25日(現地時間)、サッカーロシアW杯グループD最終節、アルゼンチン代表対ナイジェリア代表の一戦がサンクトペテルブルクで行われた。試合は2対1でアルゼンチンがナイジェリアを降した。前半14分にアルゼンチンがFWリオネル・メッシのゴールで先制。後半6分にナイジェリアのFWヴィクター・モーゼスにPKを決められたが、41分にDFマルコス・ロホの勝ち越し点でアルゼンチンが勝利。この結果、最下位だったアルゼンチンが勝ち点を4とし2位に浮上したため決勝トーナメント進出を決めた。一方、試合前は2位だったナイジェリアが3位に転落し、グループリーグ(GL)敗退となった。
センターDFのロホが勝ち越し点を決める!(サンクトペテルブルク)
アルゼンチン 2-1 ナイジェリア
【得点】
[ア] リオネル・メッシ(14分)、マルコス・ロホ(86分)
[ナ] ヴィクター・モーゼス(51分)
グループB最下位のアルゼンチンはGL突破のためには勝利が絶対条件、一方のナイジェリアは引き分け以上で突破が決まった。
序盤は激しい肉弾戦となった。アグレッシブにぶつかり合う反面、裏のスペースが空く場面が目立った。
14分、そのスペースを上手くついたのはアルゼンチンだった。ハーフウェイライン付近でMFエベル・バネガがボールを持つ。すると前方右サイドにポジションを取るメッシが相手DFラインの裏を取る。この動きを見逃さなかったバネガはライナー性のロングボールを送る。このボールをメッシが左太ももでトラップ。左足の甲でワンタッチした後、右足で冷静にゴール左に突き刺した。エースの今大会初ゴールは大事な一戦での貴重な先制点となった。
27分、右サイドでメッシがボールを持つと、敵陣を切り裂くスルーパスをエリア内に送る。これにFWゴンサロ・イグアインが走り込み右足でシュートを放つがナイジェリアGKフランシス・ウゾホにセーブされた。
32分、アルゼンチンはペナルティーエリア手前左サイドからのFKをメッシが直接狙う。ゴール右隅を狙ったシュートはウゾホが左手の指先でわずかに触り、ポストを叩いた。
GL初戦のアイスランド戦のように“必ずメッシを経由する”ことはなかったアルゼンチン。しかし、それがかえって相手に的を絞らせず、メッシが躍動した前半だった。
良い流れのまま追加点を奪いたかったアルゼンチン。しかし、後半開始早々だった。CKのポジション争い中でDFハビエル・マスチェラーノがエリア内で相手のDFレオン・バログンを抱え倒してしまった。これをファウルと判定されてしまった。このPKをモーゼスに落ち着いて決められた。
引き分けではGL敗退となるアルゼンチンだったが、ナイジェリアを勢いづかせてしまった。FWアーメド・ムサの個人技で幾度となくアルゼンチンの右サイドを突破されたが、シュート精度の低さに助けられた。
30分にもアルゼンチンは冷や汗をかいた。クロスボールを入れられるがロホがヘディングでクリアー。しかし、クリアーボールがロホの手に当たった可能性があると見なされVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の対象となる。映像判定の結果、確かにボールは手に当たったが、意図的ではないとノーペナルティーの判定となった。
アルゼンチンのピンチは続く。38分にもナイジェリアのFWオディオン・イガロに決定機が訪れるがGKフランコ・アルマーニがセーブ、40分には直接FKのピンチを迎えたがボールはぎりぎり枠外だった。
危ない場面を耐え忍んだ後には、アルゼンチンにチャンスが転がり込む。41分、右サイドの深い位置からDFガブリエル・メルカドがクロスを入れる。これをセンターバックのロホが右足インサイドできっちり合わせる。ジャストミートしたボールはゴール右隅に突き刺さった。グループBの最下位に沈んでいたアルゼンチンを2位に浮上させた値千金のゴールだった。
ナイジェリアの捨て身の猛攻をはね返し続けたアルゼンチンが最下位から大逆転でGL突破を決めた。一方、引き分け以上ならGL突破と有利な条件だったナイジェリアは3位転落、GLで姿を消す結果となった。
(文/大木雄貴)