17日、サッカーロシアW杯グループE第1節がサマラで行われ、セルビア代表がコスタリカ代表を1対0で下した。前半をは互いにチャンスをつくるもスコアレスで終える。後半11分、DFアレクサンダル・コラロフの直接FKが決まり、セルビアが先制に成功する。セルビアはこのリードを守り切った。

 

 ミトロビッチ、FK獲得するなど前線で体張る(サマラ)

コスタリカ 0ー1 セルビア

【得点】

[セ] アレクサンダル・コラロフ(56分)

 

 独立後は2度目のW杯出場となったセルビアが、前回大会大躍進のコスタリカを退けた。

 

 2大会ぶりにW杯の舞台を踏むセルビア。キャプテンのコラロフをはじめGKヴラディーミル・ストイコビッチ、DFブラニスラフ・イバノビッチの3人のみがW杯を経験している。平均年齢26.8歳のチームは、FWアレクサンダル・ミトロビッチとMFセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチといういずれも23歳の若手を攻撃の軸となる。

 

 一方のコスタリカはベスト8と旋風を巻き起こした2014年ブラジルW杯から主力は変わらず。この日のスターティングメンバーも守護神ケイラー・ナバス、キャプテンのDFジャンカルロ・ゴンサレス、エースのMFブライアン・ルイスら9人が当時を知る選手たちだ。

 

 対照的な両国。序盤からチャンスをつくったのはコスタリカだった。2分、ルイスのスルーパスで抜け出したのはFWマルコ・ウレーニャ。GKと1対1の場面が訪れたが、身を挺したセルビアの守護神ストイコビッチに阻まれた。

 

 3分と12分には左からのクロスにゴンサレスが191cmの長身を生かし、頭で合わせた。しかし、3分のシュートはGK正面。12分はフリーの場面でゴールバーの上へ。守備の要が攻撃でも存在感を示した。

 

 守りで魅せたのはナバス。27分と42分にミリンコビッチ=サビッチが裏へと抜け出しシュートを放った。抜群の反射神経を誇るナバスが好セーブ。いずれもオフサイドの判定だったため、例えゴールラインを割ったとしてもノーゴールだったが、能力の高さを改めて感じさせた。

 

 前半は互いにチャンスをつくったものの、ゴールネットを揺らすことはできなかった。前半開始早々と打って変わって、後半のスタートからはセルビアが攻勢を仕掛けた。ワントップのミトロビッチがゴールに迫る。

 

 5分、クリアボールを拾ったミトロビッチは一端味方にはたいて、DFラインの裏を狙って走り込む。リターンパスを受け取り、GKと1対1に。だが、ここでもナバスが立ちはだかった。コントロールショットはセーブされた。

 

 ミトロビッチはその後も前線で体を張る。10分にはドリブルで敵陣へボールを運ぶと、コスタリカの選手に倒される。ゴールから約25mの位置でFKを獲得。ボールをキッカーのコラロフに託した。

 

 キャプテンマークを左腕に巻くコラロフはじっくりと助走を取った。得意の左足から放たれた鋭いシュートは壁を越え、ゴール右へと飛んでいく。ボールはナバスの伸ばした手には届かず、ゴールネットを揺らした。待望の先制点はセルビアに入った。

 

 追いかけるコスタリカはオスカル・ラミレス監督が動く。15分にMFクリスティアン・ボラーニョス、22分にはFWホエル・キャンベル、28分にはMFダニエル・コリンドレスと早々に交代カードを切った。フレッシュな3人はセルビアゴールに迫ったが、決定機を生み出すまでには至らなかった。

 

 セルビアは最後まで攻め手を緩めない。守ってはパワープレーを仕掛けるコスタリカを封じ、無失点で凌いだ。独立後初の決勝トーナメント進出へ。好スタートを切った。

 

(文/杉浦泰介)