24日(日本時間)、サッカーロシアW杯グループF第2節、ドイツ代表対スウェーデン代表の一戦がソチで行われた。試合はドイツがスウェーデンに2対1で勝利した。試合は前半32分、スウェーデンのFWオラ・トイボネンが先制点を決めた。ドイツは後半3分にMFマルコ・ロイスの得点で追いつくと、アディショナルタイムにMFトニ・クロースのゴールで逆転勝利を収めた。

 

 クロース、劇的逆転FK弾!(ソチ)

ドイツ 2-1 スウェーデン

【得点】

[ド] マルコ・ロイス(48分)、トニ・クロース(90+5分)

[ス] オラ・トイボネン(32分)

 

 初戦を落としているドイツは、この試合で敗れるとグループリーグ(GL)敗退となる。得点を奪うため立ち上がりから前がかりになったが、スウェーデンの守備に苦しめられた。

 

 ドイツはサイドから攻め込むが、スウェーデンのサイドを捨てて、中央を固める守備網を崩せない。スペースがなく、スピードが武器のFWティモ・ヴェルナーが全くいきなかった。

 

 すると32分、スウェーデンにゴールを奪われる。FWマルクス・ベリがボールをカットし、右サイドのMFビクトル・エラクソンにはたく。エラクソンがアーリークロスを入れると、トイボネンが胸トラップから右足でシュート。ボールは相手DFに当たり、GKマヌエル・ノイアーの頭上をこえてゴールネットを揺らした。

 

 後半に入ると、ドイツのヨアヒム・レーブ監督が動く。2列目のユリアン・ドラクスラーに代えて身長189センチのFWマリオ・ゴメスを投入し、ヴェルナーを左サイドに張らせる。この采配が的中する。

 

 3分、ヴェルナーが左サイドを縦に突破し、中へ折り返す。ニアサイドでゴメスが潰れて、その後ろからロイスが左足でシュート。GKが反応できず、ドイツが同点に追いついた。サイドのスペースでヴェルナーのスピードが活きた。ゴメスもニアサイドで囮となって、ロイスのゴールを演出した。

 

 今大会初ゴールを記録したドイツは、硬さがなくなり、さらに勢いを増した。6分、FWトーマス・ミュラーのヘッド、11分にはDFヨナス・ヘクターのシュートでスウェーデンゴールを脅かすが、得点には至らなかった。

 

 攻勢に出たドイツだったが、36分、DFジェローム・ボアテングがこの試合、2枚目の警告を受けて退場処分となる。2点目を狙うにあたり、1人少なくなってしまった。

 

 同点のまま時間は経過し、このまま試合が終わると思われた後半アディショナルタイム。ヴェルナーのドリブルから左サイドでFKを得たドイツ。キッカーのクロースはポイントをずらし、ロイスに預ける。ロイスが止めたボールをクロースがゴールファーサイドを狙う。美しい弧を描いたシュートは見事、右サイドネットを揺らし、ドイツが土壇場で逆転に成功。2対1でドイツが勝利した。

 

 前回王者がGLで敗退するところだったが、意地を見せた結果となった。だが、最終節にはセンターバックのボアテングが出場停止。もう1人のレギュラーセンターバック、マッツ・フンメルスも頸椎を痛めており、出場できるかは微妙である。GL突破に可能性を残したが、不安材料を抱えて最終節の韓国戦(日本時間27日)を迎える。

 

(文/大木雄貴)