6日(現地時間)、ブラジル・サルバドールで2014FIFAワールドカップブラジル大会の組み合わせ抽選会が行なわれた。ポット3に入った日本はグループCでコロンビア、コートジボワール、ギリシャと同組となった。対戦はコートジボワール(6月14日、レシフェ)、ギリシャ(6月19日、ナタル)、コロンビア(6月24日、クイアバ)の順で行われる。この組み合わせ決定を受けて、本大会までの約6カ月間、グループリーグ突破に向けた本格的な対戦国の分析が始まる。
「こんなものかな」
 アルベルト・ザッケローニ監督は抽選の結果を受けて、落ち着いた口調で感想を語った。同組にW杯優勝経験のある国を考えると、比較的、恵まれた組み合わせとなったといえるだろう。それでも、指揮官は「抽選前から準備が大切だと思っていたが、特に初戦に向けていい準備をしていきたい」と気を引き締めた。

 初戦のコートジボワールは、アフリカ予選を無敗で勝ち上がった。特徴は攻撃陣の破壊力。エースのディディエ・ドログバは来年、36歳となるが、高い身体能力と抜群の決定力は健在だ。キャプテンを務め、精神的支柱としてもチームを支える。また、ドログバのみならず、コートジボワールはタレント揃いだ。ヤヤ・トゥーレ(マンC)、コロ・トゥーレ(リヴァプール)、ジェルビーニョ(ローマ)らが欧州各国で主力としてプレーしている。選手層の厚さはアフリカナンバーワンといっても過言ではない。日本は個で上回る相手に組織的なサッカーで対抗し、初戦で勝ち点を獲得したいところだ。

「ヨーロッパはナンバーワンではないチーム」
 ザッケローニ監督がこう印象を述べたのが、第2戦で当たるギリシャだ。04年の欧州王者は、欧州予選プレーオフを勝ち上がってブラジル行きを決めた。ギリシャの特徴は欧州予選10試合で8試合を完封した堅守。自陣後方でしっかりと守備組織を構築し、カウンターを狙う。34歳のコンスタンティノス・カツラニス(テッサロニキ)、36歳のギオルゴス・カラグーニス(フラム)ら経験豊富なベテランがチームをコントロールする。
 個々の能力は日本の方が上と見る。早い時間に先制して相手を前がかかりにさせれば、大量リードを奪っての勝利も可能だろう。

 第3戦は南米の強豪・コロンビアと激突する。強豪が揃う南米予選を2位で通過し、4大会ぶりの本大会出場を決めた。コロンビアはザッケローニ監督が「穴が少なく戦力の整ったすばらしいチーム」と称するように、攻守にバランスがとれている。攻撃ではスピードに乗ったサイド攻撃からゴールを狙う。エースはラダメル・ファルカオ(モナコ)。南米予選では9ゴールを挙げて予選突破に貢献した。守りでは選手間の距離をコンパクトに保ち、前線から連動したプレッシングで相手を追い込む。南米予選最少の13失点という結果が、堅守ぶりを照明している。

 日本はファルカオを封じ、巡ってきたチャンスをモノにできるか。コロンビア戦の結果でGL突破が左右される可能性がある。3試合目で疲労蓄積も懸念される中、チーム一丸となった戦いが求められるだろう。

 ここまで対戦相手の戦力を分析してきたが、同様に重要なのが試合会場だ。日本は3戦ともに“暑さ”との勝負になりそう。1戦目のレシフェは赤道に近く、6月の平均最高気温が29度と高い。日本は今年6月のコンフェデ杯で一度、同地での試合を経験しているものの、万全な準備が欠かせない。ギリシャ戦の会場・ナタルはレシフェよりも北に位置する。レシフェより赤道に近く、高温多湿な環境が予想される。そして、最も懸念されるんが第3戦の舞台・クイアバ。南米大陸のほぼ中心で、6月の平均最高気温は31度に上る。過酷な環境での連戦は、選手にかかる負担も大きい。状況によっては選手の温存など、ザッケローニ監督のマネジメント力が問われる。

 他のグループでは今大会も「死の組」が生まれた。ウルグアイ、コスタリカ、イタリア、イングランドが同居するグループDである。ウルグアイ、イタリア、イングランドはW杯優勝国。コスタリカも北中米カリブ海地区を2位で突破している。選手たちにとっては厳しい組み合わせだが、ファンにとっては好カードが続出する楽しみなグループとなった。

 開催国・ブラジルはA組で、クロアチア、メキシコ、カメルーンと同組になった。実力関係からいけば、ホスト国のGL突破は堅い。グループBでは、南アW杯決勝を戦ったスペインとオランダが顔を揃え、初戦でいきなり両国が激突する。

 組み合わせが決まり、出場各国の関係者のみならず、世界中のサッカーファンが、祭典に向けて本番モードに突入する。
 各グループの組み合わせは以下の通り。

【2014ブラジルW杯グループリーグ組み合わせ】

●グループA
ブラジル
クロアチア
メキシコ
カメルーン

●グループB
スペイン
オランダ
チリ
オーストラリア

●グループC
コロンビア
ギリシャ
コートジボワール
日本

●グループD
ウルグアイ
コスタリカ
イングランド
イタリア

●グループE
スイス
エクアドル
フランス
ホンジュラス

●グループF
アルゼンチン
ボスニア・ヘルツェゴビナ
イラン
ナイジェリア

●グループG
ドイツ
ポルトガル
ガーナ
米国

●グループH
ベルギー
アルジェリア
ロシア
韓国