15日、欧州遠征中の日本代表はベラルーシ・ジョジナのトルペド・ジョジノスタジアムでベラルーシ代表と対戦し、0−1で敗れた。日本は立ち上がりからボールを支配して相手を押し込んだが、シュートの精度を欠いて決定機をモノにできない。逆に前半44分、MFイアン・ティゴレフに先制弾を奪われた。後半もボールをキープした日本だが、ベラルーシの組織だった守りを崩せず。現体制では11年6月のキリンチャレンジ杯(ペルー、チェコ)以来、2度目の2戦連続無得点となった。

  柿谷、先発も決定機生かせず(トルぺド・ジョジノスタジアム)
ベラルーシ代表 1−0 日本代表
【得点】
[ベ] イアン・ティゴレフ(44分)
 打開策なく90分を終えた。欧州予選でともにブラジルW杯出場権を逃したセルビア、ベラルーシに連敗。ブラジルW杯に向けて不安が募る結果となった。

 日本は序盤からボールを支配し、主導権を握った。前半4分、MF香川真司が左サイドでパスを受け、中に切れ込でからミドルシュート。11分には、MF岡崎慎司がPA手前から左足で狙った。いずれもゴールにはならなかったが、攻撃的なサッカーで相手を押し込んだ。

 すると13分、大きなチャンスを迎える。FW柿谷曜一朗がPA手前で相手DFのバックパスを奪い、GKと1対1に。しかし、丁寧に左足で狙ったシュートはGKの好セーブに遭った。19分には、DF内田篤人が右サイドを突破し、岡崎とのパス交換からPA内に進入。左足でシュートを打ったが、これもGKに弾かれ、日本は立て続けに訪れた決定機をモノにできなかった。

 その後、日本はベラルーシの人数を揃えた守りになかなかシュートまで持ち込めない。逆に中盤でボールを奪われ、カウンターからピンチを招くという悪循環に陥った。すると44分、ワンチャンスをゴールにつなげられた。PA内にいたMFティモフェイ・カラチェフが左サイドからのクロスをキープして後方に落としたボールを、ティゴレフに右足でゴール左上へ叩き込まれた。日本は前半終了間際に失点する嫌なかたちで試合を折り返した。

 まず追いつきたい日本は後半6分、柿谷に変えてDF森重真人を投入。同時にシステムを3−4−3に変更した。3バックは左から今野泰幸、DF吉田麻也、森重。3トップに左から香川、本田、岡崎を並べて、ベラルーシ守備陣打開を試みた。
 そんな14分、本田が左45度の位置で得たFKをファーサイドへ。森重が頭で折り返したボールを岡崎が倒れ込みながら右足で狙ったが、GKに右足1本で阻まれ、またもチャンスを生かせなかった。

 その後もボールを支配する日本だが、ゴール前にパスを入れたところを狙われ、いいかたちをつくれない。後半23分には、本田が自身の出したパスがつながらず、相手ともつれて倒れ込んだ後に右手でピッチを叩いた。シュートにさえ持ち込めない展開に、本田のみならず、日本の選手から重苦しい空気が漂っていた。

 アルベルト・ザッケローニ監督は更なる選手交代で全体の活性化を図ったが、最後までゴールにはつながらなかった。

 ホームで連勝した9月シリーズとは一転し、日本は強引なシュートやオーバーラップなどが少なく、全体的に積極性がなかったように映る。これについてはザッケローニ監督も「アウェー(とホーム)でプレーすれば違いが出るというのは認識している」と認めた。その違いを解消するためには「アウェーでの戦いを経験すること」を対策に挙げた。

 日本は来月にも欧州遠征(ベルギー)で2試合を戦う。11月16日の相手はオランダ(もう1カ国は未定)だ。「ホームとアウェーでなぜここまで差が出てしまうのか、というところを冷静に分析して今後につなげたい」と語った指揮官。強豪相手にその成果を示せるか。