26日(現地時間)、サッカーロシアW杯最終節がロストフで行われ、アイスランド代表がクロアチア代表に1対2で敗れた。アイスランドは前半、チャンスをつくりながら無得点。後半8分、MFミラン・バデリに決められ、先制を許した。31分にPKで追いついたものの、終了間際にMFイバン・ペリシッチにトドメを刺された。アイスランドは1分け2敗でグループリーグ(GL)敗退となった。一方のクロアチアは3連勝で首位通過。決勝トーナメント初戦はC組2位のデンマークと対戦する。

 

 バデリ、全得点に絡む活躍(ロストフ)

アイスランド 1-2 クロアチア

【得点】

[ア] ギルフィ・シグルドソン(76分)

[ク] ミラン・バデリ(53分)、イバン・ペリシッチ(90分)

 

 EURO2016に続く快進撃はならなかった。初出場のアイスランドはクロアチアに引き分け終戦。勝ち点2で決勝トーナメント進出に届かなかった。

 

 アイスランドは司令塔のG・シグルドソン、ロングスローの使い手MFアロン・グンナールソン、エースストライカーのアルフレッドフィンボガソンなど主力を起用。一方、既にGL突破を決めているクロアチアは前節のアルゼンチン戦からMFルカ・モドリッチ、ペリシッチ以外の9人を入れ替えてきた。

 

 ボールを支配するのはクロアチアだが、チャンスはアイスランドの方が多かった。得意のセットプレーからだ。26分、MFアロン・グンナールソンのロングスローでゴール前に放り込むと、DFヘルドゥル・マグヌソンが競り勝ってファーサイドへ繋ぐ。しかし、ここは味方に合わなかった。29分は右CKからマグヌソンがヘディングシュート。ここはゴール左に外れた。

 

 2戦連続完封中のクロアチアの守備陣を崩せない。31分にG・シグルドソンが直接狙うが、GKロブレ・カリニッチにキャッチされた。35分にはCKからシュートを続けざまにシュートを放ったものの、クロアチアのDFが身を挺してブロック。ゴールが遠い。

 

 今大会初先発、ゴールマウスを守るカリニッチが立ちはだかった。アディショナルタイムに好セーブを連発した。CKからのハイボールに飛び出してパンチング。MFビルキル・ビャルナソンのシュートは足で止めた。終了間際にはグンナールソンの強烈なミドルシュートを弾き出した。

 

 前半はクロアチアの倍となる8本のシュートを放ちながら、ノーゴールだった。すると後半開始早々、クロアチアのバデリがアイスランドに牙をむく。6分にミドルシュートがバーを叩く。2分後にはペナルティーエリア内にこぼれた浮き球を叩きつけるボレー。アイスランドは先にゴールを破られた。

 

 決勝トーナメント進出のためには勝つしかないアイスランドは、ここから猛攻を仕掛ける。10分はロングスローから、11分にはCKからDFスベイル・インガソンがヘディングシュート。GKの好セーブとポストに阻まれ、同点にできない。

 

 それでも30分にペナルティーエリア内左でのG・シグルドソンの折り返しが、クロアチアDFデヤン・ロブレンの手に当たり、PKを獲得した。これをG・シグルドソンが自ら決めて、追いついた。前節のナイジェリア戦でPKを外していたG・シグルドソンだが、高めのコースに蹴り込む強心臓ぶりを発揮した。

 

 まずはあと1点。アイスランドは勝ち越しを目指し、前がかりになったものの、クロアチアのカウンターを食う場面も見られた。すると45分、バデリに高い位置でボールを奪われ、ペナルティーエリア内に侵入したペリシッチにスルーパスを通された。ペリシッチの左足シュートがゴールに突き刺さり、万事休す。このまま1対2のスコアで試合は終了した。

 

 北欧の小国は初のW杯でアルゼンチンに善戦し、この試合も熱戦を繰り広げた。堅い守備からの速攻。長身選手を生かしたロングスロー、CKなどのセットプレーは相手にとって脅威だった。アイスランドはGL最下位で終わったが、その戦いぶりには多くの者が拍手を送るだろう。

 

(文/杉浦泰介)