4日、プロ野球日本シリーズの第6戦が福岡・ヤフオクドームで行われ、福岡ソフトバンクが2年ぶり8回目の日本一に輝いた。

 ソフトバンクが2回に松田宣浩のホームランで1点を先制。だが、DeNAは5回裏に白崎浩之のソロで同点に追いつくと、ホセ・ロペスの2点タイムリーで1対3と逆転に成功。苦しい展開となったソフトバンクだったが8回裏に1点を返すと、9回裏に内川聖一のソロホームランが飛び出し、土壇場で3対3の同点に追いついた。

 試合はそのまま延長戦に入り、迎えた11回裏、ソフトバンクは川島慶三のライトへのタイムリーヒットで勝ち越し、4対3でサヨナラ勝ちを収めた。通算成績を4勝2敗とし、プロ野球2017年シーズンの頂点に立った。

 

◇第6戦

内川、9回裏起死回生の同点弾(福岡ソフトバンク4勝2敗/ヤフオクドーム)

横浜DeNA    4 =000|030|000|00

福岡ソフトバンク 5 =010|000|011|01× 延長11回サヨナラ

 

勝利投手 サファテ(1勝0敗2セーブ)

敗戦投手 エスコバー(0勝1敗)

本塁打 (De)白崎1号ソロ

    (ソ)松田1号ソロ、内川1号ソロ

 

 

 ソフトバンク3連勝の後DeNAが2勝を返し、戦いの場を再び福岡に移して迎えた日本シリーズ第6戦。ソフトバンクの先発は第2戦に登板したエース東浜巨。一方、DeNAの先発も第2戦に投げた今永昇太でスタートした。

 

 勝って最終戦を迎えることなく日本一を決めたいソフトバンクは2回裏、2死から6番の松田が今永のストレートをとらえ、左中間にソロホームランを放って1点を先制した。

 投げては東浜が2回、4回とピンチを招きながらも何とか無失点で切り抜ける。しかし5回表、この日7番指名打者でシリーズ初スタメンとなった白崎に甘いスライダーを左翼席に運ばれ、1対1の同点に追いつかれてしまう。今季レギュラーシーズンで本塁打0だった白崎だが、パ・リーグ最多勝投手から価値ある一発を放ち、アレックス・ラミレス監督の采配が的中したかたちとなった。

 

 1死後、連打を浴びて一、二塁のピンチを招いた東浜はここで降板。マウンドには嘉弥真新也が上がった。迎えた2番・梶谷隆幸にバントを決められ、2死二、三塁となると、ソフトバンクベンチは嘉弥真に代えて石川柊太を送り出す。執念の継投策で勝負に出たが、3番ロペスにレフト前にはじき返され、ランナー2人が生還。1対3と逆転を許した。

 

 リードをもらったDeNA先発の今永は、松田の一発以降は1安打も許さない完ぺきなピッチングを披露した。角度のあるストレートを武器に、ソフトバンク打者を力でねじ伏せる。5回には中村晃、松田、川島と三者連続三振に切って取った。

このままいくかと思われた8回裏、先頭の長谷川勇也にツーベースを打たれたところでDeNAベンチは今永をベンチに下げた。結局7回2安打1失点。11個の三振を奪う快投だった。

 

 その後を受けた井納翔一が甲斐拓也の代打・明石健志をセカンドゴロに打ち取って1死三塁となり、迎えるバッターは柳田悠岐。DeNAは井納に代えて砂田穀樹をマウンドに送った。柳田は初球を打ってピッチャーゴロ。本塁へスタートを切っていた三塁走者の代走・城所龍磨は三本間で止まってしまったが、砂田は処理したボールを一塁に送球。憤死を逃れた城所はその隙にホームを踏み、2対3と点差を縮めた。

 

 1点を追うソフトバンクは9回裏、4番・内川がこの回からマウンドに上がったDeNAのクローザー山崎康晃から値千金のホームランを放ち、土壇場で3対3の同点に追いついた。抜群の勝負強さを今プレーオフで再三見せつけた主砲の一打で、球場の雰囲気ががらりと変わった。延長11回裏、2死一、二塁でDeNAの7番手・三上朋也から川島がライト前にヒットを打ち、4対3。劇的なサヨナラとなった。

 

 サヨナラ勝ちでの日本一達成は、1988年の西武ライオンズ以来4度目。最後はシーズン94勝をあげた底力を発揮して、ソフトバンクが2年ぶり8度目の日本一の座を手にした。

 

 敗れたDeNAは後のない状況から2勝を返し、第6戦も一時はリードして終盤を迎えるなど、互角の戦いを見せた。敗戦後、ベンチで涙を流す選手や立ち上がれずにいる選手が多くいた。この悔しさを来季以降にぶつけて活躍する姿を期待したい。

 

(文/交告承已)