27日(現地時間)、サッカーロシアW杯グループFの最終節、メキシコ代表対スウェーデン代表の一戦がエカテリンブルクで行われた。試合はスウェーデンが3対0でメキシコに勝利した。後半5分、スウェーデンがDFルドビク・アウグスティンソンのゴールで先制。17分にはDFアンドレアス・グランクビストがPKを落ち着いて決めて、29分にはオウンゴールでリードを広げた。この結果、グループFの首位はスウェーデン。他会場のドイツ代表対韓国代表の一戦は韓国が勝利したため、メキシコが2位で決勝トーナメント進出を決めた。

 

 メキシコ、他会場の結果で2位通過(エカテリンブルク)

メキシコ 0-3 スウェーデン

【得点】

[ス] ルドビク・アウグスティンソン(50分)、アンドレアス・グランクビスト(62分)、オウンゴール(74分)

 

 勝ち点6のメキシコ、同3のドイツとスウェーデン、同0の韓国にも決勝トーナメント進出のチャンスがあった混戦のグループF。メキシコが条件的には有利だが、前半からスウェーデンペースだった。

 

 スウェーデンの堅守の前にメキシコはボールを持たされる展開となった。スウェーデンは、奪うとショートカウンターからセットプレーをもぎ取るしぶとさを見せる。6分にペナルティーエリア左サイドからのFKをMFエミル・フォシュベリが右足で直接狙うが、メキシコGKギジェルモ・オチョアにパンチングで防がれた。12分には左CKからグランクビストがヘッドでつなぎ、FWマルクス・ベリがオーバーヘッドで合わせるがゴールネットは揺らせなかった。

 

 メキシコもショートカウンターを仕掛ける。高い位置で奪いトップ下のMFカルロス・ベラに預ける。技巧派の左利きはエリア外から迷わず利き足を振りぬくがシュートはゴール左にそれた。

 

 18分、33分とスウェーデンは右サイドからクロスを入れてニアを囮にファーサイドの選手がシュートを打つがボールは枠外。だが、このかたちが後半に実を結ぶ。

 

 後半5分、スウェーデンは右サイドからベリがグラウンダーのクロスを入れる。ニアサイドでMFヴィクトル・クラーソンが合わせるがシュートミス。しかし、これがファーサイドに走り込んだ左サイドバックのアウグスティンソンにピタリと合う。フリーでアウグスティンソンが左足ボレーを放つと、ゴールネットに突き刺さり、スウェーデンが先制ゴールをあげた。

 

 勢いづくスウェーデンはさらに仕掛ける。15分、ボールを受けたベリがペナルティーエリア内右サイドに侵入し、シュートモーションに入るが制止する。慌てて飛び込んできたメキシコDFとボールの間に足を入れてファウルを誘いPKを得る。これをキッカーのグランクビストが左隅に決めてリードを広げた。ストライカーのベリの駆け引きが生んだ貴重な追加点だった。

 

 メキシコにチャンスを与えないまま、スウェーデンは3点目を奪う。29分、右サイドで得たスローイン。クラーソンがロングスローでペナルティーエリア内にボールを入れる。FWイサック・キーセ・テリンがヘッドで後方にそらす。これにFWオラ・トイボネンが反応するが、マークについたメキシコDFに当たり、ゴールとなってしまった。

 

 3点差となりスウェーデンの首位通過はほぼ確実となった。一方、このままだとメキシコは他会場の韓国対ドイツの結果も影響してくる。メキシコは最後の力を振り絞りスウェーデンゴールに襲い掛かるが、焦りからボールの出し手と受け手の呼吸が合わない。

 

 試合はスウェーデンが無失点でこの試合に勝利。見事首位で決勝トーナメント進出を決めた。他会場の韓国対ドイツ戦は、韓国が勝利したためメキシコは2位でGL突破を果たした。混戦となったF組を勝ち上がったのはエカテリンブルクで最終節を迎えた2カ国となった。

 

(文/大木雄貴)