サッカーロシアW杯グループH第1節、日本代表対コロンビア代表戦が19日、サランスクで行われた。試合は日本が2対1で勝利した。日本は前半6分にMF香川真司のPKで先制するが、39分にMFファン・キンテロに直接FKを決められた。しかし、後半28分にFW大迫勇也が勝ち越しゴールを決めて日本が逃げ切った。

 

 大迫、攻守に大奮闘!(サランスク)

日本代表 2-1 コロンビア代表

【得点】

[日] 香川真司(6分)、大迫勇也(73分)

[コ] ファン・キンテロ(39分)

 

 日本はブラジルW杯でコロンビアに1対4と大敗を喫した。4年の歳月を経て、ロシアの地で雪辱を果たした。

 

 日本は慣れ親しんだ4-2-3-1で臨んだ。対するコロンビアのMFハメス・ロドリゲスは左ふくらはぎの張りの影響でベンチスタートとなった。

 

 コロンビアは決勝トーナメントにコンディションのピークを合わせたのだろう。立ち上がりから少々、バタつきが見られた。

 

 3分、FW大迫勇也がDFダビンソン・サンチェスの一瞬のスキを突いてボールを奪い、ペナルティーエリアに侵入。左足でシュートを打つが、GKダビド・オスピナにセーブされる。このこぼれ球に反応した香川が左足を振りぬく。このシュートをMFカルロス・サンチェスが右手で止めてしまい、日本はPKを得る。ハンドを犯したC・サンチェスは一発退場となった。「GKのタイミングを外そうと思った」とキッカーの香川。細かい助走からGKをあざ笑うように中央やや右にゴロで流し込み日本が開始6分で先制した。

 

 12分、相手のセンターフォワード、ラダメル・ファルカオが牙をむく。日本はゴールから遠い位置でコロンビアにFKを与える。キッカーのキンテロが左足で鋭いボールをゴール前に供給。これにファルカオが左足を伸ばして合わせるが、GK川島永嗣がセーブした。

 

 15分には日本のテクニシャン、MF乾貴士にチャンスが訪れる。中盤でMF柴崎岳がボールを奪い香川にボールが渡る。香川からボールを受けた乾がペナルティーエリア左サイドからダイレクトでシュートを放つが枠をそれた。

 

 このシュート以降、相手のペースが落ち、日本はDFラインでボールを回し、時計の針を進めた。

 

 ところが、39分だった。日本のペナルティーエリア手前左サイドでボールが高くあがる。落下地点にはMF長谷部誠とファルカオが入った。ここで長谷部はファルカオにうまく体を当てられ、両者は転倒。主審は長谷部のファウルを取った。キッカーのキンテロはグラウンダーで日本の壁下を狙った。枠を捉えたシュートは川島が反応するも一歩及ばずゴールラインを割り同点に追いつかれた。

 

 日本は数的有利を生かしきれず、1対1で試合を折り返した。

 

 後半に入ると、日本はMF柴崎岳を中心に相手のサイドバックの裏にボールを運んだ。16分、柴崎がピッチ中央付近でボールを持つと右サイドバックの酒井宏樹がオーバーラップを仕掛ける。柴崎からの浮き球のスルーパスを受けた酒井がワントラップして右足で鋭いシュートを狙うが、惜しくもゴール右に外れた。

 

 24分、西野朗監督はMF本田圭佑を香川に代えてピッチに投入した。その4分後だった。日本は左CKを得る。キッカーの本田はゴール中央へクロスを送る。このボールに大迫がヘッドで合わせた。シュートは右ポストを叩きゴールネットを揺らした。

 

 1点をリードした日本だが、33分にはヒヤリとさせられた。後半途中から出場したロドリゲスにエリア内右から左足でシュートを放たれる。だが、FWの大迫が間一髪でブロックに入りコーナーに逃れた。大迫は得点だけでなく、守備でも日本を助けた。

 

 その後も球際で体を張り続けた日本が、2対1で逃げ切った。アジア勢がW杯の舞台で南米勢から初白星をあげた。

 

 試合後、大迫は「(W杯でのゴールを記録し)昔からの夢がかなった。セットプレーはたくさん練習したので、その成果が出せた」と語った。

 

 W杯2カ月前に指揮を執ることになった西野監督は試合をこう振り返った。

「落ち着いて試合に入れた。先制できてリズムをつくれた。リアクションサッカーだけにならず、ボールを持ってゴールを目指す中盤の構成を考えた。柴崎あたりが良くやってくれた。(この勝利は)選手がタフに戦ってくれた結果です」

 

 大会開幕前は3戦全敗もささやかれた。その日本が4年前に大敗を喫した相手に一泡吹かせた。中4日で行われるセネガル戦に向けて、勢いづいたことは間違いない。

 

(文/大木雄貴)