日本時間10日、クラブワールドカップ(CWC)準々決勝の浦和レッズ(アジア代表)対アルジャジーラ(開催国代表)がUAE・アブダビで行われた。試合は後半7分に先制したアルジャジーラが、そのまま逃げ切った。準決勝進出を決めたアルジャジーラは14日に欧州代表のレアル・マドリード(スペイン)と対戦する。敗れた浦和は12日にアフリカ代表のウィダード・カサブランカ(モロッコ)と5位決定戦を行う。

 

 決定機生かせず、完封負け(UAE・アブダビ)

アルジャジーラ 1-0 浦和レッズ

【得点】

[ア] アリ・マブフート(52分)

 

 浦和にとって10年ぶりのCWCはほろ苦い結果となった。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制してUAEに乗り込んだが、開催国の意地に屈した。

 

 前半28分、右サイドバックの遠藤航が高い位置でボールを持つと、FW武藤雄樹が縦パスを要求した。遠藤はスペースにグラウンダーのパスを送る。ボールを受けた武藤はダイレクトにゴール前へ放り込む。ファーサイドから走り込んだFW興梠慎三が合わせた。しかし誰もが浦和の先制を疑わなかったシーンで、興梠のシュートは枠の外へ。今季リーグ戦20得点のエースが決定的なチャンスを逃した。

 

 ボールを支配したものの、浦和のシュート数は2本。ペースは浦和にあるようで、どこか物足りなさを感じさせる45分間だった。

 

 後半7分、均衡は破られた。決めたのはアルジャジーラのエースだった。センターサークル付近でボールを持ったMFロマリーリョがスルーパス。FWアリ・マブフートがDF槙野智章と競走しながら抜け出すと、GK西川周作と1対1の場面に。マブフートは冷静に西川の股下を抜くシュートでゴールネットを揺らす。UAE代表のストライカーがきっちりと仕事を果たし、アルジャジーラが先制に成功した。

 

 2007年のCWCでは3位に入った浦和。ここで敗れれば前回王者のレアル・マドリードの挑戦権は得られない。16分にCKから槙野がヘディングシュート、33分にはペナルティーエリア内でこぼれ球を拾ったMF柏木陽介が左足で狙ったが、いずれもアルジャジーラ守備陣に阻まれた。

 

 44分、西川の正確なロングフィードから興梠がペナルティーエリア内に侵入した。左足で折り返してFWラファエル・シルバを狙う。一度は相手DFにボールを弾かれたが、こぼれ球に反応したラファエル・シルバが右足でゴール左にシュート。今度はゴールポストに跳ね返された。ACLで度々殊勲弾を決めてきたラファエル・シルバもUAEの地で救世主にはなれなかった。

 

 無情にもそのままのスコアでタイムアップ。浦和は準々決勝で敗れ、5位決定戦に回ることとなった。“白い巨人”へ挑むことはできなかったが、日本の“赤い悪魔”はアフリカ王者を相手にシーズンを白星で締め括りたい。

 

(文/杉浦泰介)