21日(日本時間)、サッカーロシアW杯グループA第2節がロストフで行われ、ウルグアイ代表がサウジアラビア代表を1対0で破った。前半23分、ウルグアイはFWルイス・スアレスのゴールで先制。後は堅い守りで、そのまま逃げ切った。グループAはウルグアイとロシアが勝ち点6で、決勝トーナメント進出が決まった。

 

 堅い守りで2試合連続完封(ロストフ)

ウルグアイ 1-0 サウジアラビア

【得点】

[ウ] ルイス・スアレス(23分)

 

 グループAの大本命ウルグアイが1試合を残し、悠々とグループリーグ(GL)突破を確定させた。

 

 スアレス、FWエディンソン・カバーニの2枚看板が揃って先発。前節からフォーメーションは4-4-2のまま、スターティングメンバーは両サイドハーフを代えて臨んだ。対するサウジアラビアはロシアに大量失点を喫した開幕戦からGKを含む4人をチェンジ。負ければGL敗退が決定するだけに勝負に出た。

 

 まずはスアレスがゴールに迫る。3分にペナルティーエリア内の外から、15分にはペナルティーエリア内右の角度のないところからシュートを放つ。いずれもDFにブロックされたものの、31歳の獰猛なゴールハンターはサウジアラビアに脅威を与える。

 

 そして23分、ウルグアイはセットプレーのチャンスを得る。左CKからMFカルロス・サンチェスがクロスを放り込む。中央の長身DFディエゴ・ゴディンに引き寄せられ、GKが飛び出すが両者ともボールに触れない。すると、フリーのスアレスが左足で合わせた。シュートはジャストミートこそしなかったが、無人のゴールに吸い込まれていった。初戦に続き、セットプレーからウルグアイが先制に成功した。

 

 後がないサウジアラビアも反撃を仕掛ける。MFハタン・バハビルが26分にミドルシュート。ここはウルグアイの守護神フェルナンド・ムスレラに右手一本で弾かれた。バハビルは29分にも左サイドバックのヤシル・アル・シャハラニのクロスに飛び込んだが、枠をとらえ切れなかった。サウジアラビアは前半を無得点のまま、ビハインドで終えた。

 

 後半に入ると、今度はウルグアイのカバーニが存在感を発揮する。17分、左サイドでボールを持つと、味方の上がりを待ってピンポイントのクロスを送る。サンチェスのヘディングはゴールバーを越えたが、カバーニの正確なキックでチャンスを演出した。

 

 カバーニは終盤、サウジアラビアゴールに襲い掛かる。35分に味方のシュートをヘディングでコースを変えるも、ゴール左に外れた。42分にはドリブル突破からGKと1対1の場面をつくったが、ここはGKの素早く詰められて得点を奪えなかった。1対0のスコアのまま、試合終了のホイッスルが鳴った。ウルグアイは2戦連続完封で、3大会連続のGL突破を決めた。

 

 持ち前の堅守は光るが、攻撃面では物足りなさが残る。ここまでの2得点はいずれもセットプレー。流れの中でのゴールはない。2トップの能力は高いが、スアレスの1得点のみ。2人を囮に危険な位置に飛び込んでくる選手や、2人に絡んでいく中盤の選手が少ないように映る。このグループでは組み分けに恵まれた感もあるだけに、課題を修正して決勝トーナメントに臨みたい。

 

(文/杉浦泰介)