7日、日本サッカー協会は欧州遠征に臨む日本代表(FIFAランク44位)23名を発表した。FW香川真司(マンU)やMF本田圭佑(CSKAモスクワ)ら主力が順当に選出。10月の欧州遠征からはFWハーフナー・マイク(フィテッセ)、FW乾貴士(フランクフルト)が外れた。一方で、MF高橋秀人(FC東京)とFW大迫勇也が復帰している。日本は16日にオランダ(同8位)、20日にベルギー(同5位)と対戦する。
「さまざまな国に対して自分たちのプレー精度、またはスピードが通用するのかしないのか。またどういったところに課題が出るのかを知るために、このテストマッチがある」
 アルベルト・ザッケローニ監督は年内最後の実戦となる今回の欧州遠征をこう位置づけた。

 招集メンバーに、特に目新しさはない。現状のベストといえる布陣で、オランダ、ベルギーという強豪にぶつかる。
「インターナショナルレベルでの経験を積むために2度の欧州遠征を企画してもらった。11月の2試合は対戦相手に不足はないし、素晴らしい相手だ。個人的にはW杯の欧州予選で、2チームともトップ3に入るパフォーマンスを残したチームだと思っている。 そういった相手に対してどこまでできるのか。オランダに関してはボールをよくつなぐサッカーをしてくるし、ベルギーはフィジカル能力を最大限に発揮したサッカーをするチームだと思っている。当然、この2試合には勇気を持った、団結力のあるチームをぶつけていきたい」

 今回の遠征では“バランス”をキーワードに掲げた。10月の2試合(対セルビア、ベラルーシ)の前までは、攻撃が機能し、守備に綻びがあった。しかし、連敗した先月の欧州遠征では、それが逆になった。指揮官は「守備をしっかりしながらもスムーズに攻撃に移り、攻撃をしながら守備の部分でのリスクマネジメントができる」ことを求めている。

 力関係を考えれば、オランダとベルギーから勝利できる可能性は低いだろう。しかし、現時点において、ザッケローニ監督は結果よりも内容を重視している。
「結果は自信を得るため、増すために大切だが、結果がでなくて内容がいいときにも自信が増すこともあると思う。特に自分たちの狙い、やりたいことが通用したときに自信は高まっていくものだと考えている。内容が悪くても結果が出ることはあるけれど、長い目でみれば、やはりいいプレーをしているチームが継続して結果を残していけるチームではないか」

 ザッケローニ監督は「W杯に向けて最高の準備をしていくのが、今の一番の目的。この数試合を勝つのは目標ではない」と言い切った。もちろん、負けてよしとは微塵も考えていないだろう。いい内容のサッカーをして、勝利する。これが最もチームに自信を植え付ける方法であることは間違いない。ザックジャパンは自信を得て、2013年を終えられるか。

<日本代表メンバー23名>

GK
川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
西川周作(サンフレッチェ広島)
権田修一(FC東京)
DF
今野泰幸(ガンバ大阪)
伊野波雅彦(ジュビロ磐田)
長友佑都(インテル・ミラノ)
森重真人(FC東京)
内田篤人(FCシャルケ04)
吉田麻也(サウサンプトン)
酒井宏樹(ハノーファー96)
酒井高徳(VfBシュツットガルト)
MF
遠藤保仁(ガンバ大阪)
長谷部誠(1.FCニュルンベルク)
細貝萌(ヘルタ・ベルリン)
本田圭佑(CSKAモスクワ)
高橋秀人(FC東京)
山口螢(セレッソ大阪)
FW
岡崎慎司(1.FSVマインツ05)
香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)
清武弘嗣(1.FCニュルンベルク)
柿谷曜一朗(セレッソ大阪)
齋藤学(横浜F・マリノス)
大迫勇也(鹿島アントラーズ)