17日(日本時間)、サッカーロシアW杯グループC第1節がサランスクで行われ、デンマーク代表がペルー代表を1対0で破った。前半はペルーが押し気味に進めるが無得点。スコアレスで試合を折り返すと、デンマークが14分にFWユスフ・ポウルセンのゴールで先制する。デンマークはGKキャスパー・シュマイケルを中心に最後まで集中を切らさず、逃げ切った。

 

 守護神シュマイケル、好セーブ連発(サランスク)

ペルー 0-1 デンマーク

【得点】

[デ] ユスフ・ポウルセン(59分)

 

 堅守デンマークがペルーに完封勝ち。今大会初戦で勝ち点3を掴んだ。

 

 デンマークは4-3-3のフォーメーションを敷き、長身選手を並べた。最終ラインは左からイェンス・ストリガー・ラーセン、アンドレアス・クリステンセン、シモン・ケアが190cm超。3トップのうちセンターフォワードのニコライ・ヨルゲンセンは194cm、右ウィングのポウルセンは193cmだ。セットプレーで威力を発揮しそうな陣容である。

 

 しかし、前半を押し切みに進めたのはペルーだった。序盤からミドルシュートを積極的に打つなど勢いに乗った攻撃を見せる。13分にはMFアンドレ・カリージョが右サイドからカットインして、左足でシュートを放つ。ここは守護神シュマイケルが両手で弾き出した。

 

 フランスvs.オーストラリア戦に続き、グループCで再びビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が適用された。44分、ペナルティーエリア内でボールを持ったMFクリスティアン・クエバに対し、ポウルセンの足がかかったシーンだ。一度は笛が吹かれぬまま続行されたもののプレーが切れると、レフェリーがピッチ外のモニターまで走る。映像を確認後、改めてペナルティースポットを指差した。

 

 ファウルを受けたクエバが自らPKを蹴る。助走のテンポを変えてGKを惑わせようとしたが、シュマイケルは動じない。そしてクエバの右足から放れたシュートは無情にもゴールバーを大きく超えていった。絶好の先制機を逃した。前半が終了し、ピッチを引き上げるクエバはショックを隠し切れない様子だった。

 

 後半11分、ペルーに再び大きなチャンス。ペナルティーエリア内左でクエバが深い切り返しで1人かわす。ファーサイドへパスを送ったが、カリージョが打ち切れない。こぼれたボールをMFエディンソン・フローレスがシュートを放ったものの、枠をとらえ切れなかった。

 

 決定機を生かせないペルーに対し、デンマークがワンチャンスをモノにする。14分、カウンターからMFクリスティアン・エリクセンがボールを運ぶ。敵を引き付けてからスルーパス。ここで抜け出したポウルセンがGKと1対1になった。ポウルセンは冷静にボールをコントロールしてニアサイドへ流し込んだ。

 

 先制点を許したペルーは切り札のパオロ・ゲレーロを17分に投入した。長年代表を支えてきた大エースがピッチに入り、反撃の機会を窺う。交代から2分後、右サイドからのクロスにゲレーロが頭で合わせた。シュートはGKの正面だったものの、ペルー代表歴代最多得点のエースが早速存在感を示した。

 

 流れを引き戻そうとしたペルー。しかし、ここでペルーの攻撃陣の前に立ちはだかったのが、デンマークの堅い守備陣だ。ケアを中心に身体を張ったディフェンス。そして守護神のシュマイケルがゴールを割らせない。39分にはFWジェフェルソン・ファルファンのシュートを足で止めた。デンマークは白星スタート。一方のペルーは再三のチャンスを生かし切れず、36年ぶりのW杯は黒星発進となった。

 

(文/杉浦泰介)