得点のスペインをシャットアウトした。

「私のイメージ通りに選手はやってくれたし、成果も出してくれた」
 ブラジルのルイス・フェリペ・スコラーリ監督は、W杯王者を下した選手たちに賛辞を惜しまなかった。大会5試合で14得点、3失点。攻守ともに抜群の安定感を見せた中で、中心選手としてチームを牽引したのがネイマールだ。卓越したテクニックと優れたフィジカル能力で通算4得点2アシスト。5試合中4試合でMOMに選出され、決勝後には大会最優秀選手賞の「ゴールデンボール」を受賞した。W杯でも、21歳の背番号10がブラジル優勝のキーマンになることは間違いないだろう。

 64年ぶりの自国開催のW杯で求められるのは優勝のみ。02年日韓大会を制したスコラーリ監督は「W杯はもっと厳しい」と気を緩めなかった。1年後、再びマラカナンで歓喜の瞬間を迎えるために、王国はさらなる高みを目指す。

【イタリア、PK戦制して過去最高の3位】

 決勝に先駆けてサルバドルで行われた3位決定戦は、イタリアがウルグアイをPK戦の末に下した。先制したのイタリアだった。前半24分、DFダビデ・アストーリがFKのこぼれ球を押し込んだ。同点に追いつかれて迎えた後半28分には、MFアレッサンドロ・ディアマンティが直接FKを沈めた。しかし、33分、FWエディソン・カバーニにこの試合2得点目となるFKを決め返され、イタリアは2戦連続で延長戦へ。延長5分に退場者を出して数的不利に陥ったものの、何とかPK戦に持ち込んだ。ここで輝きを放ったのが守護神GKジャンルイジ・ブッフォン。ウルグアイのキックを3本をストップし、イタリアに3位の座をもたらした。

 カバーニ、2ゴールも実らず(サルバドル)
イタリア 2−2 ウルグアイ
     (PK −2)

【得点】
[イ] ダビデ・アストーリ(24分)、アレッサンドロ・ディアマンティ(73分)
[ウ] エディソン・カバーニ(58分、78分)