18日(日本時間)、サッカーロシアW杯グループFの第1節、ドイツ代表対メキシコ代表の一戦がモスクワで行われた。試合はメキシコがドイツを1対0で下した。前半35分にメキシコがMFイルビング・ロサーノの得点で先制した。このゴールをメキシコは守り切り、勝利を収めた。

 

 マルケス、5大会連続W杯出場(モスクワ)

ドイツ 01 メキシコ

【得点】

[メ] イルビング・ロサーノ(35分)

 

 メキシコの試合巧者ぶりが光った試合だった。連覇を狙うドイツ相手に、十八番のポゼッションサッカーを展開できなかったが堅守から手数をかけない速攻に活路を見出した。

 

 3分、20分とドイツのストライカー、ティモ・ベルナーがシュートを放つがゴールには至らず。

 

 35分、耐える展開が続いたメキシコのカウンターが発動した。自陣でボールを奪うと素早くワントップのハビエル・エルナンデスに預ける。ハーフウェイライン付近からドリブルでペナルティーエリア近くまでボールを運び、左サイドを駆け上がるロサーノへスルーパスが通る。ロサーノのトラップでドイツDFをかわし右足でニアサイドを打ち抜き、メキシコが先制した。タメをつくったエルナンデス、サボらずにオーバーラップしたロサーノの献身性が生んだ得点だった。

 

 39分、ドイツはペナルティーエリア手前中央でFKを得る。これをMFトニ・クロースが右足で直接狙ったが、GKギジェルモ・オチョアが触りクロスバーに嫌われた。メキシコが1点リードのまま、試合を折り返した。

 

 後半に入ると、焦るドイツと試合巧者のメキシコの展開に拍車がかかった。

 

 10分、ドイツはMFメスト・エジル、FWトーマス・ミュラー、MFユリアン・ドラクスラーとつなぐ。ドラクスラーはペナルティーエリア左サイドから右足でシュートを放つが、メキシコDFが体を張ってシュートをブロックした。

 

 20分、ドイツは右サイドからクロスを入れ、ゴール前でDFヨシュア・キミッヒがオーバーヘッドシュートを放つも枠外。23分には右サイドからのショートCKからエジルがクロスを入れる。DFマッツ・フンメルスが競ったこぼれ球にベルナーが反応し、右足でシュートを打つがふかしてしまった。

 

 前がかりになったドイツの裏をメキシコは狙う。28分、メキシコが手数をかけずにドイツのDFラインの裏へボールを出すと、エルナンデスが走り込む。シュート直前でフンメルスが止めたもののメキシコはドイツ守備陣の隙をついた。

 

 以降、ドイツのシュートラッシュをメキシコDF陣は体を張って防ぐ。最後は途中出場を果たしたドイツのFWユリアン・ブラントのシュートがポストに当たり枠外へ。運も味方につけたメキシコが世界王者相手に大きな勝利を収めた。

 

(文/大木雄貴)