20日(日本時間)、サッカーロシアW杯グループH第1節がモスクワで行われ、セネガル代表がポーランド代表を2対1で下した。前半37分、MFイドリッサ・ゲイエのシュートがDFに当たり、オウンゴールでセネガルが先制。後半15分にはFWエムバイェ・ニアンが決め、リードを広げる。ポーランドは41分にセットプレーから1点を返したものの、届かなかった。

 

 レバンドフスキ、セネガルの堅守に沈黙(モスクワ)

ポーランド 1-2 セネガル

【得点】

[ポ] グジェゴシュ・クリホビアク(86分)

[セ] オウンゴール(37分)、エムバイェ・ニアン(60分)

 

 今大会5カ国が出場しているアフリカ勢。グループリーグ(GL)初戦はエジプト、モロッコ、チュニジア、ナイジェリアが黒星を喫していた。アフリカ勢最後の登場となったセネガルが、ヨーロッパの古豪ポーランドを下した。

 

 セネガルはMFサディオ・マネ、ポーランドはFWロベルト・レバンドフスキというエースを擁する。いずれもキャプテンマークを巻いて、スターティングメンバーに名を連ねた。マネは4-4-2の左サイドハーフ、レバンドフスキは4-2-3-1の1トップを務めた。

 

 DFカリドゥ・クリバリを中心にセネガルは堅い守りを披露した。ボランチのゲイエは運動量豊富に攻守で動き回る。マネも自陣に戻ってディフェンスに貢献する。組織的な守備でポーランドに攻撃のリズムをつくらせなかった。パスがこないレバンドフスキは、前線から何度も中盤に降りてくる場面が見られた。レバンドフスキは23分にペナルティーエリアの外からシュートを放ったが、ミートせず。前半はこのシュート1本に終わった。

 

 均衡を破ったのは37分。左サイドからニアンが中央にパス。マネを経由し、ボランチのゲイエがフリーでボールを受ける。ゲイエが右足を振り抜くと、シュートはポーランドDFに当たり、コースが変わる。シュートに反応していたGKヴォイチェフ・シュチェスニーは逆を突かれるかたちとなり、ボールはゴールの中へと転がっていった。セネガルが待望の先制点を手にし、前半を終えた。

 

 後半開始と同時にポーランドは交代カードを1枚切り、フォーメーションを3-4-2-1に変えた。そしてポーランドのエースも黙ってはいない。4分、レバンドフスキがセンターサークル付近でボールを奪うと、縦へと抜け出す。ペナルティーエリア付近で、サネに倒されてFKを獲得した。ゴールまで約20mの距離。背番号9は右足でゴール右に狙った。ここはGKカディム・エンディアイエに両手で弾かれた。

 

 11分にはウカシュ・ピシュチェクが左からのクロスにボレーで合わせるなどポーランドもゴールに迫る惜しいシーンが目立つ。ところが、次にゴールネットを揺らしたのはセネガルだった。

 

 15分、競り合いの中で痛んで、一度はピッチの外に出ていたニアンがレフェリーの許可を得て戻る。それに気付かずポーランドDFが不用意なバックパスを送った。敵陣で弾むボールにニアンは快速を生かして追いつき、ポーランドDFを振り切った。さらには飛び出してきたGKをワンタッチでかわすと、最後は無人のゴールに流し込んだ。一瞬の隙を見逃さなかったニアンの嗅覚、そして高い身体能力が生きた。

 

 ポーランドは攻撃に人数をかけ、反撃を試みる。41分にFKからMFグジェゴシュ・クリホビアクが頭で合わせて1点差まで迫った。しかし、反撃もここまでだった。12年ぶりのW杯は黒星スタートとなった。

 

 今大会アフリカ勢初勝利を挙げたセネガル。先に試合を行った日本と勝ち点3で並んだ。次節は両国の直接対決。レバンドフスキを封じ込めた守備ブロックは強固である。マネ、ニアンを中心とした攻撃陣はスピードと力強さを兼ねており、日本にとっても脅威になるだろう。

 

(文/杉浦泰介)