“チームのために最も貢献した魂あふれるプレー”に贈られるNPBの「ジョージア魂賞」では、このほど2013年のラストとなる第12回目の受賞プレーが決まりました。今回は広島・前田健太投手が9月21日(対巨人)にみせた胴上げを阻止した気迫の投球に対して賞が贈られます。

(写真:発熱を押しての先発登板ながら巨人打線を5回まで無安打に封じた)
 今回のジョージア魂賞は、9月20日から10月10日にかけて行われた公式戦から山田久志氏(元阪急)、衣笠祥雄氏(元広島)、梨田昌孝氏(元近鉄)、工藤公康氏(元西武)、小林光男氏(週刊ベースボール編集長)、二宮清純(当HP編集長)の6名の選考委員によってノミネート6プレーが選出され、「ジョージア ベースボールパーク」のサイト上や、Facebookの“いいね!”ボタンを通じたファン投票により、決定しました。前田投手のプレーには、総投票数27,987票中、最多の10,516票が集まりました。

 なお、第11回のジョージア魂賞には、東京ヤクルトのウラディミール・バレンティン選手が9月15日(対阪神)にみせた勝利を呼び込む新記録樹立の2本塁打が選ばれています。バレンティン選手のプレーには、総投票数36,464票中、最多の13,288票が集まりました。受賞者にはトロフィーとともに副賞としてジョージア製品1年分(12ケース)、賞金30万円が贈られます。
(写真:第1打席で記録更新となる56号を放つと、続く打席でも57号のアーチを描いた)

「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、選考委員のひとりでもある二宮清純の書き下ろしコラム「アナザースピリット 〜 チームを支える魂のプレー〜」のコーナーが好評連載中です。惜しくも受賞は逃したものの、二宮が印象に残ったノミネートプレーを毎月1回ペースで選び、コラムを執筆します。今回は第11回にノミネートされていた北海道日本ハム・陽岱鋼選手(9月12日、チームの勝利をもぎとるダイビングキャッチ)について書いています。

 当サイトでは特別に、前回更新されたヤクルトのバレンティン選手(8月21日、対巨人でのチームの連敗を止める2アーチ)に関するコラムを紹介します。

 東京ヤクルト・バレンティン「ホームランは明日への活力」

 アンタッチャブルと思われていた年間本塁打記録を49年ぶりに更新した東京ヤクルトのウラディミール・バレンティンは、最終的に本塁打数を大台の60本に乗せた。最下位に沈んだヤクルトが意地を見せつけたのが8月21日、本拠地・神宮球場での巨人戦だ。もちろん、勝利の立役者はバレンティンである。

 巨人の先発ピッチャーは宮國椋丞。初回、2死一塁で打席に立ったバレンティンは2ナッシングと追い込まれながら、相手バッテリーが高めに外した吊り球のストレートをレフトスタンドに叩きこんだ。少々、ボール気味でも高めの球は伸びていく。それを知りつくしての一撃だった。

 4対3と1点リードで迎えた5回は、先頭打者で打席が巡ってきた。2−2の並行カウントから外角低めのカーブを左手一本ですくってレフトポールに直撃させた。1本目の43号が剛なら、2本目の44号は柔。異なる打ち方で真夏の神宮に2発の花火を打ち上げた。

 昨季までとは何か変わったのか。「踏み出した左足に注目してください」と語るのは伊勢孝夫ヒッティングコーディネーターだ。
「昨年までは踏み出した左足が、元のスタンスの位置より前に出ていたんです。これではバッティングは安定しません。踏み出した位置が(元の位置より)狭くなったり、広くなったりするバッターに成功したのはいません。もちろん、そのことは本人にもアドバイスしたのですが、それを意識したのか今季は一定になりましたね。だから変化球にタイミングを崩されることがないんです」

 フォームが安定した証拠として伊勢は打率の高さをあげる。来日した2011年、バレンティンの打率は規定打席に達したバッターの中では最低の2割2分8厘だった。それが2年後の今季は1割以上も上昇しているのだ。

 2分や3分ならともかく、打率を1割以上あげた外国人バッターなんて、そうはいないはずだ。あのパワーをもってすれば、確実性さえ増せば、ホームランの数が増えるのは必然だった。加えて統一球の仕様変更も追い風になったと言えそうだ。

 最下位に低迷したヤクルトだが、バレンティン効果もあって、観客動員数は昨季を大幅に上回った。多くのファンが彼のホームランを“明日への活力”にしたに違いない。
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 開幕から実施してきた今季のジョージア魂賞では受賞12プレーがすべて出揃いました。「ジョージア ベースボールパーク」では現在、この中から年間大賞を選ぶファン投票を実施中です。投票は11月13日まで。ふるってご参加ください。

<ジョージア魂賞 年間大賞ノミネートプレー>

第1回  巨人・脇谷亮太選手 復活の逆転打で、チームを開幕戦勝利に導く
第2回  巨人・菅野智之投手 投球だけでなく好守備でチームに勝利をもたらす
第3回  北海道日本ハム・中田翔選手 チームの勝利に貢献した圧巻の本塁打
第4回  埼玉西武・菊池雄星投手 気迫の投球でチームの連敗をストップ
第5回  巨人・小笠原道大選手 サヨナラ本塁打を架けた魂のフルスイング
第6回  阪神・大和選手 サヨナラ勝利を呼び込む“打”での活躍
第7回  東北楽天・則本昂大投手 先発KO翌日の登板でチームの勝利呼ぶ好投
第8回  福岡ソフトバンク・内川聖一選手 骨折していながらも放った魂のサヨナラ打
第9回  東北楽天・田中将大投手 勝利を呼び込む魂の投球で金字塔
第10回 巨人・長野久義選手 両リーグ最速70勝を呼び込むサヨナラ弾
第11回 東京ヤクルト・ウラディミール・バレンティン選手 勝利を呼び込んだ新記録樹立の2本塁打
第12回 広島・前田健太投手 発熱しながらも気迫の投球で巨人胴上げを阻止

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