27日(現地時間)、サッカーロシアW杯グループEの最終節、ブラジル代表対セルビア代表の一戦がモスクワで行われた。試合はブラジル2対0でセルビアに勝利した。前半36分にブラジルがMFパウリーニョのゴールで先制する。後半に入ると左CKからDFチアゴ・シウバがヘッドで追加点を奪った。この結果、ブラジルは勝ち点を7に伸ばしグループリーグ首位通過を決めた。

 

 コウチーニョ、好アシストで先制点を演出(モスクワ)

ブラジル 2-0 セルビア

【得点】

[ブ] パウリーニョ(36分)、チアゴ・シウバ(68分)

 

 ブラジル、セルビア、スイスで2つの枠を争うグループE。勝ち点4で首位に立つブラジルと同3のセルビアの対決となった。ブラジルは引き分け以上でグループリーグ(GL)突破、セルビアは勝利が最低条件だった。

 

 序盤は互いに攻守の切り替えが速く、中盤での潰しあいとなった。両国ともにチャンスらしいチャンスは少なかった。

 

 36分、ブラジルがセルビアDF陣の一瞬のスキを見逃さなかった。中盤でMFコウチーニョがボールをキープ。その間、コウチーニョと中盤でコンビを組むパウリーニョがゴール前にダッシュ。コウチーニョはタイミングを見計らってミドルパスを相手DFラインの裏に送ると、パウリーニョがGKより一瞬先に右足のつま先でボールに触り、ゴールネットを揺らした。

 

 こうなるとブラジルのペースになる。意気揚々とボールを回し相手の様子を伺いながら試合を折り返した。

 

 後半に入るとセルビアが立て続けにクロスをゴール前に入れる。16分には右サイドから速いクロスを入れるが、ブラジルGKアリソンが弾く。このボールにFWアレクサンダル・ミトロビッチが詰めるがチアゴ・シウバがカバーに入った。20分にも右からのクロスにミトロビッチが189センチの体格を生かして頭で合わせるがGKに阻まれた。

 

 23分、ブラジルが試合巧者ぶりを見せつける。左CKのキッカー、ネイマールはクロスをニアサイドに供給。このボールにファーサイドからニアサイドに走り込んだチアゴ・シウバがヘディングで合わせてゴールを決める。完全にセルビアの流れだったがセットプレーから追加点を奪い、流れをブラジルに引き寄せた。

 

 リードを2点に広げたブラジルは、前線のネイマール、ウィリアン、ガブリエル・ジェズスらが遊びをまじえた個人技でセルビアDFを翻弄する。ボールを失ったとしても、アンカーのカゼミーロ、センターバックのチアゴ・シウバとミランダの3人がいとも簡単に回収してしまう。セルビアは心が折れたように足が止まってしまった。

 

 38分にはネイマールが右サイドからの折り返しに右足ボレーを放つ。シュートは惜しくも外れた。この日、エースの得点はなかったもののブラジルが危なげなく2対0で勝利を飾った。この結果、ブラジルが1位でGLを突破し、スイスが2位で決勝トーナメント進出を決めた。

 

 前回大会、ブラジルはホーム開催だったが準決勝でドイツに1対7と大敗を喫した。雪辱を果たすべくサッカー王国が決勝トーナメントからはフルスロットルで戦いに臨む。

 

(文/大木雄貴)