16日、サッカーロシアW杯グループCの第1節のフランス代表対オーストラリア代表の一戦がカザンで行われた。試合はフランスがオーストラリアに2対1で勝利した。後半13分にFWアントワーヌ・グリーズマンのPKでフランスが先制するものの4分後にオーストラリアもミレ・イェディナックのPKで追いついた。36分にMFポール・ポグバが勝ち越し点を奪いフランスが逃げ切った。

 

 VAR判定によりフランスがPK獲得(カザン)

フランス 2-1 オーストラリア

【得点】

[フ] アントワーヌ・グリーズマン(58分)、ポール・ポグバ(81分)

[オ] ミレ・イェディナック(62分)

 

 優勝候補のフランス、組み合わせ的には予選突破が難しいと目されるオーストラリア。フランス優位で試合が進むと予想されたこの一戦。だが、フランスはオーストラリアの粘りに苦しめられた。

 

 FWキリアン・エムバペ、グリーズマンら前線の選手に好機が巡るがオーストラリアDF陣が体を張ってゴールを死守。じりじりとした展開が続き、スコアレスで試合を折り返した。

 

 後半に入ると、フランスがオーストラリアDFラインの裏をつく動きが目立った。

 

 9分、ポグバのスルーパスにグリーズマンが抜け出す。グリーズマンがトラップで前に出ようとするがペナルティーエリア内でDFジョシュ・リズドンに足をかけられ転倒する。この時点ではプレーは流された。

 

 だが、ボールがタッチラインを割りプレーが切れると主審はピッチ外のモニターでプレーを確認。映像検証の結果、フランスにPKが与えられた。このPKを13分、グリーズマンが冷静に右サイドに決めてフランスが先制した。

 

 この後はフランスがセーフティーなプレーで試合を展開するはずだった。

 

 ところが、である。フランスは自陣左サイドでファウルを犯し、オーストラリアにFKを与えてしまう。MFアーロン・ムーイがゴール前にクロスを供給。このボールをフランスのDFサミュエル・ウンティティがエリア内でハンドを犯してしまう。このPKを17分にイェディナックに決められて同点に追いつかれた。

 

 ここからフィジカルとテクニックを兼ね備えたフランスのセンターハーフが本気になる。36分、ポグバがハーフウェイラインを超えてオーストラリア陣地でボールを持つと素早くターン。ポグバはエムバペに縦パスを入れてリターンをもらう。さらにFWオリビエ・ジルーとのワンツーでペナルティーエリア内に侵入。相手GKの位置を見極めて、右足でループシュートを放つ。ボールはクロスバーに当たり地面に叩きつけられた。これがぎりぎりラインを割ったと判定され、ゴールが認められた。迫力のあるランニング、ここぞの場面での思い切りのいい判断はさすが世界レベルのセンターハーフだった。

 

 この後は、フランスは無理をせずに相手の様子を伺った。オーストラリアは攻めるしかなく、前がかりになったところにボールを供給し、危なげなく試合を進めた。

 

 優勝候補がきっちりと勝ち点3を得た結果となったが、オーストラリアの粘りもあり好ゲームとなった。この2カ国とペルーとデンマークで決勝トーナメント進出を争う。混戦必至となる興味深いグループになるだろう。

 

(文/大木雄貴)