7日、ビーチサッカーの国際親善試合がお台場海浜公園で行われ、日本代表(ラモス瑠偉監督)がスイス代表を7−2で下した。日本は第1ピリオド4分、FP河原塚毅のゴールで先制すると、同ピリオドでさらに2点を追加。第2ピリオドでも2点を決めてリードを広げた。最終の第3ピリオドはでは、終了間際にFP松尾那緒弥がこの日3点目を挙げてハットリックを達成。守ってはGK宜野座寛也を中心に、09年W杯準優勝国・スイスの反撃を2点に抑えた。日本は8日も同会場でスイスと親善試合を行う。

 最年少・松尾がハットトリック(お台場海浜公園)
日本代表 7−2 スイス代表
(3−0、2−0、2−2)※各ピリオドは12分
【得点】
[日] 河原塚毅(4分、17分)、松尾那緒弥(7分、12分、36分)、松田圭祐(21分)、山内悠誠(25分)
[ス] フィリップ・ボレル(25分、27分)
「こんなに点が入るとは思っていなかった」
 日本代表主将・FP茂怜羅オズも驚くほどの圧勝だった。厳しいトレーニングを行った沖縄合宿の疲れが残る中、日本の選手たちは序盤からスイスを圧倒。すべてのピリオドでゴールを挙げる完璧ともいえる試合運びだった。

 試合はお台場海浜公園内につくられた特設会場で行われた。FIFAアンセムが流れる中、両国の選手たちが砂のピッチに現れると、満員のスタンドから大きな拍手が送られた。

 立ち上がりは日本、スイスともに1度ずつチャンスをつくり、熱戦の予感をうかがわせた。すると4分、河原塚がカウンターから抜け出し、スイスゴールにシュートを突き刺した。ホームチームの先制劇に、スイスのゴール裏にいた日本サポーターは大歓声。一気に試合は日本ムードとなった。

 7分には追加点を奪った。GK宜野座が左サイドを駆け上がったFP小牧正幸にロングスローを通す。小牧がそこから打ったシュートがクロスバーに当たってこぼれたボールを、松尾が押し込んだ。松尾は第1ピリオド終了間際にも味方のシュートがこぼれたボールに反応し、得点。ゴールへの嗅覚の鋭さを見せつけた。

 日本は第2ピリオドもゲームを支配した。スイスの攻撃を、体を張って防ぐと、河原塚、FP松田圭祐のゴールで着実にリードを広げ、最終ピリオドへと突入した。

 だが、スイスも黙ってはいなかった。第3ピリオド1分、日本はついに1点を返された。キックオフのボールを浮き球で右サイドに送られ、FPフィリップ・ボレルに右足でゴール左へ叩き込まれた。圧巻の力技に、日本サポーターも思わず感嘆の声をあげていた。

 そこからは激しく攻守が入れ替わる展開となり、FP山内悠誠がゴールを決めれば、ボレルにも再びゴールを許した。そんな試合にピリオドを打ったのは、日本チーム最年少の松尾だった。終了間際、ゴール前で山内とパス交換を行い、前に出てきたGKの脇を抜いた。これでハットトリック。最高のかたちで試合を締めくくった。

「ここまでみんながやってくれるとは思わなかった。疲れやプレッシャーがある中で、よくやってくれた」
 ラモス監督はこのように日本の選手たちを称えた。大活躍の松尾については「堂々とやっている。すばらしい」と賛辞を惜しまなかった。

 ラモス監督によれば、選手たちは代表活動のために仕事を辞めざるを得ないケースもあるという。それでも、選手たちは日本代表として戦うことを心から誇りに思っている。ラモス監督はそんな彼らのことを「砂浜のサムライ」と表現した。「日の丸は遊びじゃない」と語る指揮官の下、サムライたちは明日も勝利を目指す。