いよいよ開幕した四国アイランドリーグplus。昨季、3連覇を逃し、その悔しさをバネにチーム一丸となっているのが愛媛マンダリンパイレーツだ。主将に就任した福田融司に、新生マンダリンパイレーツの2018シーズンについて聞いた。2年目の指揮を執る河原純一監督の下、愛媛はどう戦うのか?

 

 新戦力をまとめてシーズンイン

 昨季、ルーキーイヤーでしたがチームの3連覇に貢献することができずに大変悔しい思いをしました。今季、愛媛は13人の新戦力を迎えてガラリと生まれ変わりました。キャプテンに指名されたときには「新しいチームをどうまとめていけばいいのか」、「2年目の自分がキャプテンでいいのか」など悩んだこともありましたが、自主練習、キャンプを通して今のところはチームをまとめられていると思っています。

 

 今季、まだ始まったばかりですが外国人選手のファン・ヘイドーン、ネルソン・ペレスがすでにホームランを打っています。長打力のある彼らを中心にして、その前にいかに出塁し、ランナーを溜められるかがチームの勝敗を左右するでしょう。外国人2人以外はピストルのような打線ですから機動力をいかしていきたいですね。あと、ロースコアでも勝てるように守備の意識をチーム全体で高めたい。守り勝つ野球ができれば、リーグ優勝、日本一もグッと現実味を帯びてくると思っています。

 

 自分の球歴を振り返ると高校時代、県大会4回戦がようやくという野球部で甲子園とは無縁でした。でも反対に伸び伸びとプレーができて、野球をより好きになれました。それで関西学院大に進んだ後も野球を続けようと思い、そこで大阪桐蔭など強豪校出身者と一緒にプレーして、さらに一皮むけたと思っています。強豪校出身者と争って大学3年のときにレギュラーになり、さらに高いレベルでの野球がしてみたいという思いが強くなったんですね。卒業後の進路を考えたときに、NPBを目標にして、アイランドリーグの門を叩きました。

 

 愛媛に入団して最初の試合は、その独特の雰囲気に驚いたのを今も覚えています。高校や大学時代の試合とは違う緊張感に襲われました。うまく説明できないのですが、スタンドもベンチの雰囲気も「ああ、これがプロなのかな」と感じましたね。

 

 河原監督は巨人で活躍したバリバリのNPBプレーヤーなので、勉強になることばかりです。教わるのは実際の配球のこともあるし、キャッチャーとしての心構えという精神的なことにも及びます。一番、驚いたのは「今までの考え方を変えろ」と言われたことです。

 

「お前、打たれるとピッチャーのせいにしてるぞ」と。そんなことは思ったこともなかったのですが、監督はこう言いました。「サインを出す。でも要求通りの球が来ないで打たれる。そのときキャッチャーとして"まあ、リード通りに来なきゃしょうがないな"と思ってないか?」

 

 監督曰く、「それじゃあダメなんだ。いいか、何で要求したコースにボールが来ないか。それはキャッチャーのお前がボールを呼んでないからだ。サインを出して、ミットを構えるだけがキャッチャーじゃない。ピッチャーにそのコースをそのボールをなぜ要求するのかを意識させるのがキャチャーの仕事だ。そういうのを含めて、ボールを呼ぶんだよ」。これを聞いた瞬間に、今まで甘かったんだな、と気付かされました。

 

 キャッチャーとしてピッチャーのこと、フィールドの野手のことをすべて見て、感じて、それでボールを呼ぶ。今はそれを意識して野球ができるように精進しているところです。

 

 チームとしてはリーグ優勝、日本一が目標ですが、個人としては打率3割、そしてホームランを2桁打ちたいです。体格と肩は自分でも誰にも負けないと思っているので、あとはバッティングを磨き、それをアピールポイントにしてNPBのスカウトの目に留まりたいと思っています。

 

 3連覇を逃した昨シーズンも、球場で多くのファンの方が応援してくださいました。今季、その応援に応えるためにも頑張りますので、愛媛、そして福田融司への変わらぬ声援をお願いいたします。

 

<福田融司(ふくだ・ゆうじ)プロフィール>
1994年11月14日、兵庫県出身。幼少期からキャッチボールで野球に親しみ、小学1年で友人とともに地元の学童チームに入団し野球を始める。小5でキャッチャーに転向し、ヤングリーグのオール播磨で活躍。高校は須磨友が丘高に進学。卒業後、関西学生野球連盟の関西学院大野球部に入り、3年生でレギュラー捕手となった。17年、愛媛マンダリンパイレーツに入団。ルーキーながら28試合に出場し、打率2割6分2厘をマークした。今季からキャプテンに就任。身長188センチ、体重97キロ。右投右打。


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