2017年もあと3日を残すのみとなりました。今年も多くの方にご愛読いただき、心より感謝を申し上げます。

 

 今年は大相撲で稀勢の里関の昇進により、久々の日本人横綱が誕生しました。サッカーでは日本代表のロシアW杯出場が決まり、Jリーグの浦和が10年ぶりにACL制覇。陸上界では男子100mで桐生祥秀選手が9秒98をマークし、ついに“10秒の壁”を破り、大きな話題を呼びました。

 

 野球ではWBCで侍ジャパンがベスト4。高校野球では歴代最多の通算111本塁打の清宮幸太郎選手、甲子園一大会最多の6本塁打を放った中村奨成選手と未来の侍ジャパン候補の活躍が目立ちました。プロ野球では福岡ソフトバンクが守護神デニス・サファテ選手がシーズン最多の54セーブを記録し、チームの日本一に貢献しました。

 

 モータースポーツ界は佐藤琢磨選手が伝統のインディ500をアジア人初制覇。競馬界では年末の有馬記念でキタサンブラックがJRA最多の7冠締めでラストランを飾りました。一方で、フィギュアスケートの浅田真央選手、ボクシングの内山高志選手、三浦隆司選手、ゴルフの宮里藍選手、テニスの伊達公子選手らが第一線から退き、一時代の終わりを感じさせました。

 

 来年は平昌五輪、サッカーロシアW杯とビッグイベントが目白押し。2月より開幕の平昌五輪ではスピードスケート女子の小平奈緒選手、団体パシュートをはじめ多くの種目で日本勢金メダル獲得の期待がかかります。6大会連続出場となるサッカーW杯ではヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表がどこまで勝ち進めるか注目です。またエンゼルス入りが決まった大谷翔平選手のメジャーリーグでの“二刀流”も楽しみです!

 

 さて、当サイトへの1年間のご愛顧に感謝し、プレゼントをご用意いたしました。アンケートにお答えいただいた方の中から、それぞれ1名ずつプレゼントいたします。たくさんのご応募お待ちしています!

 

★プレゼント★

◯プロ野球・栗山英樹監督(北海道日本ハム)サインボール
◯プロ野球・宮﨑敏郎選手(横浜DeNA)サインボール
◯プロ野球・千賀滉大投手(福岡ソフトバンク)サインボール
◯プロ野球・荒木大輔さん(元ヤクルト・日本ハム2軍新監督)サインボール
◯プロ野球・新浦壽夫さん(元巨人)サインボール

 

◯アイスホッケー・床亜矢可選手(平昌五輪女子日本代表)サイン色紙

◯スキージャンプ・原田雅彦さん(長野五輪団体金メダリスト)サイン色紙

◯ボクシング・内山高志さん(元WBAスーパーフェザー級世界チャンピオン)サイン色紙

◯陸上・鈴木健吾選手(神奈川大学駅伝部主将)サイン色紙

◯柔道・ウルフ・アロン選手(世界選手権男子100kg金メダリスト)サイン色紙

◯卓球・平野早矢香さん(ロンドン五輪女子団体銀メダリスト)サイン色紙

◯プロレス・宮原健斗選手(三冠ヘビー級王座第55代、第57代チャンピオン)サイン色紙

 

 ご希望の方はこちらより、本文の最初に「年末年始プレゼント希望」と明記の上、「2018年、あなたが注目するスポーツまたは選手とその理由」、お名前、年齢、住所、電話番号、希望するプレゼントを明記の上、サイトへのご感想などがございましたら、お書き添えの上、ご応募ください。当選発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。なお、いただいた個人情報はプレゼントの抽選、発送以外の業務には使用致しません。多数のご応募、お待ちしております。

※締切:2018年1月5日(金)まで。

 

 格闘技からサッカー、駅伝までもりだくさん! ~年末年始スポーツスケジュール~
 

★12月30日★
<ボクシング世界戦> 井上、スーパーフライ級ラストファイト ライトフライ級・拳四朗はKOでV2目指す

 

(写真:今年限りでスーパーフライ級を“卒業”し、バンタム級挑戦を明らかにした井上<左>

 年末はボクシングの世界戦で締め括るのが恒例だ。30日、31日と関東2会場で5試合の世界戦が組まれている。

 

 “怪物”井上尚弥(大橋)はWBO世界スーパーフライ級の絶対王者である。内山高志、三浦隆司が現役引退。山中慎介(帝拳)、八重樫東(大橋)などが王座から陥落し、田中恒成(畑中)と井岡一翔(井岡)は王座を返上した。現在、日本ボクシング界で最も盤石な世界王者はこの男だ。

 

 9月にはアメリカ進出を果たし、TKO勝ちを収めた。その名はボクシングの本場アメリカにも轟かせている。所属ジムの大橋秀行会長も「いつもより力んでいて本来の尚弥じゃなかったんだけど、(現地での)評価がすごく高かった」と語った。今回の立会人を務めるエドガルド・ロペス・サッソ(プエルトリコ)はこう述べた。「世界中が“怪物”と認識した」

 

 2017年はこれで3戦目となる。今年は拳を痛めることなく順調に白星を重ねてきた。7度目の防衛戦に向けて「いつも通り順調」と万全をアピール。井上は今年限りでスーパーフライ級を卒業する。「スーパーフライ級を獲ってからは順調に防衛してきた。来年しっかりバンタム級でスタートできるように頑張りたい」。1階級を上げ、3階級制覇&ビッグマッチ実現を目指すことを明かした。

 

 一方、挑戦者のヨアン・ボワイヨ(フランス)は「必ずやリングの上でサプライズを皆さんが目撃することになる」と強気のコメントを残した。目下31連勝中だが世界戦は初挑戦。プロ通算46戦41勝4敗1無効試合の実力は未知数な部分もある。

 

「バンタム級でチャンピオンになって、もっともっとでかい試合をしていきたいと思います」と井上。ボワイヨは身長171cmとスーパーフライ級では大柄なボクサーである。バンタム級進出を目論む井上にとっては、格好の“予行演習”となるはずだ。“怪物”は次のステージへと足場を固める。

 

(写真:初の全国放送生中継に燃えている拳四朗<左>)

 初防衛から、わずか2カ月で世界戦に臨むのは拳四朗(BMB)だ。「生中継があるのでモチベーションはすごく上がっています」。王座奪取となった5月と初防衛戦の10月はいずれも全国放送されたが、生中継ではなかった。内心は忸怩たる思いがあるだろう。

 

「前半取られ過ぎたので、今回は前半から油断せずにしっかりポイントを取っていけたらもっと楽に戦える」と拳四朗。V2戦に向けては「最近KOが少ない。世界戦でも倒せるところを見せたい」と意気込む。「最高に仕上がっている。あとはゴングを待つのみ」と鼻息が荒い挑戦者ヒルベルト・ペドロサ(パナマ)を相手にどんな戦いを見せるか。

 

▼FUJI BOXING 2017(横浜文化体育館、15:30~)
 WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者・井上尚弥(大橋)vs.6位ヨアン・ボワイヨ(フランス)

 WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ 王者・拳四朗(BMB)vs.11位ヒルベルト・ペドロサ(パナマ)

 

★12月31日★

<ボクシング世界戦> ライトフライ級・田口、初の大トリで王座統一なるか フライ級は日本人対決

 

 2012年から続く大田区総合体育館でのボクシング大晦日興行。そのメインイベントを任されるのはいつも内山だった。しかし“KOダイナマイト”と称された男が7月に引退を決めたことにより、今年の大トリはワタナベジムの後輩・田口良一が務める。

 

 内山ほどの派手さはないが、着実に力を付け、王座を固めてきた。6連続防衛は井上尚弥と並ぶ現役日本人世界王者最多である。得意の左ボディは威力十分。挑戦者を幾度も苦悶の表情にさせた。

 

 一時はWBO王者の田中との統一戦が噂された。だが、田中が9月の試合で負傷。王座を返上したため、日本人同士の統一戦は立ち消えになった。代わってIBF王者のミラン・メリンド(フィリピン)との統一戦が実現した。

 

 メリンドは昨年11月にIBF暫定王者となり、5月には正規王者の八重樫を1ラウンド2分45秒TKOで下し、王座を統一した。7カ月ぶりとなる日本のリングで2団体統一を狙う。

 

(写真:昨年の大晦日は笑顔なきドロー防衛だった田口)

 田口は昨年の大晦日は試合巧者のカルロス・カニサレス(ベネズエラ)に苦戦し、ドロー防衛。今年はスカッとKO防衛で年を越したい。

 

 フライ級の木村は7月の上海でオリンピック2大会金メダリスト(北京五輪フライ級、ロンドン五輪ライトフライ級)のゾウ・シミンからWBOのベルトを奪った。敵地でのアップセットで大きく名を上げた。中国のスーパースターを撃破した木村の初防衛戦は、元WBC同級王者の五十嵐が相手だ。

 

  五十嵐にとっては4年8カ月ぶりの世界戦。勢いでは4歳下のチャンピオンに劣るが、アマを含めたキャリアでは圧倒的に勝る。日本人対決の世界戦も13年4月の八重樫とのタイトルマッチで経験済みである。

 

 木村が日本の大晦日で一旗揚げるのか、五十嵐が王座に返り咲くのか。対照的なボクシング人生を歩んできた2人の拳がついに交わる。

 

 IBF世界ミニマム級王者の京口は軽量級ながら7割5分のKO率を誇る。今回期待されるのもKOでの初防衛だ。7月に王座を獲得した24歳はプロ8戦無敗。勢いに乗る京口は“必殺パンチ”を用意していると口にしており、対策に余念はない。

 

 指名挑戦者のカルロス・ブイトラゴ(ニカラグア)は同国の英雄ローマン・ゴンサレスの後継者として期待されていた。しかし過去3度の世界挑戦でいずれも王座獲得できず足踏みが続いている。

 

“4度目の正直”を目論む挑戦者を退けられるか。獲るよりも守る方が難しいとされるチャンピオンベルト。強打の京口が力ずくで守る。

 

▼KYOKUGEN 2017(大田区総合体育館、16:35~)
 WBA・IBF世界ライトフライ級王座統一戦 WBA王者・田口良一(ワタナベ)vs.IBF王者ミラン・メリンド(フィリピン)
 WBO世界フライ級タイトルマッチ 王者・木村翔(青木)vs.1位・五十嵐俊幸(帝拳)
 IBF世界ミニマム級タイトルマッチ 王者・京口紘人(ワタナベ)vs.3位カルロス・ブイトラゴ(ニカラグア)

 

★1月1日★
<ニューイヤー駅伝> 復活・旭化成の連覇なるか。ダークホースは初優勝を狙うホンダ

 

 年初を飾る恒例の第62回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)が、新春1月1日に行われる。全国6地区の予選を勝ち抜いた37チームがタスキをつなぎ覇を競う。舞台は群馬県前橋市・群馬県庁前をスタート&ゴールにした上州路、全長100キロの7区間だ。

 

 前回の優勝は18年ぶりの栄冠となった旭化成。大会最多22回の優勝を誇る古豪が連覇を狙う。今季はチームに外国人選手アブラハム・キャプシスが加入した。ニューイヤー駅伝は2区が外国人選手が出走可能なインターナショナル区間だが、九州地区予選で区間2位を記録したキャプシスの加入は何よりも心強い。

 

 エース市田孝は前回、4区区間賞を獲得。今回も当然、最長区間の4区への出走が有力だ。市田とともに両輪としてチームを牽引する大六野秀畝も予選5区で2位を30秒以上引き離す快走を見せ今季、好調をキープする。村山謙太・紘太の双子ペア、故障から復活した茂木圭次郎などタレントも豊富だ。九州予選ではMHPS(三菱日立パワーシステムズ)に敗れて2位に終わったが、総合力で旭化成の本命は揺るがない。

 

 対抗は前回、3連覇を期待されながら2位に終わったトヨタ自動車だ。前回、4区を任された服部勇馬はケガのために出場しないが、窪田忍、宮脇千博、大石港与と駒は揃っている。故障で秋のシーズンを欠場した窪田は12月から練習を再開し、ここニューイヤー駅伝に照準を合わせきた。予選で区間新記録をマークした宮脇、この秋も10000メートル27秒台を記録したキャプテン大石と、いずれの選手が4区を担うのか? 最終7区、アンカー勝負の傾向の強い近年のニューイヤー、層の厚いトヨタの巻き返しに注目だ。

 

 東日本予選で優勝したホンダには悲願の初優勝の期待がかかる。エース設楽悠太は17年2月に初マラソン(東京)に出場。9月にはベルリンマラソンで自己ベストを更新するなど、ランナーとして進化を続けている。設楽抜きで予選を制覇した今季のホンダは、主力選手に故障者がなく順調なのが強みだ。予選2区2位の山中秀仁、4区3位の木村慎はニューイヤーでも区間賞候補。エース設楽を筆頭にして万全の体制で新年を迎えるHondaのレースぶりから目が離せない。

 

 富士通は予選を欠場した松枝博輝、潰滝大記が間に合ったことが大きい。前回は2区でジョン・マイナが9人抜きを見せて、上位へ進出。そこから6位入賞を果たした。今回も序盤区間での上位進出が富士通の躍進の鍵を握ることになる。

 

 その他、前回7位のDeNA、前回4位で九州予選優勝のMHPS、前回1区区間賞と序盤に強い日清食品グループなどが上位候補だ。

 

 ニューイヤー駅伝のスタートは午前9時15分。TBS系列で完全生中継される。

 

◎参加チーム
◎東日本
ホンダ、富士通、DeNA、日立物流、コニカミノルタ、日清食品グループ、八千代工業、カネボウ、ヤクルト、SUBARU、プレス工業、警視庁、サンベルクス

◎中部
トヨタ自動車、愛三工業、トヨタ紡織、トーエネック、NTN、中央発條、愛知製鋼

◎北陸
YKK、セキノ興産

◎関西
SGHグループ、住友電工、NTT西日本、大塚製薬

◎中部
マツダ、中国電力、中電工

◎九州
MHPS(三菱日立パワーシステムズ)、旭化成、九電工、安川電機、トヨタ自動車九州、黒崎播磨、西鉄、ひらまつ病院

 

★1月1日★

<サッカー天皇杯決勝> J1復帰・C大阪の勢いが勝るか、名門・横浜FMが意地を見せるか

 

 日本のサッカー大会で一番歴史が古く、権威の高いサッカーの大会と言われる天皇杯。97回目となる決勝のカードはセレッソ大阪対横浜F・マリノスだ。埼玉スタジアムを舞台に、東西のチームがしのぎを削る。

 

 昨年の昇格プレーオフを制し、3年ぶりにJ1に復帰したC大阪。今季はリーグ戦を3位でフィニッシュし、ルヴァンカップを制した。チーム初となるタイトルを獲得し、波に乗っている。

 

 天皇杯準決勝ではMF山口蛍とエースFW杉本健勇を怪我で欠いたが、延長の末、3対1でヴィッセル神戸を下した。後半45分に神戸に先制されたものの、1分後にMF水沼宏太がゴール前のこぼれ球を押し込み同点。延長に持ち込むと前半8分にFW柿谷曜一朗、延長後半9分にはMFソウザがゴールを決めて、14大会ぶりに決勝進出を決めた。注目はMF山村和也だ。センターバックやボランチが主戦場だったが、今季はトップ下にコンバートされ、才能が開花。リーグ8得点を記録した。準決勝では杉本に代わり初めて最前線で起用され、同点ゴールに絡んだ。彼の高さと足元の巧さを生かした攻撃で横浜FMの守備陣を混乱させられるかがカギを握る。

 

 C大阪は季節外れの桜を咲かせて、今季2冠目獲得となるのか――。

 

 一方の横浜FMは優勝した93回大会以来、4大会ぶりのファイナル進出となった。準決勝で柏レイソルと対戦し、2対1で競り勝った。前半11分に柏のMFハモン・ロペスにゴールまで約40メートルの位置から左足でシュートを叩き込まれるが、後半24分にFW伊藤翔の豪快なダイビングヘッドで追いつく。延長後半13分だった。途中出場を果たしたMF遠藤渓太の鋭いパスをペナルティーエリア付近で受けたFWウーゴ・ヴィエイラがワントラップして右足一閃。ゴール右サイドを射抜く逆転ゴールを決めた。

 

 チームの象徴であったMF中村俊輔がジュビロ磐田へ移籍しリーグ戦では5位に甘んじた。決勝のキーマンはキャプテンを務めるDF中澤佑二だ。C大阪はFWに186センチの山村を起用することが予想される。“ボンバーヘッド”が空中戦で山村をシャットアウトできれば、横浜FMの勝率はグンと高まるはずだ。

 

 名門復活の足掛かりのためにも、天皇杯を手に入れたい。

 

◆第97回天皇杯決勝(埼玉スタジアム、14:40)

 

★1月2、3日★
<箱根駅伝> 青学大、東海大、神大の3強軸

 

(写真:総合力ではNo.1、No.2の青学大<左>と東海大。激しい優勝争いが予想される)

 新春に21本の襷が箱根路を駆け抜ける「東京箱根間往復大学駅伝競走」(箱根駅伝)。昨シーズン3冠を達成した青山学院大学は史上6校目の4連覇がかかる。今シーズンの三大学生駅伝は「出雲全日本大学選抜駅伝競走」(出雲駅伝)を東海大が、「全日本大学駅伝対校選手権大会」(全日本大学駅伝)を神奈川大学が制した。3つ目のタイトル・箱根は青学大、東海大、神大の3強を中心に争われる。

 

 青学大の売りは総合力である。箱根3連覇&大学駅伝3冠を達成した昨シーズンからエースの一色恭志が去ったものの、前回の箱根経験者は6人残った。12月10日発表の箱根駅伝のエントリーメンバー16名の中には下田裕太(4年)、田村和希(4年)、小野田勇次(3年)、梶谷瑠哉(3年)、森田歩希(3年)が入った。

 

 往路の軸は出雲、全日本と区間賞を獲得している田村だ。1年から主力として青学大の躍進に貢献してきた。前回の箱根駅伝ではブレーキとなっただけに雪辱の思いもあるだろう。最後の箱根路で学生駅伝7回目の区間賞を狙う。

 

 復路は小野田と下田が中心となる。小野田は入学以来6区を任される山下りのスペシャリスト。下田は8区で2年連続区間賞に輝き、昨年の東京マラソンで日本人10代最高記録(2時間11分34秒)をマークしている。往路で多少出遅れても挽回できるはずだ。

 

 そして原晋監督の采配にも注目が集まる。恒例となってきた作戦名は「ハーモニー大作戦」である。原監督のタクトで箱根を舞台に選手たちは勝利のメロディーを奏でられるのか。

 

 エントリーメンバーのデータを見ると、上位10人の1万m平均タイムでトップに立つのが東海大だ。28分43秒11は青学大を9秒近く上回る。その数字が表す通り、出雲優勝、全日本2位と安定した成績を残している。

 

 東海大の武器はスピードだ。“黄金世代”と呼ばれる關颯人、鬼塚翔太、館澤享次ら2年生が牽引する。10年ぶりに制した出雲で6区間中5人が2年生。そのうちの3人が区間賞を獲得した。前回の箱根を経験した春日千速(4年)、川端千都(4年)など上級生の奮起も加われば、箱根初制覇も見えてくる。

 

(写真:神大のエース鈴木は来年2月の東京マラソンでマラソン挑戦を予定している)

 神大は先手必勝で箱根制覇を目論む。大後栄治監督は1区山藤篤司(3年)、2区鈴木健吾(4年)の起用を明言。「とにかくハイペースに持ち込み、ガンガンいきたい」とロケットスタートを予告した。

 

“日本人学生最強”の呼び声高い鈴木は、前回の箱根で名を上げた。各大学のエース級が集う花の2区で再登板。今度は他校からマークされる中でのレースとなるが再び実力を証明できるか。

 

 エントリー16人中鈴木を含む8人が4年生の神大。下級生も含め前回の箱根経験者は7人もおり、往路の貯金次第では20年ぶりの箱根制覇の可能性も十分ある。

 

 その他、リオデジャネイロ五輪代表の塩尻和也(順天堂大学3年)、30歳のオールドルーキー渡邊和也(東京国際大学1年)など注目選手がいる。関東学生連合チームからは13年ぶりに東大生ランナー(近藤秀一、3年)が箱根路を走る可能性がある。山梨学院大学のドミニク・ニャイロ(3年)ら留学生ランナーのごぼう抜きも見所のひとつだ。

 

▼第94回箱根駅伝
2日 8:00往路スタート/大手町~箱根・芦ノ湖(5区間107.5km)
3日 8:00復路スタート/箱根・芦ノ湖~大手町(5区間109.6km)

 

<参加チーム>
青山学院大、東洋大、早稲田大、順天堂大、神奈川大、中央学院大、日本体育大、法政大、駒澤大、東海大、帝京大、大東文化大、中央大、山梨学院大、拓殖大、国学院大、国士舘大、城西大、上武大、東京国際大、関東学生連合チーム