23日(日本時間)、サッカーロシアW杯グループD第2節がヴォルゴグラードで行われ、ナイジェリア代表がアイスランド代表に2対0で勝った。ナイジェリアは後半4分にFWアーメド・ムサのゴールで先制すると、30分には再びムサが決めた。ナイジェリアは勝ち点3を掴み、グループD2位に浮上した。

 

 19歳ウゾホ、好セーブで完封に貢献(ヴォルゴグラード)

ナイジェリア 2-0 アイスランド

【得点】

[ナ] アーメド・ムサ(49分、75分)

 

“スーパーイーグルス”がロシアの地で羽ばたいた。ナイジェリアがアイスランドを下し、今大会初勝利を挙げた。

 

 グループDはクロアチアがグループリーグ(GL)突破を決め、残り1つの椅子を巡ってアイスランド、アルゼンチン、ナイジェリアの3カ国が争う。初戦を落としているナイジェリアはこの試合で負ければGL敗退が確定。“絶対に負けられない戦い”がそこにはあった。

 

 アイスランドの組織、ナイジェリアの個という図式。アイスランドはシンプルな攻撃でリズムをつくった。前半3分にMFギルフィ・シグルドソンが直接FKを狙うが、ここはナイジェリア守護神のフランシス・ゾウホが横っ飛びで防いだ。G・シグルドソンは6分がペナルティーエリア内でシュートを放ったものの、コースを読んだゾウホがキャッチした。

 

 ナイジェリアは前半、6割ボールを保持していたが、アイスランドの組織的な守備に手を焼いた。決定機どころかシュートすら打たせてもらえなかった。ナイジェリアは後半開始から左サイドハーフのブライアン・イドゥをケネス・エブエヒに代える。ここからナイジェリアが攻勢に出る。1分、MFオゲカネロ・エテボがチームのファーストシュートなるミドルシュートで反撃の狼煙を上げる。

 

 その3分後にカウンターから得点が生まれる。右サイドでボールを持ったMFヴィクター・モーゼスがスピードを生かす。快速のモーゼスはアイスランドDFを振り切ると、クロスを選択。それをペナルティーエリア内に走り込んだムサが、大きく右足を伸ばした。ワンタッチでコントロールされたボール。ムサは右足を振り抜いた。強烈なシュートがゴールネットに突き刺さる。

 

 1点のリードを手にし、俄然勢いに乗るナイジェリア。12分にはMFウィルフレッド・ディディがミドルシュートを放つ。ここはアイスランドGKハネス・ハドルドソンに右手一本でかき出された。25分と27分にはセットプレーからヘディングで合わせたが、いずれも枠を外れた。前半とは打って変わってナイジェリアの時間帯が続いた。

 

 30分、ナイジェリアがリードを広げる。長い縦パスに反応したムサが、ドリブルでペナルティーエリア内に侵入する。飛び出してきたGKハドルドソンをかわすと、冷静にボールをコントロールしてシュートを決めた。先制点同様にムサが高い身体能力を見せつけた。

 

 対するアイスランドは38分にシグルトソンがPKを外すなど、この日はゴールが遠かった。このままナイジェリアの2対0でタイムアップ。アイスランドは後半からナイジェリアに猛攻を受けたことで、終盤は出足も鈍り精彩を欠いた。

 

 大会前混戦が予想されたグループDは第2節を終了して、首位は勝ち点6でクロアチア。ナイジェリアは勝ち点3で2位に浮上した。勝ち点1で並ぶアイスランドとアルゼンチンは得失点差でアイスランドが3位、アルゼンチンは4位。ナイジェリアは次節の勝利で決勝トーナメント進出が決まる。GL最終節はW杯4戦全敗の天敵アルゼンチンに挑む。

 

(文/杉浦泰介)