26日(現地時間)、サッカーロシアW杯グループC最終節がソチで行われ、ペルー代表がオーストラリア代表を2対1で破った。ペルーは前半18分、MFアンドレ・カリージョのゴールで先制に成功する。後半5分にはFWパオロ・ゲレーロが追加点。ペルーはオーストラリアに反撃を許さず、完封勝ちを収めた。

 

 エース・ゲレーロ、1G1Aの活躍(ソチ)

オーストラリア 0- ペルー

【得点】

[ペ] アンドレ・カリージョ(18分)、パオロ・ゲレーロ(50分)

 

 36年ぶりに出場のペルーが今大会初勝利を挙げた。W杯での白星は1978年アルゼンチン大会以来だ。

 

 2連敗でグループリーグ(GL)敗退が決まっているペルーと、決勝トーナメント進出の可能性をわずかに残すオーストラリアは共に勝ち点3を目指した。オーストラリアがボールを保持し、ペルーがカウンターから活路を見出す。対照的なサッカーを展開した。

 

 前半18分、ペルーのカウンターが先制点を生む。自陣からのロングパスに反応したゲレーロがボールをキープ。ペナルティーエリア内左から逆サイドへボールを振る。エースからのクロスにダイレクトで合わせたのがカリージョだ。イングランド・プレミアリーグのワトフォードでプレーするサイドアタッカーは、右足を振り抜き、ゴール左に突き刺した。

 

 ペルーは25分にセットプレーからゲレーロがバックヘッドでゴールを狙う。ここはGKマシュー・ライアンに止められたものの、流れは悪くない。中でもゲレーロにはボールが収まり、味方が走り込むタメをつくれる。34歳のエースの存在感は際立っていた。

 

 暫定2位のデンマークとは勝ち点差3のオーストラリアは他会場(フランスvs.デンマーク)の結果に関わらず、まずここで勝利しなければ決勝トーナメント進出の可能性は潰える。27分にMFトム・ロギッチが中央突破から左足でシュートを放つ。ここはペルーのGKペドロ・ガジェセにセーブされた。34分にはロギッチがスルーパス。ペナルティーエリア内左に侵入したMFロビー・クルーズが折り返したが、ペルーのDF陣がスライディングで中央に飛び込んできたMFマシュー・レッキーにボールを触らせなかった。

 

 前半は1対0でペルーのリードで終了。オーストラリアはボールを支配していたものの、ペルーの身体を張った守りにチャンスはそれほどつくれなかった。

 

 後半開始早々、ペルーはアクセルを入れて、前線からプレスをかけた。5分、MFクリスティアン・クエバが左サイドを抜け出し、ペナルティーエリア内に進入する。中央へのパスはDFに当たって跳ね上がった。そのボールにゲレーロが反応し、左足でボレーシュートを放った。ボールはまたしてもDFに当たったが、ゴール右に吸い込まれる。エースが貴重な追加点を叩き出し、ペルーに久々の勝利を手繰り寄せる。

 

 オーストラリアは8分にFWティム・ケーヒルを投入。過去3大会連続ゴール中のケーヒルの勝負強さを買った。その後もオーストラリアは司令塔のMFアーロン・ムーイを中心にパスを回し、守りを固めるペルーの防御網を崩そうとする。ムーイが蹴る正確なセットプレーからも何度かチャンスをつくったものの得点は奪えない。結局、オーストラリアはペルーの3倍以上となる14本のシュートを放ったが、最後までゴールは遠かった。

 

 一方のペルーはシュート4本で2得点。効率の良い攻撃で着実にスコアした。数少ないチャンスをゲレーロという大黒柱の存在がモノにした。36年ぶりのW杯はオーストラリアと同じGL敗退に終わったが、最終戦を勝利で締めくくった。

 

(文/杉浦泰介)