21日、サッカーロシアW杯グループC第2節がサマラでデンマーク代表対オーストリア代表の一戦が行われた。試合は1対1の引き分けに終わった。前半7分にデンマークのFWクリスティアン・エリクセンが先制点を決めるが、39分にオーストトラリアはPKをMFミレ・イェディナクが落ち着いて決めて同点に追いついた。その後、得点が生まれることはなく、勝ち点1を分け合った。

 

 大会最年少の19歳161日アルザニが途中出場(サマラ)

デンマーク 1-1 オーストラリア

【得点】

[デ] クリスティアン・エリクセン(7分)

[オ] ミレ・イェディナク(39分)

 

 7分、デンマークが均衡を破る。ペナルティーエリア内でボールを受けたFWニコライ・ヨルゲンセンがワントラップして右足アウトで落とす。このボールにMFエリクセンがダイレクトで左足ボレーを放つ。強烈なシュートはコースこそ甘かったがゴールネットに突き刺さった。立ち上がりにデンマークが大きな先制点を決めた。

 

 24分にもデンマークはチャンスを作った。右からのクロスをヨルゲンセンがエリア内ニアサイドに走り込み頭で合わせるがわずかにゴール右にそれた。

 

 序盤はデンマークがリズムを掴んだ。守備では決まり事かのようにオーストトラリアの司令塔MFアーロン・ムーイの近くに一人がチェックに行き、ボールを受けさせない。司令塔をマークされたオーストラリアは攻撃のリズムを掴めなかった。

 

 ムーイが思うようにパスを出せないオーストラリアはサイドアタックから活路を見出す。30分、MFマシュー・レッキーが右サイドを突破し、グラウンダーのクロスを入れる。このボールをFWロビー・クルーズがトラップし右足でシュートを打つがデンマークDFがブロックした。

 

 36分、オーストラリアに運が味方する。オーストラリアのCK。キッカーのムーイはクロスを入れると、このボールに反応したレッキーがヘディングで合わせる。このボールがFWユフス・ポウルセンの左手に当たってしまう。この時、主審は流したが、プレーが切れると、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)制度が使用される。映像検証の結果、ポウルセンのハンドと判定し、オーストラリアが千載一遇のチャンスを得る。

 

 このPKをキャプテンのイェディナクがゴール右に決めてオーストラリアが同点に追いついて試合を折り返した。

 

 後半の立ち上がり、デンマークは右サイドをポウルセンが右サイドから突破を試みる。DFともつれてこぼれたボールをN・ヨルゲンセンがフリックでペナルティーエリア内のFWピオーネ・シストにラストパス。シストは迷わず右足でシュートを放つがボール右に外れた。

 

 オーストラリアも反撃を試みる。26分、抑えられていたムーイがペナルティーエリア外左サイドから強烈なミドルを放つ。惜しくもボールは右にそれるが、流れを引き寄せようとボランチが高い位置まで上がりはじめた。

 

 オーストラリアは攻撃にリズムが出始めた。サイドを突破しクロスを上げる。だが、このクロスの精度が低く、中に詰める攻撃陣になかなか合わない。

 

 初戦を勝利しているデンマークは時間の経過とともに無理をしなくなった。オーストラリアは攻め込むもののクロスに合わせる人数が足りず、攻撃に迫力を欠き、勝ち点1を分け合う結果となった。

 

 この結果、デンマークが勝ち点を4に伸ばしグループリーグ(GL)突破に向けて前進した。アジア勢のオーストラリアは2戦を終えて勝ち点1。GL突破は厳しくなってしまったが、最終節のペルー戦での奮闘を期待したい。

 

(文/大木雄貴)