水沼貴史(サッカー元日本代表)<前編>「急転直下の西野ジャパン誕生」

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二宮清純: この人と飲みたい、今回のゲストはサッカー元日本代表でドリブラーとして活躍した水沼貴史さんです。

水沼貴史: よろしくお願いします。

 

二宮: 今夜は、雲海酒造の本格芋焼酎『木挽 BLUE』を飲みながら、日本代表について語り合いたいと思います。

水沼: 『木挽 BLUE』、我が家にもありますよ!

 

 

 

 

二宮: えっ、どこで買ったんですか?

水沼: 宮崎に行った時にいただきました。美味しくてすぐに飲んでしまいました。それでもう1本、自分で買ったんです。こんなこと初めてですよ。

 

二宮: ご自宅では水割り?

水沼: はい。水割りで飲んでいました。仕事終わりとかね。疲れが癒されますよ。

 

二宮: 今回はロックで是非!

水沼: (一口飲んで)本当だ、美味しい! 芋焼酎の中には香りがきついものもありますが、これはモワッとした感じがないですね。女性からも好かれそうです。

 

二宮: では乾杯!

水沼: 乾杯! あークセがなくて、スイスイ飲めます。それでいてイモの味がしっかり感じられますね。

 

 

二宮: すっきりキレのある甘味と爽やかな口当たりが特徴なんです。

水沼: 美味しいお酒を飲みながら、そろそろサッカーの話をしましょうよ(笑)

 

 切り替えが重要

 

二宮: では本題に。日本サッカー協会はロシアW杯開幕2カ月前に、代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチを解任しました。

水沼: 率直に言って、監督解任は仕方がなかったと思います。うまくいっていなかったのは明らかでしたからね。

 

二宮: ベルギーでの2戦後(マリ代表に1対1の引き分け、ウクライナ代表に1対2の敗戦)、宇佐美貴史は「ボールを保持しながら流動的にできればよかったが、それは監督が求めていることではない」と語っていました。

水沼: 問題が内部でくすぶっているだけでなく、外に選手の不満が漏れていましたからね。

 

二宮: 開幕2カ月前のこの時期でも致し方ないと?

水沼: そう思います。サッカー協会の田嶋幸三会長もいろいろな人に相談したみたいです。それで解任を決断した。たくさんの人の意見を聞いた上で解任という結論に至ったんだと思います。

 

二宮: 田嶋会長は会見で「ベルギー遠征のマリ戦とウクライナ戦後、選手と監督の間の信頼関係が薄くなった」「コミュニケーション不足」などを解任理由にあげました。

水沼: 正直、今回の遠征だけの問題ではなかったと思います。確かに直近の遠征が決定打になったとは思いますが、その前からうまくいっていなかった。

 

二宮: 昨年 12月のE-1 選手権で韓国に1対4と大敗したあたりが潮時だったのでは?

水沼: どうせ解任するなら“このタイミングだった”“あのタイミングだった”とテレビでも報道されています。これは解任させた今だから、後づけ的に言えることです。いつ、監督を交代すればうまくいくかなんて誰にもわからない。

 

二宮: 田嶋会長は進むも地獄、引くも地獄の心境だったと思います。

水沼: ハリルホジッチをずっと引っ張ってきて、このタイミングで解任ですからね。

 

二宮:  2010年南アフリカW杯直前、4連敗を喫したことから、岡田武史監督は守備重視のサッカーに切り替えました。

水沼:あの時、岡田さんは腹をくくりましたよね。大会直前で阿部勇樹をアンカーにいれてシステムも変えました。あれは岡田さんだったから、もっと言えば日本人監督だったからできたこと。選手の適性がわかっていますから。

 

二宮: 水沼さんが選手の立場だったらどうでしょう?

水沼: 僕だったら“よし、切り替えて頑張るぞ”と前向きに考えるでしょうね。だって選手はそれしかできませんから。

 

 課題はストライカー対策

 

二宮: 後任は技術委員長だった西野朗さんです。

水沼:  1996年のアトランタ五輪で23歳以下の日本代表を率いた経験もあるので問題ないと思います。今までハリルホジッチを支えていた立場の人なので、そこは協会も考慮したと思います。

 

二宮: 田嶋会長は「サッカーのスタイルやスタッフの人事も全て西野さんに一任する」と言っていました。

水沼: もちろん。自分がやりやすいスタッフでないと、うまく機能しないですから。既存のスタッフを残して“これでお願いします”ではなく、西野さんのことを理解している人で周りを固めるべきです。

 

二宮: 西野さんは、どうチームをまとめますか。

水沼: 技術委員長を務めていた時に、選手たちからいろいろな意見を聞いているはず。今の選手に合った戦い方を考えているところだと思います。

 

二宮: ハリルホジッチは「タテに速いサッカー」を目指していました。西野さんは「積み上げてきた日本のサッカーがある。技術的に世界で通用する部分はたくさんある」と語っていますね。

水沼: タテに速いだけのサッカーではなくなると思います。西野さんは攻撃的なサッカーを好む人です。日本らしくボールをしっかりつなぎ、組織を大切するサッカーに変えそうな気もします。

 

二宮: ハリルホジッチはタテへの速さに加えデュエル(対人の強さ)を強調していました。

水沼: 僕はタテに速いサッカーは好きですが、速さ一辺倒でもうまくいかないと思います。それにハリルホジッチはあまりにもデュエルの部分を強調しすぎた。

 

二宮: 緩急が大事だ、と。

水沼: おっしゃる通りです。緩があるから急がいきる。急ぐだけでなくボールを大切に保持する時間帯があっても良かったですね。

 

二宮: リアクションサッカーは、個の強さが前提となります。

水沼: ハリルホジッチの戦い方はアルジェリアにマッチしていました。リヤド・マフレズらサイドアタッカーのタテへの推進力やスプリントの能力はすごかった。

 

二宮: 個々の能力が高くないと機能しない。

水沼: それを日本人に求めても難しい。ドリブルが得意な選手はいますが、ランニングをしながらボールを受けられる選手が日本には少ない。日本の良さを考えたら、ボールをゆっくり回す時と、急ぐ時と、うまく使い分けられれば面白いと思います。

 

二宮: ロシアW杯の対戦相手についてお伺いします。日本はH組。コロンビア、セネガル、ポーランドと同組です。初戦の相手は前回のブラジル大会で1対4と大敗したコロンビアです。

水沼: 今年のコロンビアも素晴らしいチーム。ピッチで戦う選手、サブの選手、スタッフ陣に一体感がある。日本とは明らかにレベルが違います(笑)。

 

二宮: 3月にコロンビアはフランスと親善試合を行い、3対2で見事に勝利しました。

水沼: 2点をリードされてからの逆転勝利。フランス戦はエースのハメス・ロドリゲスのアシストからセンターフォワードのラダメル・ファルカオがゴールを決めました。彼らのコンディションは良さそうです。攻撃陣だけではなく DFラインも若い選手が育っています。トッテナムでプレーするセンターバックの 22歳、ダビンソン・サンチェスも素晴らしい選手です。

 

二宮: セネガルとポーランドは?

水沼: セネガルにはリバプールで2桁得点を記録しているサディオ・マネ、ポーランドには世界的 FWのロベルト・レバンドフスキがいますよね。各国ワールドクラスの選手が必ずひとりはいます。

 

二宮: レバンドフスキは、バイエルンミュンヘンで 26ゴールをあげています。あくまでも、私の印象ですが、日本は世界的なストライカーに必ずやられる。初めて出場したフランス大会ではアルゼンチンのガブリエル・バティストゥータ、クロアチアのダヴォール・スーケルにゴールを決められました。

水沼: 二宮さんの言う通りかも……。世界的に有名な選手がゴール前に来ただけで、圧倒されてしまうのでしょうね。彼らを抑えるだけでも厄介なのに、周りの選手たちの能力も高い。日本は苦戦しそうです。

 

二宮: ワールドカップのネタは尽きないですね。水沼さんもロックなのにハイペースですよ。氷をカラカラやる感じがいいですね。

水沼: やっぱりサッカーもお酒もリズムなんですよね。これは飲みやすいから、会話のリズムも自然に良くなってくる。

 

二宮: まだまだ飲みながら後編では、水沼さんの現役時代のお話も伺えればと思います。

水沼: お手柔らかにお願いします(笑)。

 

(後編につづく)

 

水沼貴史(みずぬま・たかし)プロフィール>

1960年5月28日、埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。さいたま市立本太中学校では3年時に全国制覇。さいたま市立浦和南高等学校に進学すると1年時からレギュラーを獲得し、全国高校サッカー選手権を制した。法政大学サッカー部を経て、1983年に日本サッカーリーグ(JSL)日産自動車サッカー部(横浜F・マリノスの前身)に入部。ドリブルを武器にウイングや攻撃的MFとして活躍した。95年に現役引退。A代表デビューは1984年。現在は解説者として活躍中。JSL、Jリーグ通算203試合、38得点。国際Aマッチ32試合、7得点。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回、水沼貴史さんと楽しんだお酒は芋焼酎「木挽BLUE(ブルー)」。宮崎の海 日向灘から採取した、雲海酒造独自の酵母【日向灘黒潮酵母】を使用し、宮崎・綾の日本有数の照葉樹林が生み出す清らかな水と南九州産の厳選された芋(黄金千貫)を原料に、綾蔵の熟練の蔵人達が丹精込めて造り上げました。芋焼酎なのにすっきりとしていて、ロックでも飲みやすい、爽やかな口当たりの本格芋焼酎です。

 

提供/雲海酒造株式会社

 

<対談協力>

おとら

東京都港区西麻布2-13-12

TEL:03-6451-1355

営業時間

月~土 17:00~翌5:00(L.O.翌4:00)

日・祝 17:00~23:00(L.O.22:00)

 

☆プレゼント☆

 水沼貴史さんの直筆サイン色紙を本格芋焼酎『木挽BLUE』(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はこちらのメールフォームより、件名と本文の最初に「水沼貴史さんのサイン色紙希望」と明記の上、下記クイズの答え、郵便番号、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)を明記し、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストをお書き添えの上、お送りください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は5月10日(木)。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。

 

◎クイズ◎

 今回、水沼貴史さんと楽しんだお酒の名前は?

 

 お酒は20歳になってから。

 お酒は楽しく適量を。

 飲酒運転は絶対にやめましょう。

 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

 

(写真・構成/大木雄貴)

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