16日、サッカーロシアW杯グループDの第1節アルゼンチン代表対アイスランド代表の一戦がモスクワで行われ、1対1の引き分けに終わった。前半19分にアルゼンチンのFWセルヒオ・アグエロが先制点を決めたが、23分にアイスランドのFWアルフレッド・フィンボガソンのゴールで同点に追いついた。
アイスランド・ハルドルソン、PK止める大活躍!(モスクワ)
アルゼンチン 1-1 アイスランド
【得点】
[アル] セルヒオ・アグエロ(19分)
[アイ] アルフレッド・フィンボガソン(23分)
アイスランドは堅守を武器に厳しいヨーロッパ予選を勝ち上がってきた。対するアルゼンチンはFWリオネル・メッシの個の能力を頼りに南米予選を勝ち上がった。対照的なチームの対戦となった。
前半から予想通り、アルゼンチンがボールを保持する展開となった。5分、8分とFKからメッシが鋭いボールを供給するが、惜しくもゴールには至らない。
10分、アイスランドがアルゼンチンをヒヤッとさせた。アルゼンチンのGKウィリー・カバジェロのパスミスからパスをつなぎ、MFビルキル ビャルナソンがシュートを放つがゴール右に外れた。
19分、今度は南米の雄がアイスランドの隙をつく。DFマルコス・ロホがペナルティーエリア外から左足でミドルを放つ。このシュートをアグエロがトラップで足元に収め、一人かわしてシュートを放ち、ゴール左に突き刺し、大きな先制点を決めた。
23分、アイスランドはボールを左右に動かしアルゼンチンDFを翻弄。右サイドからMFギルフィ・シグルズソンが低いクロスを入れる。これはカバジェロに弾かれるが、こぼれ球をフィンボガソンが押し込んでアイスランドが同点に追いついた。
以降、アルゼンチンがボールを持つが、アイスランドの堅守に阻まれ試合を折り返す。
後半18分、アルゼンチンのMFマキシミリアーノ・メサがエリア内で倒されPKを獲得。このPKをメッシが左に蹴るがGKハネス・ハルドルソンが見事セーブ。絶体絶命のピンチを救った。
アルゼンチンはメッシにボールを集める。中央やや右で止まったままでボールを受けては左足でシュートを放つがゴールネットを揺らせない。低い位置で受けては、味方FWに無理やりくさびのパスを入れて、落としを受けるが、アイスランドのDF陣が体を張ってメッシの突破を防いだ。
アルゼンチンはFWゴンサロ・イグアインら攻撃的なカードを切るが、ほとんどボールをメッシに集めるしか術がなかった。“戦術はメッシ”を90分間、貫いたが、アイスランドの粘り強い守備網を突破するには至らず1対1のドロー。今回は、一人の天才がアイスランドの堅守を引き立てる結果となってしまった。
(文/大木雄貴)