22日(日本時間)、サッカーロシアW杯グループC第2節がエカテリンブルクで行われ、フランス代表がペルー代表を1対0で破った。フランスは前半34分、MFキリアン・エムバペのゴールで先制。ペルーの反撃をGKウーゴ・ロリスを中心に凌ぎ切った。勝ち点6となったフランスは、1試合を残して決勝トーナメント進出が決定。ペルーのグループリーグ(GL)敗退も決まった。

 

 2試合連続ノーゴール、GL敗退決定(エカテリンブルク)

フランス 1-0 ペルー

【得点】

[フ] キリアン・エムバペ(34分)

 

 優勝候補フランスが順当に決勝トーナメントへコマを進めた。

 

 初戦はオーストラリアに苦戦しながらも勝ち点3を掴んで、この試合に臨んだ。先に行われたデンマークvs.オーストラリアが引き分けたため、フランスは勝てばGL突破が決まる。4-4-2のフォーメーションを敷き、アントワーヌ・グリーズマンとオリビエ・ジルーが2トップを組んだ。193cmの長身FWジルーの周りを衛星のように動き回るグリーズマン。初戦は右ウイングだったエメバペは右のサイドハーフで起用された。

 

 一方、デンマークとの初戦に敗れているペルーは負ければGL敗退が決定する。エースのFWパオロ・ゲレーロを1トップで起用。MFクリスティアン・クエバ、MFアンドレ・カリージョ、MFエディソン・フロレースらが絡み、攻撃の厚みを持たせたいところだ。

 

 キックオフすると、多くのチャンスをつくったのはフランスだった。そのほとんどに絡んだのがエースのグリーズマンだ。11分、グリーズマンはジルーに縦パス。ボールがこぼれたところにグリーズマンが反応し、シュートを放ったが、ゴール右に外れた。14分には左CKからグリーズマンがニアサイドにボールを送る。これをDFラファエル・ヴァランが頭で合わせたものの、シュートは枠内に飛ばない。16分にはジルーがヘディングで落としたボールをグリーズマンがダイレクトボレー。今度はGKにセーブされた。

 

 フランスのエースがペルーゴールを脅かすなら、ペルーのエースも黙ってはいない。31分、クエバが左サイドからカットイン。ニアサイドのゲレーロにパスを送った。ゲレーロはワントラップでマークを完全に剥がし、左足でゴールを狙う。ここはフランスの守護神ロリスに足で防がれた。

 

 しかし、フランスの攻撃陣はグリーズマンだけではない。今度は19歳のエムバペが躍動する。ボールを受けるとトリッキーなボールタッチで相手を惑わす。33分、MFポール・ポグバの浮き球スルーパスに対し、ヒールで合わせようとしたものの、ここはうまく当たらなかった。

 

 そして34分、試合が動く。ポグバが高い位置でボールを奪うと、ジルーへスルーパスを送る。ジルーのシュートはDFに当たって高く上がった。タイミングを外されたGKは、ボールにうまく反応できない。ここでペナルティーエリア内にいたエムバペが押し込んで、ゴールネットを揺らした。背番号10の今大会初ゴールで、フランスが先制に成功する。

 

 ペルーは後半開始と同時に2枚替え。DFアンデルソン・サンタマリアとFWジェルソン・ファルファンの投入で流れを変えようとした。それが功を奏したのか、後半はほぼペルーペース。6分にMFペドロ・アキーノのミドルがゴールを襲う。クロスバーに弾かれ、得点にはならなかったが、攻撃に勢いをつける。

 

 16分はカリージョ、23分にはDFルイス・アドビンクラがペナルティーエリアの手前からシュートを放つ。しかし、いずれも枠外。29分にはファルファンがカリージョのクロスをジャンピングボレーで合わせたものの、わずかに枠を外れた。ペルーは終了間際にゲレーロが直接FKを狙ったが、ゴールは最後まで遠かった。チームは2試合連続で無得点。36年ぶりのW杯は2連敗でGL敗退となった。

 

 フランスはGL2試合で3得点。まだ攻撃陣が波に乗り切れていない印象だ。ただエースのグリーズマンを中心に、エムパベやポグバらでチャンスは作れている。爆発は決勝トーナメントに入ってからか。

 

(文/杉浦泰介)