17日(日本時間)、サッカーロシアW杯グループD第1節がカリーニングラードで行われ、クロアチア代表とナイジェリア代表が対戦した。クロアチアは前半32分にオウンゴールで先制。後半26分にはMFルカ・モドリッチがPKで追加点を挙げる。クロアチアはナイジェリアに反撃を許さず、2対0で勝利した。

 

 モドリッチ、全得点に絡む活躍(カリーニングラード)

クロアチア 2-0 ナイジェリア

【得点】

[ク] オウンゴール(32分)、ルカ・モドリッチ(71分)

 

 クロアチアがナイジェリアに快勝。今大会最も厳しい組と言われるグループDで、頭ひとつ抜け出した。

 

 初戦に臨むクロアチアは1トップをマリオ・マンジュキッチにした4-2-3-1のフォーメーションを敷いた。中盤の底はルカ・モドリッチとイバン・ラキティッチ。高水準のテクニックと戦術眼を誇るセンターハーフが務める。両翼はイバン・ペリシッチとアンテ・レビッチが、時折ポジションを入れ替えながら積極的に動いた。

 

 14分、レビッチが左サイドから中に切り込み、マンジュキッチへパスを送る。マンジュキッチがダイレクトで落としたボールを、ペナルティーエリア付近でペリシッチがシュート。これはクロスバーの上を超えていったが、両翼にセンターフォワードが絡む理想的な攻撃だった。

 

 32分には左からのクロスにマンジュキッチが胸で落とす。今度はレビッチが強烈なシュートを放った。DFに当たり枠を逸れていった。直後、この攻撃で得た右CKで、クロアチアに歓喜の瞬間が訪れた。

 

 キッカーのモドリッチがニアサイドへ速いボールを送る。レビッチがヘディングで中に繋ぐと、マンジュキッチが飛び込んだ。巨体を投げ出したヘディングシュートはMFオグヘネカロ・エテボに当たってゴールへ吸い込まれた。オウンゴールとはいえ、モドリッチの正確なキック。レビッチ、マンジュキッチが身体を張ったからこそ生まれたゴールだった。

 

 前半はクロアチアの1点リードのまま終了。後半もクロアチアMF陣のテクニック、運動量が光った。10分、ラキティッチが左サイドへ展開すると、ペリシッチが速いクロスを放り込む。これをレビッチが右足インサイドで合わせた。惜しくも枠の外。攻撃の流れの良さを感じさせた。

 

 クロアチアの追加点は再びセットプレーから生まれた。24分に左CKをモドリッチが蹴ると、DFウィリアム・エコングがマンジュキッチを両手で抱え込む。これをレフェリーが見逃さずPKの判定を下した。PKをモドリッチが冷静にゴール左に決め、リードを広げた。

 

 その後もクロアチアは攻め手を緩めずチャンスをつくった。途中投入のマルセロ・ブロゾビッチ、マテオ・コバチッチもテクニックの高さを見せつけ、良い仕事をした。守ってはスピードもパワーもあるナイジェリアの反撃に対し、DFデヤン・ロヴレン、ドマゴイ・ヴィダらが冷静に対処していた。2対0でシャットアウト勝ち。きっちり勝ち点3を手にした。

 

 クロアチアはW杯過去5大会で黒星スタートだとグループリーグ(GL)敗退するというジンクスがあった。逆に初戦で勝ち点を取れれば、決勝トーナメントに進出できる。データ的にも幸先の良いスタートを切ったクロアチア。同組のアルゼンチンとアイスランドが引き分けたため、グループ首位に躍り出た。次節はアルゼンチン戦。勝てば早々にGL突破が決まる。

 

(文/杉浦泰介)