テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が23日、本拠地のニューヨーク・ヤンキース戦に先発し、7回途中2安打無失点で9勝目(4敗)をあげた。ダルビッシュは右肩付近の張りで故障者リスト(DL)に入っていたため、16日ぶりのマウンド。だが、2番スタメンのイチローを3打数無安打に封じるなど好投をみせ、不安を払拭した。レンジャーズは3−0で勝利し、連敗を4でストップ。イチローは最終打席でヒットを放ち、4打数1安打だった。
 早めの“夏休み”はプラスに転じたようだ。ヤンキース打線に許したヒットはたった2本。三振は4つと少なかったものの、凡打の山を築き、7回1死で降板するまでの球数はわずか90球だった。

 自身初のDL入りを経験したダルビッシュは、2年連続でメンバーに選出された17日のオールスターゲームも登板を回避。中15日での先発だった。久々の登板で不安視された初回、先頭のブレット・ガードナーにいきなり四球を当ててしまう。

 迎えるは2番のイチロー。過去の対戦では14打数7安打と打ち込まれている。だが、カウント1−1から速球で詰まらせてショートフライに打ち取ると、続くロビンソン・カノをセカンドゴロゲッツーに仕留め、リズムをつかむ。

 2回から4回まではいずれも三者凡退。4回にはイチローに対し、ストレートをみせた上で沈むボールをセカンドへ引っかけさせた。5回は打ち取った当たりがショート後方に落ちて初ヒットを許し、1死一、二塁と走者を背負うも、エデュアルド・ヌネスをストレートで空振り三振に切って取る。続く打者もポップフライを打たせて難なくピンチを切り抜けた。

 6回のイチローとの第3打席では一転、緩いカーブを投じてタイミングを外すなど、ピッチングには余裕が感じられた。過去、イチローとは4試合で直接対決を演じているが、5試合目で初めて無安打に抑えた。結局、このイニングも3人で攻撃を終わらせる。

 ところが、球数も少なく、このまま完封ペースかと思われた7回、ヒットと四球で走者が溜まった場面で降板を命じられた。早過ぎる交代に本人も不満げな表情でベンチに引き揚げる。それだけピッチングに手応えを感じていたからだろう。

 レンジャーズはア・リーグ東地区首位のアスレチックスとは3ゲーム差。追撃には右腕の力は絶対に欠かせない。不完全燃焼の思いは次回以降の登板にぶつける。