20日(日本時間)、サッカーロシアW杯グループA第2節がサンクトペテルブルクで行われ、ロシア代表がエジプト代表に3対1で勝った。ロシアは後半2分に相手のオウンゴールで先制する。その後、MFデニス・チェリシェフとFWアルテム・ジューバが2試合連続得点を挙げ、突き放した。エジプトはMFモハメド・サラーのPKで1点を返すのみ。ロシアは2連勝、エジプトは2連敗となった。

 

 チェルチェソフ監督、選手起用ズバリ(サンクトペテルブルク)

ロシア 3-1 エジプト

【得点】

[ロ] オウンゴール(47分)、デニス・チェリシェフ(59分)、アルテム・ジューバ(62分)

[エ] モハメド・サラー(73分)

 

 前評判を覆す勢いで開催国がピッチで躍動している。ロシアがエジプトに快勝。グループリーグ(GL)2連勝で決勝トーナメント進出へ大きく前進だ。

 

 開幕戦を5対0で大勝したロシア。スタニスラフ・チェルチェソフ監督は前節からスターティングメンバーを2人代え、途中出場から得点を挙げたジューバとチェリシェフを起用した。一方のエジプトは、初戦欠場のサラーが右サイドハーフで今大会初先発。エースを復帰させ、W杯初勝利を目指した。

 

 ロシアは身長196cmのジューバが前線でターゲットとなり、中盤のチェリシェフ、アレクサンドル・ゴロビン、アレクサンデル・サメドフが絡む。右のマリオ・フェルナンデス、左のユーリ・ジルコフという両サイドバックは果敢にオーバーラップを仕掛ける。ボランチのロマン・ゾブニンは何度もボールを拾った。厚みのある攻撃でエジプトゴールに迫った。

 

 6分に敵陣で相手からボールを奪い、ゴロビンがミドルシュートを放つ。枠をとらえきれなかったが、高い位置からプレッシャーをかけてエジプトに主導権を握らせない。開幕戦で1得点2アシストの大活躍を見せたゴロビンが攻撃陣をリードする。

 

 連敗を避けたいエジプトは復帰したサラー、左サイドのトレゼゲを中心に攻撃を仕掛ける。16分にトレゼゲが左からのカットインでシュートを放つと、42分にはサラーがペナルティーエリア内で反転して左足を振り抜いた。いずれも枠の外。前半はスコアレスで終えた。

 

 均衡を破ったのは後半2分。ゴロビンのクロスをエジプト守護神モハメド・エル・シェナウィがパンチングで弾き返した。こぼれ球にゾブニンが反応し、ミドルシュートを放つ。ジャストミートしなかったボールはペナルティーエリア内のジューバの方向へ飛んでいった。これをエジプトのキャプテンDFアーメド・ファティが身体を投げ出して止めようとする。ところが彼の右足に当たったボールはゴールに吸い込まれていった。エジプトにとっては不運な、ロシアにとってはラッキーなかたちでスコアが動いた。

 

 14分にはロシアが追加点を挙げる。ジューバが右サイドにボールを散らすと、サメドフは自らを追い越すフェルナンデスにボールを送る。フェルナンデスがマイナスに折り返すと、ニアサイドに走り込んだチェリシェフは左足で合わせた。GKの股下を抜くゴール。チェリシェフは2ゴールの開幕戦に続く連続得点だ。システマチックな攻撃でロシアがリードを広げる。

 

 3分後、ロシアがゴールネットを揺らす。自陣からFKを前線は放り込む。タワー役のジューバが胸トラップでボールを収める。前を向き、右足を一閃。ゴール右に突き刺した。ジューバも2試合連続ゴール。長身を生かし、最前線で攻撃の起点となった。スタメン起用のチェリシェフとジューバは指揮官の期待に応えて見せた。

 

 エジプトにPKを決められ、2試合連続のシャットアウト勝ちとはならなかったが、3対1で危なげなく勝ち点3を積み上げた。これでロシアは勝ち点6。得失点差はプラス7で暫定首位となった。今節ウルグアイがサウジアラビアに引き分け以上ならば、ロシアの決勝トーナメント進出が決まる。史上2カ国目の開催国GL敗退を免れたと見てほぼ間違いない。

 

(文/杉浦泰介)